引き締まったお尻を作る筋肉

お尻の筋肉と一口に言っても、お尻の表面に近い筋肉(表層)から深い場所にある筋肉(深層)まで複数の筋肉が存在しています。
その中でも一番大きく、お尻の表層にあるのが『大殿筋』です。

骨盤を覆う大きな筋肉で、普段人が動作を行う際にとても大きな力を発揮します。
次に大きいのが大殿筋の上部に位置する『中殿筋』です。一部は大殿筋の深層にあり、人が立っている時に骨盤をサイドからしっかり支えます。そして、中殿筋より小さく、さらに深層に位置するのが『小殿筋』です。中殿筋を補助するように働いています。
大殿筋の一番深層部には『深層外旋六筋(大腿方形筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・梨状筋・上双子筋・下双子筋)』と呼ばれるインナーマッスルも存在し、股関節を安定させています。

引き締まったお尻を作るにはボリュームのある大殿筋を鍛えるのはもちろんですが、その深層に位置する筋肉群もとても大切な役割を果たしているので、しっかりと鍛える必要があります。

ヒップアップに効果のある筋トレ

ヒップアップ効果のある筋トレは多数存在しますが、誰でも取り組みやすくお尻の筋肉が働いていることを感じやすいのが、『ヒップリフト』でしょう。

①床に仰向けに寝て、両膝を立てます。
②腹筋を使って背中と床の隙間を埋めるようにします。
③この状態でお尻を持ち上げ、少しキープします。
この筋トレは主に大殿筋に効果があります。

続いては主に中殿筋に効果があり、お尻のサイドを鍛える『ヒップアブダクション』をご紹介します。

①横向きに寝ます。その際、下側の脚を少し曲げ、上側の脚はまっすぐ伸ばします。
②上の脚を付け根からゆっくりと持ち上げ、ゆっくり元に戻します。

この2つの筋トレは、初心者でも簡単に取り組みやすいメニューです。まずは1セット10回、2~3セットから行いましょう。

ヒップラインを引き締める筋トレ

太ももには前側に『大腿四頭筋』、後ろ側に『ハムストリングス』と呼ばれる大きな筋肉が存在します。
引き締まったヒップラインを作るには、お尻の筋肉と一緒に太ももの筋肉(特にハムストリングス)のトレーニングが効果的です。これらを鍛えることで、お尻から脚にかけてが、均整が取れた美しいラインになるでしょう。

太ももの筋トレの代表格と言えば、誰もが知っている『スクワット』です。ハムストリングスを効果的に鍛えるには正しいフォームで行う必要があります。以下にスクワットを行う際の注意点を挙げます。

・膝を曲げた時に、膝の向きとつま先の向きが同じになるようにしましょう。
向きがずれしまうと、関節に負担がかかってしまいます。

・膝を曲げた時に、膝がつま先より前に出ないようにしましょう。
膝がつま先より前に出ると、膝を痛める原因になります。

・猫背にならないようにしましょう。
背中を丸めたまま行うと、腰を痛めてしまいます。

このような点に注意し、正しいフォームで1セット10回、2~3セット程度から行いましょう。

筋トレ効果を維持するコツ

筋トレ効果を長期的に維持するには、筋トレを継続することが大切です。
一度やって満足していては、すぐに筋肉は衰えてしまい、お尻は元に戻ってしまいます。
毎日行う余裕がなければ、2日に1回や、週に2回などと、無理せず続けられる頻度を決めて行うことをおすすめします。「継続は力なり」です。

また、筋トレ効果を高めるために、筋トレと同時に、食事療法や日常生活の改善を行うことも大切です。筋肉をつけるためには、炭水化物や脂肪の摂りすぎに注意するとともに、低カロリーで高タンパクの食材を摂るようにしましょう。
引き締まったお尻のためには、その部位の筋トレだけでなく、日常的に歩く距離を増やしたりして、全身運動を積極的に行うことも大切です。

おわりに

憧れの的、引き締まったヒップラインを手に入れるために、誰でも簡単に行える筋トレ方法をご紹介しました。
まずは少ない回数でも良いので、無理なく続けてみてください。そして、さらに効果を高めるために筋トレと並行して生活習慣の改善をできることから始めてみましょう。
効果を実感できた時には、今まで挑戦しなかった、諦めていたかっこいいスキニーパンツや、タイトなスカートなど、素敵なファッションに挑戦できるかもしれません。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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