冷え性の原因

冷え性にはいくつかのタイプがあり、それによって原因が異なります。
ここでは、3つのタイプとそれぞれの原因をお伝えします。

●手足末端型冷え性

【特徴】
『末端型冷え性』では、身体の末端である手足や指先が冷えやすくなります。
体温は下がることなく、手足の末端のみが冷えることが特徴です。症状が強い場合には、冷たさのせいで寝つきが悪なって不眠になったり、痛みが出たりすることもあります。

【原因】
手足末端型冷え性の原因は、筋肉量の不足が関係しています。
筋肉には、全身の血流やリンパの流れを促すポンプの働きがあり、流れた血液によって熱が全身に伝わります。
しかし、身体の末端である手足には、血液やリンパが流れにくく、筋肉量が少ないと、末端まで血液が流れずに冷えてしまいます。

●内臓型冷え性

【特徴】
『内臓型冷え性』では、手足などの冷えは少なく、腹部が冷えます。手足に比べて冷えを感じにくいため、『隠れ冷え性』とも呼ばれます。
内臓が冷えて新陳代謝が滞るため、便秘になったり、風邪を引きやすくなったりします。

【原因】
内臓型冷え性は、同じ姿勢を続けたり、冷たいものを摂りすぎることで起こります。
長時間座ったまま身体を動かさないと、腹部や腰周りの血流が滞り、お腹周りが冷えてしまいます。
また、冷たい食べ物や飲み物を多く摂取することでも、胃や腸の血液の流れが悪くなり、冷えを起こします。

●下半身型冷え性

【特徴】
『下半身型冷え性』の場合、手は温かいですが、腰から足が冷えやすい特徴があります。
下半身は冷えますが、上半身は温かいため、汗をかくこともあります。

【原因】
下半身型冷え性も、座ったままの姿勢が長いと、起こりやすくなります。
心臓から遠いだけでなく、重力に逆らって下から上に血液を運ばなければならない下半身は、特に血流が滞りやすく、冷えてしまいます。

冷え性に効くエクササイズ

●踵上げ

『踵上げ』では、半身に溜まりやすい血液やリンパ液を心臓に戻すことができます。
座ったままでもできますが、立った姿勢で行う方が、より負荷がかかります。

①足を腰幅に開き、壁や椅子の背もたれを持ちます。
②ゆっくりと踵を上げていき、可能な限り上げたら、ゆっくりと下ろします。
③手順②の運動を10回繰り返し行います。

●足首パタパタ

座った姿勢で足首を動かすことにより、ふくらはぎの筋ポンプ作用を働かせます。

①椅子に座って右脚をまっすぐ伸ばし、太ももの前の筋肉を働かせます。
②右の足首をゆっくりと動かし、爪先をパタパタと上下させます。
③手順②の運動を10回行ったら、足を入れ替えて反対側も行います。

●指先グーパー

手の指先を動かすことで、冷えた手の血流を促します。

①両手をできる限り開きます。
②開いた状態から、ぎゅっと力を入れて握ります。
③手順①、②の運動を10回ほど繰り返し行います。

周りへの配慮ができる場合は、バンザイをしながら手を広げ、身体全身を動かすとより効果的です。

冷え性に効くストレッチ

●下半身ストレッチ

下半身からの血流やリンパが通る部位なので、しっかりとストレッチします。

①仰向けに寝て、両足を伸ばします。
②右脚を曲げて胸に近づけ、両手で抱えて身体に引き寄せます。
③10秒間ほど引き寄せたら、脚を入れ替え、反対側も行いましょう。

背もたれにもたれれば、椅子に座っていてもできるストレッチです。

●上半身ストレッチ

肩甲骨周辺の筋肉を動かすことは、上半身の冷え予防に効果的です。

①左右の手をそれぞれ同じ側の肩先に当てます。
②胸を開いて背中を伸ばし、肘を後ろに5周回しますます。
③手はそのままで、今度は前に5周回します。

おわりに

タイプ別の冷え性の原因とともに、冷え性に効果のあるエクササイズとストレッチをご紹介しました。

冷え性は、今回ご紹介したような簡単な運動やストレッチで予防、改善することができます。
5~10分程度で行うことができるので、空いた時間や冷えを感じた時に行ってみてください。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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