肩甲骨ストレッチの種類とやり方

肩甲骨ストレッチは実に多くのやり方がありますが、ここではどなたでも自宅で簡単に行えるやり方をご紹介します。

腕を引き寄せるストレッチ

①椅子に座るか、立って姿勢を正します。
②右腕を身体の前方で伸ばし、上の写真のように左腕をクロスさせて右腕を胸の方に引き寄せます。
③胸に引き寄せたままキープしてゆっくり呼吸をします。
④反対の腕も同様に行います。

肩回し

①椅子に座るか、立って姿勢を正します。
②両肘を曲げて両肩に手を当てます。
③ゆっくりと内回し、外回しの両方を行います。

腕を後方で組むストレッチ

①椅子に座るか、立って姿勢を正します。
②両腕を後ろに回し、お尻の後ろで手の平を組みます。
③手を組んだまま両手をさらに後ろに伸ばし、胸を開くようにします。
④肩甲骨が引き寄せられる状態になったら、そのままキープしてゆっくり呼吸します。

肩甲骨とは

肩甲骨とは背中の上部に位置する左右2つの骨で、逆三角に近い扁平な形をしています。人間だけでなく、四肢のある動物には存在し、体重を支えるためにもなくてはならない骨です。

肩甲骨には2つの関節面(2つの骨の端が向かい合うところ)があり、上腕骨、鎖骨とつながっています。そのため、腕を挙げる時や、背骨を丸めたり伸ばしたりする時など、様々な動作で他の骨と一緒に動きます。

そして、肩甲骨周りには実に約17種類もの筋肉が存在し、肩甲骨の動きを支えています。

肩甲骨ストレッチではこれらの筋肉をほぐし、肩甲骨をスムーズに動かせるようにすることを主な目的としています。肩甲骨をスムーズに動かすことによって様々な効果が期待できるのです。

肩甲骨ストレッチの効果

肩甲骨ストレッチは最近では『肩甲骨はがし』などとも言われ、その効果に注目が集まっています。
肩甲骨ストレッチの効果には以下のような点が考えられます。

①肩こりの改善
肩こりに悩む人は大勢います。
肩甲骨ストレッチで肩周りの筋肉をほぐすことで血行を良くし、老廃物の排出を促します。こうして肩こり改善の効果が期待できるでしょう。

②肩関節疾患の予防
軽い肩こり程度ならばまだ良いのですが、肩甲骨周囲の筋肉が硬いことによって、四十肩や五十肩などと呼ばれる『肩関節周囲炎』になったり、スポーツをした際に肩関節を怪我したりする可能性があります。こうなると、痛みで腕を挙げることが困難になり、日常生活にも支障が出てしまいます。
普段から肩甲骨周囲の柔軟性を高めることにより、このような肩関節の疾患を予防する効果が期待できます。

③姿勢の改善
猫背になっている人は背骨が丸まっていると同時に、肩も内側に寄った状態になっていることが多いです。
肩甲骨ストレッチを行うことにより、固まってしまった肩の位置を調整し、良い姿勢を保ちやすくする効果が期待できます。背筋をすっと伸ばしやすくなるでしょう。

肩甲骨ストレッチの注意点

どなたでも簡単に行えるストレッチ方法を紹介しましたが、ゆっくりと無理のない範囲で行うよう注意してください。
前述したように肩甲骨周囲には約17種類もの筋肉が存在しており、スムーズな動きを可能にするため、それぞれが絶妙な加減で協調し合って働いています。

どこか1つでも痛めてしまうと、それをかばうように全体のバランスが崩れてしまいます。

肩関節は痛めやすい関節でもあります。気持ち良いと思える範囲で、反動をつけたり、強く伸ばしすぎたりしないよう、十分気を付けて取り組んでください。

おわりに

肩甲骨ストレッチについてその効果ややり方について解説しました。

正しいやり方で行えば、様々な効果があるストレッチです。

日頃から肩こりがある人には、効果を実感していただけると思います。人によっては、即時的な効果も期待できます。
簡単にチャレンジできるストレッチですので、毎日を快適に過ごせるように取り組んでいきましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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