はじめに

美容や健康目的でヨガを始める方が増えています。精神をリラックスさせたり、体の柔軟性や新陳代謝を高めたりできるヨガですが、陰ヨガと陽ヨガがあるのをご存じでしたか?
この2つの違いを知らずにヨガを行っているという方も多いかと思いますので、今回はその違いと陰ヨガのポーズについて説明します。

陽ヨガと陰ヨガの違い

陽ヨガとは

陽ヨガはダイエットやスタイルを良くすることが目的で、運動量が比較的多く、筋肉を鍛えることができます。筋肉を鍛えるので、代謝もアップやリフレッシュ効果が期待できます。
陽ヨガの動きは、立った状態、座った状態、寝た状態の3つのポーズを合わせて行います。陽ヨガにはアシュタンガヨガ、パワーヨガなどがあげられます。

陰ヨガとは

運動量が多い陽ヨガに対し、骨や靭帯などに働きかけ、体の柔軟性を高める効果があるのが陰ヨガです。深く呼吸をしながら、ゆっくりと動くので、リラックスしながら行うことができます。
寝た状態と座った状態で行われることが多く、陽ヨガのように立ったポーズはほとんどありません。

代表的な陰ヨガのポーズ

バタフライポーズ

股関節を柔らかくする効果のあるポーズです。
1)マットの上にあぐらをかくように座り、両足の裏を合わせます。
2)股関節に痛みを感じない程度に、楽な位置まで両膝をゆっくりと広げていきます。
3)息を吐きながら、前方に身体を倒します。へそから先に倒れるようにし、両手を遠くに伸ばしていきます。
4)伸ばせるとこまで両手を伸ばしたら、ゆっくりと呼吸を整えながら3分~5分間この状態を保持します。

スワンのポーズ

下半身がストレッチされるポーズで、リンパの流れが改善されます。
1)四つんばいの姿勢になり、片足を内側に曲げて倒します。
2)お尻をマットの上に落とします。もう一方の足は、お尻からつま先まで真っ直ぐになるように後ろに伸ばします。
3)重心は曲げている足の方のお尻にかけるようにします。
4)息を吸うときに頭を上に引き上げるように伸ばし、吐くときに肩の力を抜いてお尻を沈めるようにします。
5)ゆっくりと呼吸しながら、3~5分間この状態を保持します。

ドラゴンポーズ

1)マットに四つんばいになり、片方の足を大きく前に出して立てます。もう一方の足は後ろに伸ばします。
2)両手は膝の上に置くか、真下に下ろしてマットに触れるようにします。
3)体の重心を前方に動かします。
4)股関節と後ろの足が伸びるのを感じたら、そのまま3分〜5分間状態を保持します。

陰ヨガの効果

リラックスできる

陰ヨガは深呼吸をしながら行うので、リラックス効果が得られます。
深呼吸をすると気持ちが落ち着きますが、陰ヨガにも同じような効果があり、動作をするごとにゆっくりと息を吐いたり、吸ったりすることでリラックスできます。深呼吸は自律神経の働きを整えるので、ストレス解消にも役立ち、精神的な緊張も和らげてくれます。

柔軟性が高くなる

陰ヨガでは1つのポーズを取ったら、その状態で数分間保持します。状態をキープすることにより、筋肉や関節などに作用して体の柔軟性をアップさせてくれます。普段使わない筋肉や体の奥深い関節まで動かすことによって、体が柔らかくしていけるでしょう。

集中力が保てるようになる

深呼吸を行いながらポーズを維持するため、精神を統一することができます。呼吸をしながら瞑想に入る練習をすれば、さらに集中力がつくようになります。

血流がよくなる

体を伸ばすことで筋肉を使うので代謝がよくなり、体の隅々まで血流が流れるようになります。
そのため、冷え性の改善、老廃物の排出の促進、コリや疲れの解消などの効果が期待できます。

陰ヨガを取り入れるべき人

陰ヨガには呼吸を整えてゆっくり行うポーズが多いので、慌ただしい日常生活を送っている方や、自律神経が乱れがちな方が取り入れることにより、リラックスした状態が保てるようになります。

また、動きがゆっくりで無理なく行えるので、初心者や中高年層の方でも安心して取り組めるでしょう。体の柔軟性を高めたいという方や、運動不足の方などにも最適です。

おわりに

ヨガにはいろいろなポーズや種類がありますが、陰ヨガはヨガが初めての方でも気軽に取り組むことができます。陰ヨガで慣れてきたら、より体を動かす陽ヨガなどにチャレンジするのもよいでしょう。気軽に実践できるので、自宅で行うのもおすすめです。

監修

救急医、内科医 増田陽子

救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

関連する記事

関連するキーワード

著者