シニアヨガとは

シニアヨガとはその名の通り、高齢者向けのヨガです。
ヨガでは『アーサナ』と呼ばれるポーズを連続してとっていきますが、シニアヨガでは従来の正しいポーズや完成されたポーズを求めることはありません。

高齢になると、身体の様々な部分に問題を抱えることが多いでしょう。
膝が痛かったり、腰痛があったり、息が上がりやすかったりなど、体調を万全に整えることが難しくなります。
シニアヨガはその人の個性に合わせた無理のないヨガの動きを通して、怪我なく安全にヨガを楽しみ、ヨガの気持ち良さを味わうことができます。

シニアヨガの特徴

シニアヨガの特徴としては、安心・安全に個々が取り組めるよう、高齢者それぞれのレベルに合わせた動きを行うことにあります。

従来一つ一つのアーサナ(ポーズ)は正しい姿勢・フォームの取り方が決まっており、若年者のヨガ教室ではポーズの完成度を高めるために、インストラクターに指導されることが多いです。

しかし、シニアヨガではポーズは自分の行える範囲で無理なく行い、気持ちの良い呼吸を続けられることを優先します。また、シニアヨガではポーズを取りやすくするために、椅子や壁、タオルなどの補助具を積極的に使用します。道具に頼ることにより、安心して安全にヨガを楽しめるよう、工夫がされています。

シニアヨガに期待される効果

これまで述べたようにシニアヨガではポーズの完成度や高い活動量は求めていません。
自分に合った動きをしながら、深く気持ちの良い呼吸を行います。深い呼吸を気持ちよく行うことで、精神的に落ち着いてリラックスし、ストレスを発散させる効果があります。
また、深い呼吸を繰り返し行うことで代謝が上がり、高齢になると減退しがちな食欲の増進にもつながります。繰り返しヨガを行うと、できなかったポーズができるようになるため、高齢になっても向上心を持ったり、できるようになる喜びを感じたりすることができるでしょう。さらに、シニアヨガはエクササイズの一つとして、筋力アップ効果やストレッチによる身体の柔軟性向上効果も期待できます。

シニアヨガに向いている人

シニアヨガは個人に合わせた動きを行うため、持病(運動器疾患、内部疾患、脳血管疾患など)を抱えている方、通院し服薬している方でも取り組むことができます。
ヨガを通して少しでも健康的な精神と身体を養いたいと考えている方すべてが、安心して安全に取り組めるのがシニアヨガです。
また、高齢者世代だけでなく、若年・中年の方で身体が固い・運動が苦手などの場合にも、安心して取り組んでいただけます。

シニアヨガの注意点

シニアヨガでの最大の注意点は、その安全性です。
高齢者は加齢により筋肉の柔軟性が失われ、呼吸機能も低下していることが多いです。
シニアヨガでは無理のない範囲でポーズを取りますが、自分がどのくらいのレベルの動きならできるのかを正しく見極める必要があります。無理をしてしまうと、転倒事故につながったり、病気の症状が悪化してしまったりすることも考えられます。
シニアヨガを始める場合は自己流でなく、まずは専門家の指導を仰ぎながら行うようにしましょう。

おわりに

今話題のシニアヨガについて、その特徴や効果、注意点を解説しました。
シニアヨガを通して、高齢者の方々が心身の健康を保ち、自立した生活を送り続けられることは、素晴らしいことです。
最近では、自治体の市民講座やデイサービスなどでも取り入れているところも増えています。
ぜひ一度体験してみてはいかがでしょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

関連する記事

関連するキーワード

著者