ウエイトトレーニングとは

ウエイトトレーニングは、ダンベルやバーベル、マシンなどを利用して様々な方法で筋肉に負荷をかけながら体を動かすことで、筋肉の増量を目的とするトレーニングの総称です。
自宅などで気軽にできる腕立て伏せなど、自分の体重を負荷とするトレーニング(自重トレーニング)も広い意味ではウエイトトレーニングに含まれます。余談ですが、ウエイトトレーニングの歴史は古く、紀元前2500年にエジプトで行われていたという記録があるそうです。

ウエイトトレーニングのメリット

スタイルが良くなる

ハリウッドで流行しているカービー(女性的な魅力を持つグラマラス)な体型はかなり筋肉が発達していないと、ただの太った人になってしまいます。男性はもちろん、女性も筋トレでダイエットをした方が美しく健康的なスタイルを目指すことができます。

ホルモンの分泌を促進

ウエイトトレーニングの刺激により、成長ホルモンなど美しさと若さに関係するホルモンや炎症を抑えて脂肪を分解するIL-6などの物質の分泌が促進されます。この物質の分泌の促進により、アンチエイジングが期待できます。

基礎代謝が上がる

ウエイトトレーニングで筋肉量がつくことで、基礎代謝が上がり、太りにくい体質へと変わります。そのため筋トレして筋肉量を増やして痩せることがリバウンド防止にも役立ちます。また、基礎代謝が上がると体温が上がりやすくなり免疫力アップや、美容にも効果が期待できます。

心臓も強くなる

心筋梗塞の患者に有酸素運動とウエイトとレーニングを行わせる研究では、有酸素運動だけのグループと有酸素運動とウエイトトレーニングを行わせたグループに分けて比較検討されました。その結果、有酸素運動とウエイトトレーニングを行ったグループは心臓の血を送り出す力が強くなったと報告されています。ウエイトトレーニングで心臓も強くなる可能性があるかもしれません。

ウエイトトレーニングのデメリット

活性酸素の生成

ウエイトトレーニングのような無酸素運動では活性酸素が生じにくいと言われていますが、実は無酸素運動でもかなり多い活性酸素を生成します。ウエイトトレーニングをすると筋肉に血液が集中しますが、そうすることにより、消化器官などの内臓に血液が流れにくい状態になります。筋トレが終了すると、血液が再び臓器に流れます。するとこの虚血状態の所に血液が流れ込むと大量の活性酸素が発生します。対策として、ウエイトトレーニング中の補給する水分にビタミンCを混ぜて摂取するのも良いかもしれません。

ウエイトトレーニングにかかる費用

ウエイトトレーニングを自宅で行うにはダンベルなどの器具を購入する必要性がありますし、スポーツジムに入会するのもある程度の金額が必要になります。しかし、生活習慣病で高い薬を毎月買うようになったりするよりは、健康のために投資をすると考えたら非常に安い金額と考えることもできます。

ウエイトトレーニングのメニューの作り方

効果的なトレーニングは以下の4つの要因で成り立ちます。

・総負荷量(運動強度 × 運動回数)
・セット数
・セット間の休憩時間
・週単位のトレーング頻度

これらを自分に合った適切なものをセッティングして部位ごとに種目を決めていきます。

1)総負荷量は10~15回で限界の重量を選ぶ

総負荷量はどのくらいの重さの重量を、何回あげるかによって変わってきます。軽度の重量でも限界まで行えば筋肥大が期待できるようです。回数や重量が多いと怪我などにつながりやすいので10〜15回で限界の重量を選ぶのが合理的と言われていますが、あまりキッチリ10〜15回で限界の重量にこだわらずに限界を超えることを意識しましょう。

2)初心者は1種目 3セット

2〜3セットと4〜6セットのトレーニングによる筋肥大の効果を検証した結果、どちらも優位差が無いようです。そのため初心者は1種目2~3セットで良いと思います。しかし、中級者から上級者になると筋肥大のためのセットと、パンプアップのセットが必要になるため、レベルに合わせてセット数を組みましょう。

3)セット間の休憩時間は3〜5分程度

セット間の休憩時間は短いものだと約1分程度が推奨されています。これは休憩時間が短い方が成長ホルモンなどの分泌が促進されるという根拠からです。しかし、筋肥大がもっとも期待できる休憩時間は3〜5分程度と言われています。

4)週単位のトレーニング頻度は週1〜3回程度

筋蛋白質の合成作用の視点から週2〜3回程度が推奨されています。しかし、ウエイトトレーニングは週1回でも十分に効果があるので、ウエイトトレーニング初心者は週に1回から無理なく始めた方が、怪我や日常生活に影響する疲労のリスクが少なくなるので良いと思います。慣れてきたら回数を増やし、筋トレをする部位を上手に増やしていきます。

5)筋トレする部位・種目

今まで運動経験の少ない初心者は上半身1種目、下半身1種目程度から始めてください。準中級者になったらベンチプレスなど大胸筋と上腕三頭筋を鍛える種目、スクワットなど下半身を鍛える種目、ラットプルダウンなど背中の筋肉を鍛える種目の計3種目をしっかり行いましょう。中級者から上級者はトレーニング回数に合わせて部位を振り分けして行うようにしましょう。

ウエイトトレーニングの注意点

1)やりすぎに注意する

ウエイトトレーニングを長時間行うとコルチゾルというホルモンが筋肉などの成長因子を邪魔してしまい、逆に筋肉が小さくなってしまう事があるようです。そのため、最初は2〜3セットで狙いを絞った種目をやるようにした方が良いようです。

2)フォームに注意

フリーウエイトと呼ばれるマシンを使わずダンベルやバーベルを使って行われるウエイトトレーニングはフォームが悪いと効果が半減したり、怪我につながります。自分が行う種目についてインターネットで調べてフォームをしっかり確認しましょう。

おわりに

ウエイトトレーニングは競技ではないので誰でもチャレンジできる運動です。
健康効果も期待できるようですので、ある程度の理論を学んで自分に合わせてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

関連する記事

関連するキーワード

著者