はじめに

ヨガは呼吸やポーズ、瞑想を組み合わせて実践していきます。
では、呼吸やポーズ、瞑想にはどのような意味があるのでしょうか?

今回はヨガの基礎となる呼吸・ポーズ・瞑想を中心にお伝えしていきます。

ヨガとは

ヨガはサンスクリット語で繋がりを意味しています。これは心と身体、そして魂が繋がっている状態を指します。ヨガは呼吸、ポーズ、瞑想を組み合わせて心と身体の緊張を解し、心の安定を安らぎを得るものなのです。具体的には「バランス」「統一」「調和」を意味していて、身体や心、呼吸の他に生活習慣等、様々なものに関係しています。

その具体例を下記に挙げました。

・姿勢動作の異常の矯正
・栄養過多や不足等の調整
・欲望や感情のコントロール
・迷いや執着心、誤解等からくる精神的不安の調整
・環境や仕事、家庭等、生活上の不安た負担の緩和
・骨格や筋肉、神経、内臓といった身体的な不調や不安の改善

ヨガはこれらをセルフコントロールし、修正していきます。その為、自分で意識して改善を行う事が大切です。

ヨガの歴史

ヨガの歴史は約4500年(紀元前2500年)頃のインド地方に生まれたインダス文明が起源です。その証拠にインダス文明の遺跡やモヘンジョ・ダロから座法や瞑想する模様が記された出土品が発見されました。

そこから継承を繰り返しながら発展していき、ヨガの経典と言われている「ヨーガ・スートラ」が成立しています。これに記されている内容が現在のヨガの指標になっています。

ヨガの三大要素である呼吸・ポーズ・瞑想について

ヨガは呼吸、ポーズ、瞑想を要素として実践していきます。
これがヨガを行う上で主軸となります。

呼吸

私達は普段何も考えず無意識に呼吸していますが、呼吸は心と深く繋がっています。

例えば、人前で何かを発表したり、自分が苦手な事をしなくてはならない時、嫌な事があった時等、呼吸は浅くなったり、乱れたりしますし、マッサージを受けている時やお風呂に入っている時は、自然と深く、ゆっくりとした呼吸をしています。

これは呼吸と心が繋がっている事を意味しています。だからヨガでは、呼吸が重要視されるのです。

ポーズ

深い呼吸と一緒に1つ1つ丁寧にポーズをとる事で、普段の生活ではあまり使っていない筋肉等を動かすことができます。それによって血液やリンパの流れがスムーズになります。すると、身体の中に蓄積された余分な水分や老廃物、毒素等を体外に排出しやすくなります。

また、ヨガのポーズをとる事で身体の柔軟性が高まるので、健康的な身体を取り戻す事にも役立つのです。そして身体的な面だけではなく、精神面や脳、内臓、神経等、全身の様々な部位を意識して行うことがヨガのポーズを行う上での大きなポイントです。

ヨガのポーズは様々なものがありますが、それぞれのポーズの中に捻る、伸ばす、曲げる動作を加えていきます。様々なポーズにチャレンジしている内に、自分の得意なポーズや苦手なポーズが分かってきます。苦手なポーズはやらない、避けるのではなく、少しずつで良いので取り入れていきましょう。実施している内に段々と出来るようになります。

瞑想

ヨガの起源であるインダス文明の遺跡やモンヘジョ・ダロから座法や瞑想が記されているように、本来のヨガは瞑想から始まっています。呼吸やポーズは瞑想を深める為のものでもあるのです。呼吸によって集中力を高め、ポーズによって瞑想に適した身体を作り、瞑想によって必要な心や身体を鍛える事が出来るのです。

先ずは目を瞑ってゆっくりと呼吸してみて下さい。自分がリラックス出来る体勢で息を深く吸い、止めてから吐いてという一連の呼吸を意識しましょう。そうすると普段は分からない心臓の鼓動を感じられると思います。それにより、身体はリラックスしているけど、意識は覚醒した状態になります。

種類別ヨガの効果

一口にヨガと言っても、ヨガには様々な種類があります。素人から見ればどれも同じに見えるかもしれませんが、多種多様な流派に分かれていて、そのスタイルもそれぞれ違います。

ここでは日本でも広く知られている代表的なヨガを紹介します。

ハタヨガ

最もポピュラーなのがハタヨガで、様々なヨガの原点とも言えます。動きがゆっくりで、健康促進の為のエクササイズとして初心者にも取り組みやすいヨガです。

パワーヨガ

ダイエットや美容を目的としていて、肉体筋力トレーニングと瞑想を行い、集中力を高める事を重視しています。運動量がかなり多いのが特徴です。

アートオブリビングヨガ

心身にストレスを溜め込まない事を目的としているヨガです。

アイアンヨガ

解剖学の観点を取り入れ、スタミナを増進させ、身体の歪みを矯正する事を目的としています。身体の固い方でも無理なく柔軟性を高めるられるので、初心者にも安心おすすめです。

アシュタンガヨガ

ダイナミックな動きと呼吸法を組み合わせるので、比較的運動量が多く、エクササイズとしても人気のヨガです。

アヌサラヨガ

身体への負担をかけずに身体本来の力を最大限に引き出す事を目的としたヨガです。体力が少ない方や筋肉の弱い方、身体が固い方、高齢者、病気でリハビリ中の方でも取り組めるヨガです。

沖ヨガ

日本のヨガの草分け的な指導者、沖正弘師が伝統的なヨガをベースに陰陽道や禅、武道等の修行法や東洋医学を組み合わせ、日本人のスタイルに合わせて体系化したものです。

陰ヨガ

陰ヨガは座ってポーズをとる事が多く、1つ1つのポーズに時間をかけて行うものです。関節や気の通り道を刺激して、血流を改善していきます。

まとめ

ヨガは呼吸、ポーズ、瞑想を組み合わせて心と身体の緊張を解し、心の安定と安らぎを得るものです。

ヨガの歴史や約4500年も前に遡り、そこから継承を繰り返して現在に至ります。ヨガの三大要素は呼吸、ポーズ、瞑想で、これらを主軸にして実施していきます。

ヨガの流派は上記に挙げた他にも沢山あります。自分にどれが適しているかは実施してみないと分からないかも知れませんが、大事なのは身体が気持ち良いと思う事です。

この機会に自分の身体と対話してみては如何でしょうか。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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