肩こりの原因
■姿勢不良
肩こりの主な原因となる筋肉は、首から肩甲骨にかけて走行しています。『猫背姿勢』といわれる背中がまるまった姿勢になると、その筋肉が常に引きのばされた状態になってしまいます。
また、背中が丸まることで頭が肩よりも前に出るため、頭を支える筋肉は、背筋が伸びた正しい姿勢のときに比べて過剰に緊張することになります。
その結果、肩の筋肉に負担がかかり、肩こりが発生してしまいます。
また、背中が丸まることで頭が肩よりも前に出るため、頭を支える筋肉は、背筋が伸びた正しい姿勢のときに比べて過剰に緊張することになります。
その結果、肩の筋肉に負担がかかり、肩こりが発生してしまいます。
■運動不足
運動不足になると、全身の血流が滞ってしまいます。
運動不足が原因で肩周辺の筋肉の血流が悪くなり、うっ血することでも肩こりは起こります。
運動不足が原因で肩周辺の筋肉の血流が悪くなり、うっ血することでも肩こりは起こります。
■目の使いすぎ
目を使いすぎることも、頭痛や肩こりの原因となります。
特に、パソコンやスマホを長時間使用することは、猫背姿勢になるうえ、目への負担もかかるので、肩こりを引き起こします。
特に、パソコンやスマホを長時間使用することは、猫背姿勢になるうえ、目への負担もかかるので、肩こりを引き起こします。
■過度なストレス
仕事や人間関係など、社会では私たちにとってストレスとなったり、緊張したりすることがたくさんあります。適度な緊張は脳や精神にとっても必要ですが、過度なストレスになると、身体にいつも力が入った状態になってしまいます。
精神的なストレスに身体が反応し、肩周囲の筋肉も緊張した状態になるため、ストレスは肩こりの原因となります。
精神的なストレスに身体が反応し、肩周囲の筋肉も緊張した状態になるため、ストレスは肩こりの原因となります。
肩こり解消ストレッチ6選
肩こり解消に効果的なストレッチをご紹介します。
ストレッチの効果は、ゆっくりと筋肉を伸ばし、筋肉を伸張した姿勢を保つことで得られます。そのため、ストレッチの肢位をとったら、ゆっくりとした呼吸をしながら20秒間程度静止するようにしてください。
ストレッチの効果は、ゆっくりと筋肉を伸ばし、筋肉を伸張した姿勢を保つことで得られます。そのため、ストレッチの肢位をとったら、ゆっくりとした呼吸をしながら20秒間程度静止するようにしてください。
■首筋ストレッチ(斜め)
首から肩にかけて走行する肩こり筋である僧帽筋や肩甲挙筋を伸張するストレッチです。
① 立位または座位で背筋を伸ばし、首を左斜め下に向けます。
② 左手を頭の上に乗せて右側の首筋に伸張感を感じたらそのまま姿勢を保持します。
③ 一旦手を頭から離し、右回りで首をぐるりと回して右斜め上に顔を向け、天井を見るようにします。
④ その状態で再び左手を頭の上に乗せ、右側の首筋に伸張感を感じたらそのまま姿勢を保持します。
⑤ 右側の首筋を伸ばしたら、左右を逆にし、左側の首筋も同じように伸ばしてください。
頭の上に乗せた手で首を引っ張ってしまうと、筋肉や関節を傷めてしまう恐れがあるので、手の重さを乗せるだけにしてください。
① 立位または座位で背筋を伸ばし、首を左斜め下に向けます。
② 左手を頭の上に乗せて右側の首筋に伸張感を感じたらそのまま姿勢を保持します。
③ 一旦手を頭から離し、右回りで首をぐるりと回して右斜め上に顔を向け、天井を見るようにします。
④ その状態で再び左手を頭の上に乗せ、右側の首筋に伸張感を感じたらそのまま姿勢を保持します。
⑤ 右側の首筋を伸ばしたら、左右を逆にし、左側の首筋も同じように伸ばしてください。
頭の上に乗せた手で首を引っ張ってしまうと、筋肉や関節を傷めてしまう恐れがあるので、手の重さを乗せるだけにしてください。
■首筋ストレッチ(後ろ)
首の後ろ側を走る『僧帽筋』の上部や『脊柱起立筋』を伸張するストレッチです。
① 立位または座位で背筋を伸ばし、首を下に向けます。
② 両手または片手を頭の上に乗せ、首の後ろ側に伸張感を感じたら、そのまま姿勢を保持します。
① 立位または座位で背筋を伸ばし、首を下に向けます。
② 両手または片手を頭の上に乗せ、首の後ろ側に伸張感を感じたら、そのまま姿勢を保持します。
■肩甲骨ストレッチ
肩甲骨の内側にある『菱形筋』を伸張するストレッチです。
① 立位または座位で背筋を伸ばします。
② 上のイラストの一番右側のように、身体の前で両手を組み、手のひらが自分に向くようにします。
③ 組んだ両手を胸の高さでできるだけ遠くに伸ばし、胸はできるだけ後ろに下げるように背中を丸めます。
④ 肩甲骨の内側に伸張感を感じたらその肢位を保持します。
① 立位または座位で背筋を伸ばします。
② 上のイラストの一番右側のように、身体の前で両手を組み、手のひらが自分に向くようにします。
③ 組んだ両手を胸の高さでできるだけ遠くに伸ばし、胸はできるだけ後ろに下げるように背中を丸めます。
④ 肩甲骨の内側に伸張感を感じたらその肢位を保持します。
■大胸筋ストレッチ
胸の前にある大胸筋を伸張するストレッチで、猫背姿勢を治すためにも大変効果的です。
① 両膝を立てて仰向けに寝ます。
② 両手を肩の高さで真横に広げて伸ばし、左右どちらかに膝を倒します。
③ 倒した側と反対側の胸の前の筋肉に伸張感を感じたらその肢位を保持します。
④ 膝を元に戻したら、反対側に倒して反対の大胸筋も同じように伸ばします。
① 両膝を立てて仰向けに寝ます。
② 両手を肩の高さで真横に広げて伸ばし、左右どちらかに膝を倒します。
③ 倒した側と反対側の胸の前の筋肉に伸張感を感じたらその肢位を保持します。
④ 膝を元に戻したら、反対側に倒して反対の大胸筋も同じように伸ばします。
■肩後方ストレッチ
肩関節の後方にある『三角筋後部線維』を中心に伸張するストレッチです。
① 座位または立位で背筋を伸ばします。
② 右腕を前に伸ばした状態から、身体の前を通して左側にもっていきます。
③ 左手で右腕を身体につけるように押さえます。右肩の後方に伸張感を感じたらその肢位を保持します。
④ 左右を反対にし、左肩も同じようにストレッチします。
① 座位または立位で背筋を伸ばします。
② 右腕を前に伸ばした状態から、身体の前を通して左側にもっていきます。
③ 左手で右腕を身体につけるように押さえます。右肩の後方に伸張感を感じたらその肢位を保持します。
④ 左右を反対にし、左肩も同じようにストレッチします。
■脇の下ストレッチ
上腕(肩から肘の間)の背側にある『上腕三頭筋』を伸張するストレッチです。
① 座位または立位で背筋を伸ばします。
② 右手をバンザイしたら肘を曲げて左肩を触るようにします。
③ 左手で右肘を持ち、ゆっくり左側に引きます。
④ 右の上腕から脇の下にかけて伸張感を感じたらその肢位を保持します。
⑤ 左右を反対にし、左の上腕三頭筋も同じようにストレッチします。
① 座位または立位で背筋を伸ばします。
② 右手をバンザイしたら肘を曲げて左肩を触るようにします。
③ 左手で右肘を持ち、ゆっくり左側に引きます。
④ 右の上腕から脇の下にかけて伸張感を感じたらその肢位を保持します。
⑤ 左右を反対にし、左の上腕三頭筋も同じようにストレッチします。
肩こり予防・解消のために日常生活で気を付けること
ストレッチのほかにも、生活習慣を改善することで、肩こり予防・解消につながることがあります。ここでは、日常生活で気を付けたい6つのことをご紹介します。
■正しい姿勢をとる
背中の丸まった猫背姿勢は肩こりの原因となります。
肩こり筋にできる限り負担をかけないようにするためには、背筋を伸ばして左右の肩甲骨を軽く内側に寄せ、頭を両肩のラインの真上にくるように心がけることがポイントです。
いきなり常に正しい姿勢を維持しようとすると、逆に疲れてしまいますが、気がついたときに姿勢を修正する癖をつけることで、肩こり筋を休ませることができます。
肩こり筋にできる限り負担をかけないようにするためには、背筋を伸ばして左右の肩甲骨を軽く内側に寄せ、頭を両肩のラインの真上にくるように心がけることがポイントです。
いきなり常に正しい姿勢を維持しようとすると、逆に疲れてしまいますが、気がついたときに姿勢を修正する癖をつけることで、肩こり筋を休ませることができます。
■長時間の同じ姿勢を避ける
長時間同じ姿勢を取り続けると、全身の血流が悪くなり、筋肉がうっ血状態になってしまいます。
特に、パソコンや読書、洋裁などの身体の前で手を使う作業は、どうしても肩が前にでてしまうので、その状態を続けると肩こり筋に大きな負担がかかります。
30分~1時間おきに体勢を変えたり、一度肩を回して肩甲骨を動かす体操をしたりして筋肉をほぐすようにしましょう。
特に、パソコンや読書、洋裁などの身体の前で手を使う作業は、どうしても肩が前にでてしまうので、その状態を続けると肩こり筋に大きな負担がかかります。
30分~1時間おきに体勢を変えたり、一度肩を回して肩甲骨を動かす体操をしたりして筋肉をほぐすようにしましょう。
■肩の圧迫を避ける
重たいリュックサックを長時間背負ったり、重量物を肩に担いで行う作業などが習慣的に続いたりすると、肩こり筋を圧迫して血流が悪くなってしまいます。
また、圧迫された筋肉は、無意識に緊張して硬くなってしまいます。
下ろせるところではリュックサックを一度下ろしたり、荷物を担ぐ肩を左右替えたりして、肩を圧迫する時間をできるだけ減らすようにしましょう。
また、圧迫された筋肉は、無意識に緊張して硬くなってしまいます。
下ろせるところではリュックサックを一度下ろしたり、荷物を担ぐ肩を左右替えたりして、肩を圧迫する時間をできるだけ減らすようにしましょう。
■適度な運動を心がける
ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は全身の血流を促し、筋肉の柔軟性を高めます。
また、前にあげた肩のストレッチだけでなく、下半身や体幹を含む全身のストレッチを行うことも血流の改善につながるので、肩こりに有効な手軽な運動といえます。
運動不足にならないように定期的に適度な運動を行うように意識してみてください。
また、前にあげた肩のストレッチだけでなく、下半身や体幹を含む全身のストレッチを行うことも血流の改善につながるので、肩こりに有効な手軽な運動といえます。
運動不足にならないように定期的に適度な運動を行うように意識してみてください。
■冷え対策をする
身体が冷えると血流が悪くなるだけでなく、無意識に身体に力が入るため、肩の筋肉も緊張しやすくなってしまいます。
季節にかかわらず、冷え対策をして身体が常に温かい状態を維持することで、肩こりの改善につながります。
季節にかかわらず、冷え対策をして身体が常に温かい状態を維持することで、肩こりの改善につながります。
■ストレスを発散する
仕事の内容や人間関係をただちに変えるのは難しいので、ストレスの原因自体を減らすということは難しいかもしれません。しかし、自分なりのストレス発散方法を見つけてストレスをためないように気をつけることは可能です。
運動や旅行、ショッピングや映画鑑賞など、自分で息抜きの仕方を工夫してストレスをうまく発散したり、質の高い睡眠をとったりすることで肩こりが改善することもあります。
運動や旅行、ショッピングや映画鑑賞など、自分で息抜きの仕方を工夫してストレスをうまく発散したり、質の高い睡眠をとったりすることで肩こりが改善することもあります。
おわりに
今回は、肩こりの原因や自宅でできる肩こり解消ストレッチのやり方、日常生活できを付けることをご紹介しました。
肩こりを改善することで集中力が高まったり、気分が晴れやかになって何に対しても前向きになれたりするなど、生活にとってプラスになる要素がたくさんあると思います。
今回の内容を参考にぜひ肩こりを改善して快適な生活を送っていただければと思います。
肩こりを改善することで集中力が高まったり、気分が晴れやかになって何に対しても前向きになれたりするなど、生活にとってプラスになる要素がたくさんあると思います。
今回の内容を参考にぜひ肩こりを改善して快適な生活を送っていただければと思います。
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会