はじめに

小中学校、人によっては高等学校でも、体育で水泳を経験していると思います。しかし、水泳がダイエットに効果的という認識している方は意外と少ないと思います。

水泳は全身運動によるダイエット効果だけでなく、その独特な動きによって、スタイルも改善できます。
今回は、この水泳のダイエット効果とスタイルアップ効果を解説していきます。
また、水泳では個人によって泳げる技量が変わるため、難易度を2段階に設定したメニューを紹介しています。水泳が苦手という方向けに、ハードルが低く、効果が高い方法を紹介しています。

水泳で得られるダイエット効果とは

スタイルアップ効果

水泳をすると、スタイルがよく見えるために必要な筋肉をつけることができます。
その筋肉とは、ヒップアップに関わる大殿筋と、肩と背中の筋肉です。

スタイルをよく見せるためには、お腹の贅肉を落とすことを重視しがちです。

しかし、お腹の贅肉が落ちても、お尻が平らでは見た目がずん胴体型になってしまいます。
スタイルをよくしながら痩せるにはヒップアップが欠かせません。
おしりの筋肉である、大殿筋を鍛えることが重要なのです。
水泳では、バタ足などの基礎的な動きはもちろん、さまざまな泳ぎ方で大殿筋を使用します。また、大殿筋は大きい筋肉ですので、大殿筋が付くと、基礎代謝が向上して脂肪燃焼力もアップします。

同じく重要なのが、背中と肩の筋肉です。
フィットネスモデルがワークアウト(筋トレ)をしているのを見るとわかるのですが、背中と肩周りのトレーニングを多く入れています。
背中と肩に筋肉にボリュームが付くと、女性でも男性でも美しい逆三角形ボディラインを作ることができ、くびれも強調されます。

背中の筋肉である広背筋は、どの泳ぎ方でも使用頻度や負荷が高い筋肉です。
特に、バタフライやクロールで腕を回すときに高負荷で使われます。
水泳選手の体が逆三角形になるのも、この広背筋が発達しているからと言えます。

大きい筋肉を使った高いダイエット効果

水泳で肩や背中、おしりの筋肉を鍛えることにより、スタイルも良くなるということを説明しました。
この説明に出てきた、広背筋や大殿筋は非常に大きな筋肉です。
小さな筋肉を強化するより、大きな筋肉を強化した方がカロリーの消費も大きく、基礎代謝の向上も大きくなります。

水泳は上半身と下半身の大きな筋肉を同時に動かします。
マラソンなどの他の運動でも全身の筋肉を使いますが、水泳の場合は水の抵抗がプラスされるため、ダイエット効果が得られやすいと考えられます。

効果的な水泳のメニュー

水泳のダイエット効果は非常に高いといえますが、泳げる泳法などは人によって技量の差があります。
そこで、難易度を2段階に分けて水泳のメニューを紹介します。
もちろん、難易度が上昇すれば強度も上昇しますが、どの段階でもダイエット効果が期待できます。
自分に合ったメニューを選択して、少しずつ強度の高いメニューにも積極的にチャレンジしていきましょう。

初心者メニュー

①水中ウォーキング
最初の水中ウォーキングはウォーミングアップが目的です。
特別意識せず、5分間リラックスしてウォーキングします。

②ビート版でバタ足
全力で30秒間、リラックスしながら30秒間のバタ足を交互に3セット行います。
30秒間は目安です。大きい時計などがプールにない場合は、苦しくなるまで全力で泳ぎ、苦しくなったら回復するまでゆっくり泳ぐという方法で、3セット行ってもよいと思います。
泳げる方はクロールで行ってもよいでしょう。

③手足を大きく動かすウォーキング
30秒間全力で行います。その後、休憩として約30秒間リラックスしながらウォーキングします。
このセットを3回行いましょう。手は水をかくようにして、できるだけ歩幅を大きくして歩きます。

④フリーメニューで有酸素運動
上で説明したメニューは、短時間で強い力を必要とする「無酸素運動」がメインですが、最後は軽度な負荷で長時間行う「有酸素運動」に切り替えます。
自分の得意な泳ぎ方で泳いだり、ウォーキングしたりと、好きな方法でリラックスしながら20分間動いてください。有酸素運動のメリットである脂肪燃焼効果を引き出すことができます。
形だけにこだわらず、楽しく体を動かしましょう。

中・上級者メニュー

①ウォーミングアップ
ウォーキングや平泳ぎなど負荷が少ない方法で5分間体をゆっくり動かします。

②インターバルトレーニング
クロールやバタフライなど、高負荷の泳法で、25メートルを全力で泳ぎます。
その後、インターバルとして平泳ぎや背泳ぎでゆっくり息を整えながら25メートルを泳ぎます。
このセットを6回以上行います。
体力に合わせってセット数を調整してください。

③有酸素トレーニング
泳法にこだわらず、20分間ゆっくりと泳いでください。一度に長く泳ぐように意識します。クロールで疲れたら平泳ぎに変えるなどしながら、息が上がらない程度の負荷で泳ぎ続けましょう。

水泳の効果をあげるのに必要な時間

人には糖質でエネルギーを作り出す回路と、脂質からエネルギーを作り出す回路があります。
普段の生活でも、両方の回路が働いてエネルギーを生産していますが、一般的に強度60%の運動をすると、運動開始20分前後から、急激に脂質からエネルギーを作り出す割合が増えるといわれています。

また、高負荷の運動をしてから低負荷の運動をすると、脂質中心の回路が優位になる傾向が高くなります。そのため、負荷の高い運動と低い運動を20分間ずつ交互に行うことで、脂肪燃焼の効果が高くなるといえます。
さらに、筋肉の肥大にも負荷の高い運動が必要です。負荷の高い運動と緩やかな運動を20分間ずつ、合計で40分間程度の運動時間が効果的です。

泳法別消費カロリー

以下、1時間の運動で消費できるカロリーです。
運動の消費カロリーには個人差があるので、あくまで目安としてください。

・水中ウォーキング:約200~400カロリー
・平泳ぎ:約550~600カロリー
・クロール:約900~1300カロリー
・バタフライ:約579~1159カロリー
・背泳ぎ:約399~798カロリー

おわりに

水泳のメリットは水の浮力によりリラックスしながら、高負荷の運動効果が期待できるということです。
ダイエット効果やスタイルアップ効果が非常に高いとされていますので、ぜひ水泳を始めてみてください。

また、自分の体力に合わせて行えば、怪我が少なく行えるスポーツです。
高齢でも自分のペースで気軽にできる運動なので、生涯スポーツとしても楽しめます。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

関連する記事

関連するキーワード

著者

ケアくるLINE@