スロージョギングとは

スロージョギングとはゆったりとした気持ちと自分の歩幅で、好みのコースをゆっくりと走ることです。運動生理学で疲れの源といわれる『乳酸』が出ない程度の速さで走ります。速さには個人差がありますが、疲れると感じる手前のスピードで走りましょう。

スロージョギングの効果

スロージョギングをすることによって以下の4つの効果が期待できます。

1. 一つ目は心肺機能、酸素摂取能力の向上です。スロージョギングをすることで心筋や呼吸筋が発達し、外気を多く取り込めるようになりますし、1回の拍動で多くの血液を全身に送り出すことができるため、平常時の心拍数も下がります。体内の血液循環がよりスムーズになり、酸素が効率的に全身の細胞に行きわたります。

2. スロージョギングで生活の中に手軽に有酸素運動を取り入れることで、ダイエット効果が期待できます。スロージョギングの消費カロリーの目安として、以下の計算式が適用でき、消費カロリーはウォーキングの1.6倍となるといわれています。
体重(kg)×距離(km)=消費カロリー

3. スロージョギングのような穏やかな運動は、コレステロールなどが原因で心臓周辺の血管が詰まったり、狭くなったりする『冠状動脈疾患』の危険性を減少させます。また、平常時の血圧を安定させ血液中の『LDL』という悪玉コレステロールの増加を防ぎ、『HDL』という善玉コレステロールの増加を助けます。そうすることで、中性脂肪を減少させ、生活習慣病予防に役立ちます。

4. スロージョギングのリズミカルな運動によって脳が刺激され、脳の運動野や感覚野が活性化するといわれています。また、脳細胞の増加を促すと同時に、記憶機能を活性化します。受験勉強中の方や高度な専門職の方には有効な有酸素運動といえるでしょう。

挫折しないための注意点

スロージョギングは簡単にできる運動なため、安易に始めて挫折する方も少なくありません。挫折せずに継続するための注意点をご説明します。

まず、スロージョギング用のシューズを購入しましょう。心地よくジョギングするために、多少高価でも、足にぴったりとフィットしたものを選んでください。雨の日に備えるため、防水効果のあるシューズがおすすめです。専用シューズを使うことで初心に返ったり、モチベーションを保ったりすることができます。

習慣化するために、まずは3週間根気よく続けましょう。春夏秋冬を感じられるようなコースや、実施しやすい時間帯を設定するなど、工夫が必要です。3週間ほど経過すると、身体が慣れてきて自然と生活のルーティーンに組み込めるでしょう。
また、体重の減少には3か月間以上の継続が必要といわれています。ダイエット成功者の例では、最初1か月前後は体重が停滞し、挫折感が出るといわれているので、そこを耐えて続けることが大切です。

スロージョギングのやり方

足の運び方

スロージョギングの足の運び方の基本は、画像のように「つま先で蹴り出し、かかとで着地する」ことです。歩幅は、肩幅を基本にし、無理のないようにジョギングしてください。

スロージョギングのやり方

まず、ジョギングの前に、ラジオ体操や足腰の屈伸などの準備運動をして体を温めます。
スロージョギングを始めとする有酸素運動では、エネルギーとして、最初20分間は糖質、その後は脂肪が使われます。ですから、脂肪の燃焼を高めるために、20分以上のジョギングコースやメニューを作ることが大事です。

おわりに

スロージョギングに取り組みには、難しい動作の練習や高級な用具は不要です。誰でも簡単に始められますが、継続することが大切です。ダイエット目的の場合は、特にリバウンドを避けるために、自分のペースで続けましょう。
スロージョギングで、体の体幹を鍛えてダイエットしたり、健康的に毎日をすごしたりしてみませんか。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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