自重トレーニングとは

自重トレーニングとは、簡単にいうとトレーニング器具を使わず、自分の体重で負荷をかけて行う筋トレの事をいいます。例えば、腕立て伏せや腹筋、背筋、スクワットは自重トレーニングに入ります。
それだけではなく、ストレッチやヨガも自重トレーニングの部類に入るといえるでしょう。
ちなみに、自重トレーニングではなく、器具を使用してトレーニングする筋トレのことを『ウエイトトレーニング』といいます。
体重以上に負荷がかかる分、効果が早く出るのが特徴です。
しかし、日頃あまり運動しない方や体重が重い方、ケガをしている・しやすい方、産後すぐの方などは、体の負担が少ない自重トレーニングから始める事をおすすめします。

自重トレーニングのメリット

自重トレーニングのメリットは2つあります。1つは費用がかからない事です。
トレーニングと聞くと、トレーニングマシーンやダンベルなどの器具を揃えないといけない気がしますが、自重トレーニングでは必要ありません。
トレーニングを続けた結果、負荷をかけたいと思った場合は、器具の購入を考えましょう。

そして自重トレーニングの2つ目のメリットは、ケガをしにくいという事です。なぜなら、あくまでも自重トレーニングは自分の体重を支え、身体の負荷だけで行うトレーニングだからです。
人は常に自分の体重を支えて動いているので、よほどの無理をしない限り、ケガはしにくいです。
ただし、正しいやり方で行わないと、当然、ケガの元になりますので、まずは正しい基本的な方法を覚えて実践しましょう。

自重トレーニングの効果

自重トレーニングを行う事でどのような効果があるのでしょうか。その効果を下記にまとめました。

・脂肪が減り、筋肉量が増える事で、脂肪の燃焼が効率的になり、ダイエットに繋がる
・硬くなってしまった筋肉をほぐす事ができる
・脂肪が減って筋肉量が上がるので、冷え性の改善や生活習慣病、メタボリックシンドロームの予防に繋がる
・日常生活の中で動くのが楽になる

自重トレーニングはウエイトトレーニングに比べれば筋肉量が増える速度は遅いですが、継続して行う事で、着実に筋肉量が増加します。それにより、様々な効果が現れ、健康増進にも繋がります。
また、思い立った時やちょっとしたすき間の時間にも行えますので、ジムに通う時間がない方も簡単に行えます。筋力が欲しい、運動不足を改善したい方にはもってこいのトレーニング方法といえるでしょう。

自重トレーニングの種類とやり方

自重トレーニングには、どんなものがあるのでしょうか。ここでは、自重トレーニングの中でも、負担なく行える簡単なメニューをご紹介します。

上半身のトレーニング

腕、肩、背中など、上半身を鍛えるのには、腕立て伏せが効果的です。誰しも学生時代に一度はやった事があると思いますが、正しい方法で行う事で、効率的にトレーニングができます。さらに、少しやり方を変えるだけで、大胸筋と三頭筋(腕の裏側の筋肉)など、それぞれの部位に効かせることができます。

・大胸筋を鍛える腕立て伏せ
手を付ける位置を肩幅より少し広くするのがポイントです。そして、胸を床に付けるように、下までゆっくり身体を下ろしましょう。小さい動きで回数をこなすよりも、丁寧に上げ下げする方が効果は高いです。負荷を感じながらゆっくりと行ってください。

・三頭筋を鍛える腕立て伏せ
手の幅を狭くしましょう。慣れてきたら、手と手を重ねてしまってもいいです。あとは、上記したように負荷を感じながら、ゆっくりと身体を上げ下げしましょう。

この2つの腕立て伏せを実際にやって比べると、使っている筋肉が違う事が分かると思います。2つを組み合わせてトレーニングの計画を立てる事をおすすめします。
ただし、いきなり腕立て伏せをやろうと思っても、意外に負荷が大きくて何度もできない方もいらっしゃると思います。腕立て伏せは負担が大きい運動ですので、最初は膝をついて四つん這いの姿勢から行うか、低めの台に手をついて行うと負担を少なくする事ができます。

腹筋のトレーニング

ここでは、一般的な頭の後ろに手を置く腹筋ではなく、よりインナーマッスルに効果的な方法をご紹介します。

・レッグレイズ
レッグレイズは腹筋を鍛える自重トレーニングの中でも初歩的なメニューです。やり方は簡単で、まずは仰向けに寝ます。両足を揃えて真っ直ぐに伸ばし、ゆっくりと持ち上げます。足を90度まで持ち上げたら、今度はゆっくりと下ろしましょう。
地味なトレーニングですが、やってみると結構つらいと感じるはずです。最初は回数を決めて、慣れてきたら徐々に回数を増やしていきましょう。

・プランク
プランクも簡単にできるメニューです。四つん這いの体勢から構えるとやりやすいでしょう。まず、両手の先から肘までを床に付け、肩幅と同じくらいに開きます。膝を離して身体を浮かせ、つま先と両腕だけで全身を支えます。
この状態をまずは30秒間キープする事から始めましょう。慣れてきたら秒数を増やすと良いでしょう。

下半身のトレーニング

下半身のトレーニングにはスクワットが効率的です。脚からお尻にかけて大きな筋肉がたくさんありますが、スクワットでまんべんなく筋肉を鍛える事ができます。
お尻の筋肉を鍛えると、骨盤の位置が正しい場所に維持しやすくなるため、骨盤矯正にも繋がります。

・スクワット
スクワットのやり方は、まず背筋を伸ばして脚を肩幅に開きます。その後、太ももが地面と平行になるあたりまで腰を落としましょう。背筋は意識して伸ばしたまま行ってください。
辛くなってくると猫背になりがちですので注意しましょう。
注意として、膝や腰に何らかの疾患やケガを抱えている方は、無理に行わないようにしましょう。新たなケガやケガの悪化の原因になりかねませんので、気を付けてください。

自重トレーニングメニューの組み方

トレーニングは毎日行った方が効果的だと思う方も多いでしょう。しかし、鍛えた筋肉を休ませる事は筋肉をつけるためにも、ケガを避けるためにも大切です。

自重トレーニングを行う時は、今日は腕立て伏せ、明日はスクワットなどとローテーションを組んで、前日に行ったトレーニングとは違うメニューにする事をおすすめします。
腕立て伏せ1つ見ても、やり方や鍛える筋肉は異なりますので、そこも活かして1週間や10日と長いスパンで計画を立ててください。

トレーニングを習慣づけるには、1日1メニューでも続ける事が大事です。トレーニングにはある程度の負荷が必要ですが、無理にメニューを増やすのではなく、自分のペースで着実に行いましょう。

おわりに

自重トレーニングのメリットや効果、そのやり方についてお伝えしました。自重トレーニングで筋肉痛が起こったら、その日はその部分を休める事をおすすめします。
自分の身体と相談して、回数は無理のない範囲で行いましょう。いきなり目標を高く設定すると、挫折の原因になってしまいますので、自分のできる範囲で計画を立ててください。

筋肉量が増えると、身体が軽く感じて動くのが苦ではなくなるので、自然と運動量も増えいくというメリットもあります。運動不足の方は、自重トレーニングから始めてみてはいかがでしょうか。
きっと身体の変化が楽しんでいただけると思います。
自重トレーニングをして健康的な身体を手に入れましょう。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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