むくみの原因

足のむくみには、一時的なものと慢性のものがあります。
原因は様々で、普段の生活習慣を変えれば軽減するものから、手術が必要となるものまで存在します。

主な原因とは

主なむくみの原因には、血流が悪くなることがあげられます。
通常、心臓から出た血液は、全身へと行き渡って末端まで行くと、また心臓に戻ってくるというサイクルを繰り返します。
心臓から出るときは、血液は上から下に落ちていくことが多いので、スムーズに流れます。
しかし、心臓へ戻る際は重力に逆らい、血液を押し出す力が必要です。
下肢や抹消の足趾から流れた血流を戻すのに使われるのがふくらはぎです。
ふくらはぎの筋力が落ちていたり、運動不足だったりすると、血流が上へ行きにくくなります。
その結果、足の血流が滞り、むくみとなるケースが多いです。
むくみを助長するものとして、過剰な塩分の摂取、栄養の偏り、飲酒、冷え、妊娠や生理などもあげられます。

手術が必要になることも

一方、心臓、腎臓や肝臓に障害があると、水分調整機能に問題が起こり、むくみが生じることがあります。
これらは医師の診察を受けましょう。
場合よっては、手術が必要になることもあります。

また、下肢静脈瘤や深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)など、静脈の機能障害もむくみの原因となります。
下肢静脈瘤とは通常、足から心臓へ血液を送る静脈には弁の機能があり、それが機能することにより足の下から静脈血をあげています。それが、不具合が起きることにより血液が逆流して足に溜まってしまう症状です。
深部静脈血栓症は、飛行機や夜行バスなどで長時間の同じ姿勢をとって足を動かさないことで、足に血液が溜まって固まり、詰まってしまう症状です。
最悪の場合、固まった血液が足を動かした瞬間に全身や心臓に飛んでしまい、身体や心臓の血管に詰まるケースもあります。

このような場合は手術が必要かもしれません。このような症状がある場合や慢性的に続くむくみがあり、足にミミズのような血管が浮き出す場合は、一度病院で診断してもらってください。
マッサージをすることによって身体に負担がかかる可能性もあるので、自己判断は禁物です。

むくみが楽になるツボ

・豊隆(ほうりゅう)
すねの外側、膝と外くるぶしの中間にあります。

・足三里(あしさんり)
膝のお皿の外のくぼみに人差し指を置きそこから下に指を添えて小指があたる付近のくぼみにあります。

・太衝(たいしょう)
足の甲にある親指と人差し指の間のくぼみ指を当てます。そのままくぼみに沿って足首の方向に指をずらしていき、足の親指と人差し指の骨が合わさる少し手前にあります。

・承山(しょうざん)
つま先立ちをしたときにふくらはぎの筋肉が現れます。アキレス腱からふくらはぎの方へ沿っていき、ふくらはぎの筋肉のくぼみのところにあります。内側と外側の筋肉の膨らみの中間でとりましょう。

・湧泉(ゆうせん)
足をギュッと閉じた時に足の裏の1番くぼむ場所にあります。

ツボのマッサージ方法

上記のどのツボも押し方は同じで、痛みを感じない程度にゆっくりと押します。
ギュッと押さえるよりはじんわりと深く押さえていく方が良いでしょう。

また、ふくらはぎ全体にマッサージを行う際は足首から膝にかけて引き上げていくようにマッサージを行います。特に、ふくらはぎの筋肉が弱い方や、血流が悪い方は、血流が滞ってむくみが生じやすいので、マッサージで血液を流すアシストしてあげると効果的です。

おわりに

むくみの原因は自分で改善できるものと、医師の診察が必要なものに分かれます。
症状によっては生命に関わってくるので、自分で改善しようと思わずに医師の診察を受けてください。
生活習慣で改善できるむくみに関しては、ツボのマッサージをして血流良くしたり、運動をしてふくらはぎの筋肉を鍛えたりすることがおすすめです。
簡単なツボ押しやマッサージで十分ですので、ぜひチャレンジしてみてください。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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