運動中に起こる腰痛とは

腰痛は、球技や陸上競技など、スポーツのジャンルを問わず、発生しやすい症状です。

腰痛には様々な種類がありますが、運動中に起こりやすいのは、筋肉が原因となっている『筋・筋膜性腰痛』と呼ばれるものです。
身体を急激に動かし、腰の筋肉に極端に大きな負担がかかることにより、起こることが多いです。

これに対し、慢性的な腰痛は、『オーバーユース(使い過ぎ)』による疲労が原因であることが多いです。腰の筋肉の緊張が高くなり、筋肉に痛みが出ます。

筋・筋膜性腰痛を起こしやすい動作

筋・筋膜性腰痛は、『ピッチング』や『スイング』、『ジャンプ』などの動作で起こりやすいです。

これらに共通している関節の動きは、脊柱の『過伸展』や『屈曲』、『回旋』です。
過伸展とは、普通、真っ直ぐまでしか伸びない関節が、それ以上に伸びてしまうことを言います。

3つの中でも特に、中腰の姿勢で脊柱の回旋を行うことには、注意が必要です。
具体的なスポーツ例には、ゴルフのスイングがあり、体幹の前傾と回旋を伴うため、腰痛を起こしやすいです。

腰痛の治療

急性の腰痛では、動くことも困難な場合があります。このような場合には、まずは身体を「安静」にし、次に痛めた部位を「冷やす」ようにしましょう。

脚の痺れや激痛がある場合には、病院へ受診することをおすすめします。

痛みが落ち着いたら、ストレッチやマッサージを行い、痛みが消失したら、筋トレを行っていきます。

腰痛を予防・対策するトレーニング

腰痛を予防・対策するには、体幹や脚のトレーニングが効果的です。
ここでは4つのトレーニングをご紹介します。

1. ドローイング

ドローイングでは、意識して呼吸を行い、インナーマッスルである『腹横筋』や横腹にある『腹斜筋』を鍛えます。

①仰向けで寝て、両膝を立てて、両手の指先を下腹部に当てます。
②口から息をふーっと息を吐いていき、できる限り吐ききります。
③息を吐ききったら、腹式呼吸にて鼻から空気を吸い込み、腹部を膨らませます。
④口から息をふーっと長く吐き、腹部をできるだけへこませます。この時、骨盤の内側に力を入れて腹部が固くなるのを感じてください。
⑤手順③と④を10回繰り返します。

2. ドローイング + 脚の屈伸

ドローイングをしっかりと行いながら、脚を動かすことにより、さらにインナーマッスルに負荷をかけることができます。
ドローイングの呼吸のやり方は前項を参照してください。

①ウォームアップとしてドローイングを10回ほど行い、インナーマッスルを意識するようにします。
②仰向けで寝そべったまま、足を持ち上げて両膝と股関節を90度に曲げ、椅子に座るような形を作ります。上の写真のように、すねが床と平行になるイメージです。
③ドローイングの呼吸を行いながら、息を吐くタイミングで右脚を床と平行になるように真っ直ぐ伸ばします。
④片足を伸ばした状態で、少し息を吸います。
⑤息を吐くタイミングで右脚を90度に戻すと同時に、左脚を床と平行になるように真っ直ぐ伸ばします。
⑥脚を交左右交互に入れ替えながら、10回繰り返します。

3. プランク

身体を板のようにキープすることにより、体幹の安定化に働きます。
直接、フローリングの床で行うと肘が痛いため、カーペットやヨガマットの上で行いましょう。

①マットの上で四つん這いになり、両手を肩幅に開きます。
②床に手首から肘を着き、肘の角度が90度になるように曲げます。
③両脚を大きく後ろに下げ、つま先だけをマットに着けます。足と足の間は腰幅に保ちましょう。
④殿部を浮かせ、上の写真のように、頭から足が一直線になるようにします。この時、腹部や殿部が落ちたり、上がりすぎたりしないように注意しましょう。
⑤腹式呼吸をしながら、手順④の姿勢を30秒間キープします。
慣れてきたら、徐々に時間を長くしていきましょう。

4. スクワット

スクワットでは、太ももの前面にある『大腿四頭筋』や後面にある『ハムストリングス』、お尻の筋肉である『大殿筋』を鍛えることができます。
これにより、体幹が安定し、腰痛を予防できます。

①両足を肩幅に開き、膝とつま先が同じ向きになるように合わせます。
②両手を腰に当てるか、身体の前で組みます。
③背中をまっすぐ伸ばし、椅子に腰かけるように殿部を後ろに下げながら、膝を曲げて腰を落としていきます。
④太ももが床と平行になるくらいまで下がったら、そこで3秒間止まります。
⑤その後、ゆっくりと身体を起こします。

腰痛を予防・対策するストレッチ

ストレッチには、筋肉の柔軟性を向上させたり、疲労を回復させたりする効果があります。

腰痛改善を目的としたストレッチでは、腰、お尻、太ももの3か所を伸ばしていきます。
スポーツの実施前後や、入浴後、就寝前などに行ってみてください。

1. 腰部のストレッチ

①①仰向けに寝て、両膝を立て、両手を横に広げます。
②ゆっくりと呼吸しながら、両膝をそろえて右側に倒します。
③10秒間経過したら元に戻し、今度は左側へ同じように倒します。

2. 殿部のストレッチ

①仰向けに寝て、両膝を立てます。
②左足首を右の太ももの上に乗せます。
③上の写真のように、左手を両足の間から、右手を右足の外側から伸ばし、右の太ももの裏側を抱えます。
④ゆっくりと呼吸をしながら、腕の力を使って両足を身体に引き寄せます。
⑤10秒間経過したら、両膝を立てた状態に戻し、今度は逆側のお尻のストレッチも同じように行います。

3. 太もも裏側のストレッチ

①仰向けになり、両膝を立てます。
②右の太ももの裏側を両手で抱えます。
③右足の裏を天井に向けるように、膝を伸ばします。
④10秒間経過したら、右脚を元に戻し、左側も同じように行います。

おわりに

今回は、スポーツで起こる腰痛と、その対処法をお伝えしました。
スポーツは、怪我をするリスクもありますが、健康のためにも、ぜひ継続して行いたいものです。長くスポーツが続けられるよう、筋トレやストレッチなど、身体のケアをしっかりと行いましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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