スマホなどを使うと指や手首が痛い!腱鞘炎の対処法と予防法 - 【ケアクル】
日常的にスマホやパソコンを使う方は手首などが痛くなったことはありませんか?それは腱鞘炎という病気です。腱鞘炎は手首だけに起こる病気だと思っている方もいますが、実はそうではありません。あまり知られていない腱鞘炎のメカニズムや予防法についてご紹介します。
腱鞘炎の症状
■痛み
手首の腱鞘炎になっていることに気づくきっかけのほとんどは、手首の痛みです。
重たいものを持ったときや手をついたとき、手首をなんらかの方向に動かしたときなどに痛みを感じます。
炎症が軽度の場合は、朝起きたときや手の使い始めに痛みを感じていても、使っているうちに痛みを感じなくなることが多いです。また、極端に手首を使い続けたときのみ、痛みを感じる場合もあります。
炎症がひどくなってくると、安静にしていても、ずきずきとした痛みを感じるようになります。どの方向に動かしても、常に痛みがあるという状態になってしまいます。
重たいものを持ったときや手をついたとき、手首をなんらかの方向に動かしたときなどに痛みを感じます。
炎症が軽度の場合は、朝起きたときや手の使い始めに痛みを感じていても、使っているうちに痛みを感じなくなることが多いです。また、極端に手首を使い続けたときのみ、痛みを感じる場合もあります。
炎症がひどくなってくると、安静にしていても、ずきずきとした痛みを感じるようになります。どの方向に動かしても、常に痛みがあるという状態になってしまいます。
■腫れ
腱鞘炎になったとき、痛みとともに起こる症状に、患部の腫れがあります。
手首の腱鞘炎は、手首の背側(甲側)、掌側(手のひら側)、母指のつけ根など、さまざまな部位で起こり得ます。その炎症を起こしている腱鞘の周囲が、腫れて熱を持ちます。
手首の腱鞘炎は、手首の背側(甲側)、掌側(手のひら側)、母指のつけ根など、さまざまな部位で起こり得ます。その炎症を起こしている腱鞘の周囲が、腫れて熱を持ちます。
腱鞘炎の原因
■使いすぎ
腱鞘炎の最も多い原因は、手首の使いすぎです。
体操やテニス、バスケットボールなど、手首を多く使うスポーツを習慣的にされる方に多くみられます。それだけでなく、一見さほど負荷がかからないと思われる調理や洋裁といった作業も、やりすぎると腱鞘炎のきっかけになることがあります。
体操やテニス、バスケットボールなど、手首を多く使うスポーツを習慣的にされる方に多くみられます。それだけでなく、一見さほど負荷がかからないと思われる調理や洋裁といった作業も、やりすぎると腱鞘炎のきっかけになることがあります。
■前腕の柔軟性低下
手首の腱鞘には、手首や手指を動かす筋肉の腱が通っています。
それらの筋肉のほとんどは、前腕(肘から手首の間)から始まり、手首付近で腱へと移行し、手の甲や手のひら、手指の骨に付着しています。
手首や手指を動かすためには、それらの筋肉がスムーズに伸び縮みする必要があります。しかし、使いすぎや逆に全く使わないことによって柔軟性が低下していると、その末梢である腱の部分に負担がかかり、腱が炎症を起こして腫れてきます。
これにより、腱の周りを包む腱鞘と摩擦を起こし、腱鞘が炎症を起こしてしまいます。
それらの筋肉のほとんどは、前腕(肘から手首の間)から始まり、手首付近で腱へと移行し、手の甲や手のひら、手指の骨に付着しています。
手首や手指を動かすためには、それらの筋肉がスムーズに伸び縮みする必要があります。しかし、使いすぎや逆に全く使わないことによって柔軟性が低下していると、その末梢である腱の部分に負担がかかり、腱が炎症を起こして腫れてきます。
これにより、腱の周りを包む腱鞘と摩擦を起こし、腱鞘が炎症を起こしてしまいます。
■前腕の筋力低下
前腕の筋力が低下していると、重たいものを持ったときや繰り返しその筋肉を使ったときに早い段階で筋疲労を起こし、スムーズに伸び縮みできなくなってきてしまいます。
これによって腱の部分の負担が増え、腱鞘炎を引き起こしてしまいます。
これによって腱の部分の負担が増え、腱鞘炎を引き起こしてしまいます。
腱鞘炎の治療と対処
■消炎処置
腱鞘炎という名前の通り、痛みの原因は炎症にあるので、まずは患部の炎症を落ち着かせることが大切です。
炎症を鎮静化させるためには、まずは安静が大切です。
手首は必要以上に動かさないようにし、特に、痛みが出る動きや重たいものを持つ行為は避けるようにしましょう。
炎症を鎮静化させるためには、まずは安静が大切です。
手首は必要以上に動かさないようにし、特に、痛みが出る動きや重たいものを持つ行為は避けるようにしましょう。
■アイシング
炎症を鎮静化させるための治療としても、腱鞘炎になる前の予防としても効果的なのが、『アイシング(冷却)』です。
氷をビニール袋やアイシングバックに入れ、15~20分間ほど冷やしてください。
力仕事や手首を繰り返し動かすような作業をし、手首や腕に疲労感や違和感があるときは、作業後やその日寝る前などに行うと良いでしょう。
作業の前に筋肉や腱を冷やすのは、柔軟性が低下して動きが悪くなってしまい、逆効果なので注意しましょう。
氷をビニール袋やアイシングバックに入れ、15~20分間ほど冷やしてください。
力仕事や手首を繰り返し動かすような作業をし、手首や腕に疲労感や違和感があるときは、作業後やその日寝る前などに行うと良いでしょう。
作業の前に筋肉や腱を冷やすのは、柔軟性が低下して動きが悪くなってしまい、逆効果なので注意しましょう。
■サポーターやテーピング
消炎処置でご紹介した患部の安静を保つための手段として、サポーターやテーピングの使用も効果的です。
手首が完全に動かないように固定するようなものから、ある程度の可動域を持たせた状態で手首への負荷を軽減するように支えるものまであるので、痛みの程度や用途に合わせて使用してください。
手首が完全に動かないように固定するようなものから、ある程度の可動域を持たせた状態で手首への負荷を軽減するように支えるものまであるので、痛みの程度や用途に合わせて使用してください。
■筋肉や腱のマッサージやストレッチ
腱鞘炎になってしまったとき、炎症を起こしている患部を強くマッサージすると、さらに炎症を起こして症状が悪化してしまう可能性があります。
しかし、原因となっている前腕などの筋肉をマッサージしたり、ストレッチしたりして柔軟性を高めると、腱への負担が減り、炎症が落ち着きやすくなります。
ただし、ストレッチを行う際には、その肢位をとることで手首が痛まないか注意しながら行ってください。
しかし、原因となっている前腕などの筋肉をマッサージしたり、ストレッチしたりして柔軟性を高めると、腱への負担が減り、炎症が落ち着きやすくなります。
ただし、ストレッチを行う際には、その肢位をとることで手首が痛まないか注意しながら行ってください。
腱鞘炎予防のストレッチ
腱鞘炎は日頃の簡単なケアである程度予防することができます。
例えば、前腕の筋肉の柔軟性を維持することで腱への負担が減り、腱鞘炎になりにくくなります。
ここでは、手首を反らしたり、手指を伸ばしたりする『前腕伸筋』と、手首や手指を曲げる『前腕屈筋』の2つのストレッチの方法をご紹介します。
ストレッチ中に手首に痛みを感じた場合は、すぐに中止して前腕のマッサージのみ行うようにしてください。
例えば、前腕の筋肉の柔軟性を維持することで腱への負担が減り、腱鞘炎になりにくくなります。
ここでは、手首を反らしたり、手指を伸ばしたりする『前腕伸筋』と、手首や手指を曲げる『前腕屈筋』の2つのストレッチの方法をご紹介します。
ストレッチ中に手首に痛みを感じた場合は、すぐに中止して前腕のマッサージのみ行うようにしてください。
■前腕伸筋のストレッチ
① 身体の正面で肘を伸ばして腕を持ち上げ、手の甲が上を向くようにします。
② 片方の手の甲を反対の手で押し、手首が曲がるようにします。
③ 前腕に伸張感を感じたら、そのままの肢位で20秒間ほど伸ばします。
④ 手を入れ替え、反対側の手も同じようにストレッチします。
② 片方の手の甲を反対の手で押し、手首が曲がるようにします。
③ 前腕に伸張感を感じたら、そのままの肢位で20秒間ほど伸ばします。
④ 手を入れ替え、反対側の手も同じようにストレッチします。
■前腕屈筋のストレッチ
① 身体の正面で肘を伸ばして腕を持ち上げ、手掌が上を向くようにします。
② 片方の手指を反対の手で押し、手首と手指が反らされる方向にもっていきます。
③ 前腕に伸張感を感じたら、そのままの肢位で20秒間ほど伸ばします。
④ 手を入れ替え、反対側の手も同じようにストレッチします。
② 片方の手指を反対の手で押し、手首と手指が反らされる方向にもっていきます。
③ 前腕に伸張感を感じたら、そのままの肢位で20秒間ほど伸ばします。
④ 手を入れ替え、反対側の手も同じようにストレッチします。
腱鞘炎予防の筋トレ
腱鞘炎になってしまってから、筋トレをするのはなかなか難しいでしょう。手首を使う作業や重たいものを持ち上げることが多い方は、普段から前腕の筋トレをしておくと、腱鞘炎の予防になります。
ここでは、ダンベルを使った2種類の筋トレをご紹介するので、ぜひ試してみてください。
ここでは、ダンベルを使った2種類の筋トレをご紹介するので、ぜひ試してみてください。
■前腕伸筋のトレーニング
① 机の上に肘と前腕を乗せ、手首から先のみ机から出るようにします。
② 手のひらを下向きにし、ダンベルを落とさない程度に軽く握ります。
③ 手首が曲がった状態からゆっくりと手首を反らし、ダンベルを持ち上げます。
④ 限界まで持ち上げたら、ゆっくりと手首を曲げ、ダンベルを下ろします。
⑤ 手順③、④の動作を10~20回繰り返します。
② 手のひらを下向きにし、ダンベルを落とさない程度に軽く握ります。
③ 手首が曲がった状態からゆっくりと手首を反らし、ダンベルを持ち上げます。
④ 限界まで持ち上げたら、ゆっくりと手首を曲げ、ダンベルを下ろします。
⑤ 手順③、④の動作を10~20回繰り返します。
■前腕屈筋のトレーニング
① 机の上に肘と前腕を乗せ、手首から先のみ机から出るようにします。
② 手のひらを上向きにし、ダンベルを落とさない程度に軽く握ります。
③ 手首が反った状態からゆっくりと手首を曲げ、ダンベルを持ち上げます。
④ 限界まで持ち上げたら、ゆっくりと手首を反らし、ダンベルを下ろします。
⑤ 手順③、④の動作を10~20回繰り返します。
② 手のひらを上向きにし、ダンベルを落とさない程度に軽く握ります。
③ 手首が反った状態からゆっくりと手首を曲げ、ダンベルを持ち上げます。
④ 限界まで持ち上げたら、ゆっくりと手首を反らし、ダンベルを下ろします。
⑤ 手順③、④の動作を10~20回繰り返します。
おわりに
今回は手首の腱鞘炎の症状や原因、治療・予防方法についてご説明しました。
全く使わないわけにはいかない手首だけに、一度炎症を起こすとなかなか完治させるのに時間がかかります。そのため、日頃からストレッチやマッサージ、筋トレなどのケアをしっかり行い、予防に努めるようにしてください。
ただし、強い痛みや腫れが出た場合は、すぐに医師や専門家に診てもらいましょう。
全く使わないわけにはいかない手首だけに、一度炎症を起こすとなかなか完治させるのに時間がかかります。そのため、日頃からストレッチやマッサージ、筋トレなどのケアをしっかり行い、予防に努めるようにしてください。
ただし、強い痛みや腫れが出た場合は、すぐに医師や専門家に診てもらいましょう。
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会