『ながらトレーニング』とは?

『ながらトレーニング』とは、家事や育児、通勤、仕事など日常生活の作業中にできるトレーニングのことです。

運動不足の解消、ダイエット、健康促進など、さまざまなな目的で運動を始めたいと思っている方は、たくさんいらっしゃいます。
しかし、実際に運動を始めるとなると、スポーツジムに通ったり、トレーニング用品を揃えたりするため、経済的にも時間的にも負担がかかります。自宅で道具を使わずに行う場合でも、トレーニングを続けるモチベーションを保つのは、なかなか難しいでしょう。

そこで、おすすめしたいのが、ながらトレーニングです。
作業をしながらでも、十分な負荷のトレーニングができ、日常生活に組み込むことができるので、続けやすいのが特徴です。
また、特別な道具は不要なので、経済的にも負担がほとんどありません。

今回はながらトレーニングの中でも、通勤・通学中にできるものと、仕事中にできるものを3種類ずつご紹介します。

通勤中のながらトレーニング①『かかと上げ』

かかと上げは、立ち仕事をしている時や、電車でつり革を持っている時などに、簡単に行えるトレーニングです。

主に、ふくらはぎの筋肉である『下腿三頭筋』が鍛えられます。
下腿三頭筋は「第2の心臓」と呼ばれ、下半身に流れた血液や水分を心臓に戻すポンプのような役割をしてくれます。そのため、鍛えることでむくみが予防でき、すっきりとしたふくらはぎに近づけます。

かかと上げのやり方

①片手または両手で壁やつり革を持ち、足を腰幅に広げて背中を伸ばします。
②かかとをゆっくりと上げ、上げきったところで5秒間止まります。
③ゆっくりとかかとを下げ、床に着けます。
④壁やつり革でバランスを取りながら、10回×2~3セット行います。

通勤中のながらトレーニング②『バランストレーニング』

2つ目のご紹介するのは、電車の揺れを利用した『バランストレーニング』です。
電車やバスの揺れに対して全身でバランスを取ることにより、バランス機能やインナーマッスルを鍛えることができます。
また、股関節の周りや下肢の筋肉も働かせることができます。

バランストレーニングのやり方

①手すりを持ったまま、バランスの取りやすいよう、両足を肩幅くらいに広げます。
②膝を少し曲げ、手すりを離してバランスをとります。
③30~60秒間を目安にバランスをとります。
④3~5セットを目標に、電車やバスに乗っている際中に行いましょう。

※バランストレーニング中は、いつでも手すりを持てるようにしておいてください。
また、カーブや揺れが激しい時は、安全のため行わないようにしましょう。

通勤中のながらトレーニング③『二の腕トレーニング』

電車やバスのつり革を持つと、肘が曲がって力こぶを作るポーズになります。この状態で力を入れると、上腕の内側にある『上腕二頭筋』が鍛えることができます。
二の腕を細くしたい人におすすめのトレーニングです。

二の腕トレーニングのやり方

①片手でつり革を持ちます。
②つり革を下へ引っ張り、力こぶを作ったら、10秒間力を入れて力こぶを持続させます。
③10秒間を3セット行ったら、手を入れ替えて逆の手も3セット行いましょう。

仕事中のながらトレーニング①『ドローイン』

『ドローイン』はインナーマッスルのトレーニングの基本とも言えます。
ドローインを行うと、お腹のインナーマッスルである『腹横筋』や、脇腹にある『腹斜筋』を鍛えることができます。これらは身体を安定させたり、姿勢を維持したりするための大切な筋肉です。

電車やバスで座っている際中や、デスクワーク中に気軽にできるトレーニングですので、ぜひ試してみてください。

ドローインのやり方

①背もたれにもたれず、背中を伸ばして椅子に座ります。
②口をすぼめて息をふーっと吐きながら、お腹をへこませていきます。
③へこみきった状態で5~10秒間ほどキープします。
④鼻から息を吸い、お腹をふくらませます。
⑤10回を2~3セット行いましょう。

仕事中のながらトレーニング②『アームリフト』

『アームリフト』では肩をすぼめたり、腕を上げたりするなど、多くの働きを伴い、首から肩や背中についている『僧帽筋』が鍛えられます。
デスクワークや不良姿勢が続くと、血流が悪くなり、肩こりや首こりが起こりますが、アームリフトをすることにより、肩こりを予防できます。

ドローインと同じく、電車やバスで座っている際中や、デスクワーク中にできるトレーニングです。

アームリフトのやり方

①背もたれにもたれず、背中を伸ばして椅子に座ります。
②顔の前で両方の手のひらと肘をくっつけます。
③息を吐きながら、両方の手のひらと肘を離さないように上に上げます。
④上げ下ろしを10回繰り返し、これを2~3セット行います。

仕事中のながらトレーニング③『ヒップバランス』

座ったまま両足を上げて行う『ヒップバランス』では、シックスパックを作る『腹直筋』や股関節の前側にある『腸腰筋』を鍛えることができます。
また、接地面がお尻だけになるので、バランストレーニングにもなります。

ヒップバランスのやり方

①背もたれにもたれず、背中を伸ばして椅子に浅く座ります。
②上半身を少し後方に倒して両足を上げ、膝を90度に曲げます。
③この状態で20~30秒間ほどキープし、ゆっくりと足を下ろします。
④余裕があれば、片方ずつ順番にお尻を浮かせてみましょう。

おわりに

電車やバス内など通勤・通学中にできるトレーニングと、仕事中や勉強中に座ってにできるトレーニング
をご紹介しました。

通勤や仕事の時間はとても長いため、意識的に行えば、十分なトレーニングになります。
座っているときに背中を伸ばした姿勢をキープする、階段を使用する、一駅分歩くなどするだけでも、トレーニングになるので、日々の生活に取り入れてみてください。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

関連する記事

関連するキーワード

著者