はじめに
トレーニングという名前のつくものには「筋力トレーニング」「メンタルトレーニング」など色々あります。その一つに「ファンクショナルトレーニング」がありますが、あまり認知度は高くありません。
スポーツ競技のパフォーマンス向上の為やリハビリの分野で取り入れられることが多いですが、日常生活動作を効率よく楽に行うためにもとても効果的なトレーニングです。
今回は、ファンクショナルトレーニングのやり方や効果をご説明します。
スポーツ競技のパフォーマンス向上の為やリハビリの分野で取り入れられることが多いですが、日常生活動作を効率よく楽に行うためにもとても効果的なトレーニングです。
今回は、ファンクショナルトレーニングのやり方や効果をご説明します。
ファンクショナルトレーニングとは
「ファンクショナルトレーニング」を直訳すると、「機能的な訓練」ということになります。
さらに嚙み砕いていうと、「自分の筋力や能力を十分に発揮できる動作方法を効率的に習得する訓練」ということになります。
もともとはリハビリの分野で使い始めた方法で、「歩く」「跳ぶ」「持ち上げる」などの日常的な動作が、ケガや病気などによりできなくなってしまった際、それらを再獲得するために練習したことに由来しています。
ファンクショナルトレーニングでは、一つの動作に対して、その動作を分解し、必要な筋力や動きを分析して練習していきます。そのため、動作の数だけトレーニングの数があるということになります。
例えば、ジャンプをするとき、足首、膝関節、股関節のそれぞれを動かす筋力が強くても、それぞれがばらばらに働いては、ダイナミックに高く跳べません。また、動きのタイミングが合っても、膝が内側に入ってX脚になったような沈み込みでは、床から受けた反力を真上に向け、ジャンプの高さとして活かすことができません。
つまり、よいジャンプ動作を行うためには、足首、膝関節、股関節を動かすタイミングを合わせ、それぞれの関節がまっすぐに並んでいなければなりません。
これが効率のよい動作であり、ファンクショナルトレーニングではこのような動作に必要な要素をトレーニングしていきます。
さらに嚙み砕いていうと、「自分の筋力や能力を十分に発揮できる動作方法を効率的に習得する訓練」ということになります。
もともとはリハビリの分野で使い始めた方法で、「歩く」「跳ぶ」「持ち上げる」などの日常的な動作が、ケガや病気などによりできなくなってしまった際、それらを再獲得するために練習したことに由来しています。
ファンクショナルトレーニングでは、一つの動作に対して、その動作を分解し、必要な筋力や動きを分析して練習していきます。そのため、動作の数だけトレーニングの数があるということになります。
例えば、ジャンプをするとき、足首、膝関節、股関節のそれぞれを動かす筋力が強くても、それぞれがばらばらに働いては、ダイナミックに高く跳べません。また、動きのタイミングが合っても、膝が内側に入ってX脚になったような沈み込みでは、床から受けた反力を真上に向け、ジャンプの高さとして活かすことができません。
つまり、よいジャンプ動作を行うためには、足首、膝関節、股関節を動かすタイミングを合わせ、それぞれの関節がまっすぐに並んでいなければなりません。
これが効率のよい動作であり、ファンクショナルトレーニングではこのような動作に必要な要素をトレーニングしていきます。
ファンクショナルトレーニングのやり方
それではファンクショナルトレーニングをよりイメージしやすくするために、ファンクショナルトレーニングの実例をご紹介します。
実例1 野球のスイング
野球のスイングにおいてとても大切な要素として身体の回旋があります。
この動作を正確に行うためのファンクショナルトレーニングとして「胸椎(きょうつい)回旋ストレッチ」や「体幹回旋トレーニング」があります。
胸椎回旋ストレッチ
スイング動作を行う上で最も大きい回旋を担うのは股関節ですが、上半身では胸椎の回旋が重要です。胸椎の回旋可動域が少ないと、全身が協調したきれいな回旋動作ができません。十分な可動域を獲得するために、以下のようなトレーニング行いましょう。
1. 横向きに寝て下になっている方の手は身体の前に伸ばし、両膝、股関節が90度程度になるように曲げます。
2. 上になっている方の手で頭の後ろをつかみ、背骨の軸を意識しながら上半身を回旋します。このとき、骨盤が上向きに開いてしまわないように注意しましょう。
この動作を正確に行うためのファンクショナルトレーニングとして「胸椎(きょうつい)回旋ストレッチ」や「体幹回旋トレーニング」があります。
胸椎回旋ストレッチ
スイング動作を行う上で最も大きい回旋を担うのは股関節ですが、上半身では胸椎の回旋が重要です。胸椎の回旋可動域が少ないと、全身が協調したきれいな回旋動作ができません。十分な可動域を獲得するために、以下のようなトレーニング行いましょう。
1. 横向きに寝て下になっている方の手は身体の前に伸ばし、両膝、股関節が90度程度になるように曲げます。
2. 上になっている方の手で頭の後ろをつかみ、背骨の軸を意識しながら上半身を回旋します。このとき、骨盤が上向きに開いてしまわないように注意しましょう。
体幹回旋トレーニング
胸椎の可動域が増しても、立った状態で体幹の回旋の軸がぶれてしまうようでは、よいスイングはできません。また、股関節の回旋との連動も大切になるので、その動きを意識したトレーニングをしましょう。
1. 棒を肩にかついで立ち、足の幅は自分のスイング時のスタンスに開きます。
2. 股関節、膝関節(しつかんせつ)もスイング時と同じように軽く曲げます。
3. かついだ棒が前後左右にぶれず、背骨を軸にして時計の針のように回旋するように身体を動かします。
胸椎の可動域が増しても、立った状態で体幹の回旋の軸がぶれてしまうようでは、よいスイングはできません。また、股関節の回旋との連動も大切になるので、その動きを意識したトレーニングをしましょう。
1. 棒を肩にかついで立ち、足の幅は自分のスイング時のスタンスに開きます。
2. 股関節、膝関節(しつかんせつ)もスイング時と同じように軽く曲げます。
3. かついだ棒が前後左右にぶれず、背骨を軸にして時計の針のように回旋するように身体を動かします。
実例2 スキー
スキーのターンは弧を描きながら、板の上でスクワット動作をすることが基本です。雪上でスキー板を操作するための脚力と、凹凸のある地面でうまくバランスをとるためのバランス力が必要になります。
多くのスポーツで脚力強化のために行われる「スクワット」と、スキー競技におけるファンクショナルトレーニングの「バランスボールスクワット」を行ってみましょう。
スクワット
持っている下肢筋力を十分に動きの中で発揮するためには、足首、膝関節、股関節を正しく連動させたスクワット動作が必要です。
1. 足は骨盤の幅に開き、両足のつま先が進行方向に向くように平行にする。
2. 足首、膝関節、股関節を同時に同じだけ曲げることを意識し、重心が前後しないように重心を下げる。
このとき、膝が内外にずれることなく股関節から足首までがずっと平行を保つようにし、背骨も丸まったり反ったりしないようにする。
バランスボールスクワット
正しいスクワット動作ができるようになったら、雪上というバランスをとりにくい場所でも正確な動作ができるようにバランスボール上で同じようにスクワットを行います。
スクワットの動き自体は床の上で行うのとまったく同じですが、より実践に近い形でのトレーニングとなり、体幹の安定性もかなり要求されます。
どんなに身体が揺れても骨盤をまっすぐに保つようにすることが転倒せずにボール上でバランスをとるコツです。
多くのスポーツで脚力強化のために行われる「スクワット」と、スキー競技におけるファンクショナルトレーニングの「バランスボールスクワット」を行ってみましょう。
スクワット
持っている下肢筋力を十分に動きの中で発揮するためには、足首、膝関節、股関節を正しく連動させたスクワット動作が必要です。
1. 足は骨盤の幅に開き、両足のつま先が進行方向に向くように平行にする。
2. 足首、膝関節、股関節を同時に同じだけ曲げることを意識し、重心が前後しないように重心を下げる。
このとき、膝が内外にずれることなく股関節から足首までがずっと平行を保つようにし、背骨も丸まったり反ったりしないようにする。
バランスボールスクワット
正しいスクワット動作ができるようになったら、雪上というバランスをとりにくい場所でも正確な動作ができるようにバランスボール上で同じようにスクワットを行います。
スクワットの動き自体は床の上で行うのとまったく同じですが、より実践に近い形でのトレーニングとなり、体幹の安定性もかなり要求されます。
どんなに身体が揺れても骨盤をまっすぐに保つようにすることが転倒せずにボール上でバランスをとるコツです。
ファンクショナルトレーニングのコツ
ファンクショナルトレーニングをより効果的なものにするためのコツをお伝えします。
1. 自分の苦手な動作を分解して練習する
同じ動きであっても行う人によって足りない動きや筋力は異なります。
動きを効率的かつ正確に行うために不足している部分が何かを分析し、その部分だけを取り出したようなトレーニングを行いましょう。そうすると、弱点が克服でき、動き全体として変化が出てきやすくなります。
動きを効率的かつ正確に行うために不足している部分が何かを分析し、その部分だけを取り出したようなトレーニングを行いましょう。そうすると、弱点が克服でき、動き全体として変化が出てきやすくなります。
2. 不足している筋力を強化する
どのような動きにも、関与している筋肉が複数あり、それぞれ必要な筋力が異なります。
その動作に必要な筋力が一つでも不足していると、それを補うための代償動作がでてしまい、動作自体が非効率または不正確になってしまします。
動きの中で必要な筋力が不足していると思われる場合、その筋力を強化するトレーニングを行うことが、効率的な動作につながる秘訣です。
その動作に必要な筋力が一つでも不足していると、それを補うための代償動作がでてしまい、動作自体が非効率または不正確になってしまします。
動きの中で必要な筋力が不足していると思われる場合、その筋力を強化するトレーニングを行うことが、効率的な動作につながる秘訣です。
3. 動作が身体に擦りこまれるまで反復する
ファンクショナルトレーニングは、その人が行っている動作をより効率的なものに変えるというトレーニングです。
筋力や可動域が改善しただけで自然に動作自体が改善する場合もあります。しかし、もともと行ってきた動作方法は、意識下では改善できても、意識しないとまた元に戻ってしまうことがほとんどです。
日常生活の動作やスポーツ競技での動作を毎回意識して行うということはなかなか難しいので、正しい動作が身体にしみつき、意識せずにその動作が行えるようになるまで、かなりの反復練習が必要です。
筋力や可動域が改善しただけで自然に動作自体が改善する場合もあります。しかし、もともと行ってきた動作方法は、意識下では改善できても、意識しないとまた元に戻ってしまうことがほとんどです。
日常生活の動作やスポーツ競技での動作を毎回意識して行うということはなかなか難しいので、正しい動作が身体にしみつき、意識せずにその動作が行えるようになるまで、かなりの反復練習が必要です。
ファンクショナルトレーニングの効果
1. 競技力の向上
効率的な動作の獲得がファンクショナルトレーニングの最も大きな狙いです。いろいろな動作が効率よく行えるようになると、スポーツ競技におけるパフォーマンスの向上につながります。
2. 動作の安定性や再現性の向上
ファンクショナルトレーニングでは、一つの動作を取り上げて反復して練習します。
最初は行うたびに少しずつずれのあった動きでも繰り返すうちにずれが少なくなり、全く同じ効率的な動作が繰り返せるようになってきますので、動作の安定性や再現性の向上につながります。
最初は行うたびに少しずつずれのあった動きでも繰り返すうちにずれが少なくなり、全く同じ効率的な動作が繰り返せるようになってきますので、動作の安定性や再現性の向上につながります。
3. ケガの予防
動作の安定性や再現性が向上すると、自らバランスを崩すことはもちろん、他者とぶつかるなどのアクシデントがあったときにも、フォームが崩れることが少なくなります。
その結果、関節の捻挫をはじめとしたケガを減らすことができます。
その結果、関節の捻挫をはじめとしたケガを減らすことができます。
おわりに
今回は、ファンクショナルトレーニングについて、やり方や効果をご説明しました。
現在は、リハビリの分野やスポーツ競技のパフォーマンス向上のために使用されていることが多いですが、日常生活の色々な動作を効率のよいものにしていくだけで、ケガの予防につながることもあります。
トレーニングに不慣れな方がご自分で考えて行うのハードルが高いと思いますので、トレーニング指導を行えるトレーナーや治療院の方に相談してみてください。
現在は、リハビリの分野やスポーツ競技のパフォーマンス向上のために使用されていることが多いですが、日常生活の色々な動作を効率のよいものにしていくだけで、ケガの予防につながることもあります。
トレーニングに不慣れな方がご自分で考えて行うのハードルが高いと思いますので、トレーニング指導を行えるトレーナーや治療院の方に相談してみてください。
微生物学、救急医療、老人医療
経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務
資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格