フェイシャルヨガとは

一般的なヨガでは、呼吸をしながら体を動かすことで、新陳代謝を上げたり、筋肉を解したり、筋肉を鍛えたりします。

フェイシャルヨガでは、これを顔で行います。
いろいろな表情を作ることが、ヨガのポーズにあたります。

一般的なヨガと同じように、フェイシャルヨガでも呼吸は非常に大切です。
常に呼吸を意識しながら、顔にある『表情筋』という筋肉を動かしていきます。

表情筋が衰える原因

表情筋は約60種類もあり、笑ったり、泣いたり、話したりするときに使っています。
普段使っている実感があまりないため、使っていないと知らず知らずの間に、どんどん下がってしまい、顔のたるみにつながってしまいます。
さらに、目の下にクマができやすくなったり、顔色が悪くなったりもします。

話す言語

表情筋は話している言語と非常に関係が深いと言われています。
日本語はほかの言語よりも、表情筋を使わずに話すことができ、表情筋の約20%しか使わずに会話できてしまうほどです。これに比べてドイツ語を話すときは、表情筋の約80%を使っていると言われています。

小さい表情

日本人は欧米人にくらべて、表情が小さい傾向にあります。
外国人が大きな表情で笑ったり、怒ったりしているのを見かけると思います。感情を表に出さない日本特有の美意識も加わり、豊かな表情を作ったり、話す時に意識したりしないと、表情筋がどんどん衰えてしまいます。

表情癖

ほとんどの方には、『表情癖』というものがあります。
例えば、座った時の脚の組み方で骨盤がゆがむことがあると思いますが、同じことが顔でも起こります。歯のかみ合わせや、いつも同じ方の肘をつく、いつも同じ方に首をかしげる、パソコンを凝視するなどの癖が原因で、表情筋が衰えることがあります。

フェイシャルヨガの効果

フェイシャルヨガでは表情筋に刺激を与え、鍛えていくことができます。
表情筋は非常に小さな筋肉ですので、簡単にトレーニングできます。

フェイシャルヨガで顔の筋肉を動かすことで、顔の血行やリンパの流れが良くなります。
リンパの流れが良くなると、顔中に栄養が行き渡るようになり、不要な老廃物が排出されやすくなります。

また、体の筋肉が発達すると、脂肪を燃焼しやすくなるのと同じで、表情筋が発達することで、顔とその周辺の脂肪が燃焼されやすくなります。
そうすることで、たるみやむくみが解消されて小顔になったり、顔色が良くなったりする効果が期待できます。

小顔になるおすすめのフェイシャルヨガ

ここでは、小顔効果が期待できるフェイシャルヨガのポーズをいつくかご紹介します。

くしゃくしゃ、ぱっのポーズ

①息を吐きながら、目、口、鼻など、顔のすべてのパーツを一気に中心に寄せます。
②息を吐ききったら、「ぱっ」と言う音を出すように口を開き、顔全体をリラックスさせます。
③同じ動作を3回ほど繰り返します。

こめかみリフト

①真っすぐ座ります。
②左手で右のこめかみを上から引っ張ります。この時、ほうれい線が目立たなくなる場所を探しましょう。
②頭を左に倒して、左耳を肩に近づけていきます。
③右手は斜め45度くらいの角度で下に伸ばします。
④そのままの姿勢で、息を吐きながら舌を下に向かって思いっきり伸ばします。
⑤10秒ほどキープしたら、元の姿勢に戻ってリラックスします。
⑥反対側も同じように行い、それぞれ3回ほど繰り返します。

舌はアンチエイジングと深い関係があると言われています。舌をアクティブに動かすことで、顔に若さが戻ります。

三角舌のポーズ

①姿勢を正して椅子に座ります。
②顎を上げ、顔を天井に向けます。
③息を吐きながら、舌を天井に向かって思いっきり伸ばします。
④10秒ほどキープしたら、元の姿勢に戻ってリラックスします。
⑤同じ動作を3回ほど繰り返します。

フェイシャルヨガを行う頻度

フェイシャルヨガで使うのは、表情筋という非常に小さな筋肉なので、動かしたときに筋肉に与えるダメージもあまり大きくはありません。
したがって、運動の後に筋肉が回復するのにかかる時間も少なくて済みます。

筋トレをするのはだいたい2日に1回と言われますが、フェイシャルヨガの場合は、1日に2~3回、1つのポーズに3分間ほどかけて行うのが良いでしょう。
筋肉が小さいので、長時間ヨガをする必要はありません。

睡眠時に凝り固まった筋肉をほぐすのに朝起きた時に1回、夜、入浴後の温まっている時に1回行うと良いでしょう。
1日の筋肉の疲れをほぐしてから、すっきりと就寝することができます。
慣れてきたら、テレビを見ながらや、ご飯の支度をしながら行っても良いです。
小さい筋肉ですので、2週間ほど続ければ効果が現れてきます。

フェイシャルヨガを行うときの注意点

自分の顔の変化を受け止める

フェイシャルヨガを始める前に、鏡を使って自分の『10年後の顔』を見てみましょう。
これはあくまでも例の一つですが、鏡を顔の下に置き、下を向いて鏡をのぞき込んでみると、10年後の自分の顔が見られると言われています。
鏡を正面に置いた時に映る『現在の顔』と、上を見上げた時に映る『10年前の顔』と比較してみてください。
過去、現在、未来をしっかり見ることで効果が上がります。
あまり見たくはないかもしれませんが、過去、現在、未来の自分を受け止めることから始めましょう。

長期間続ける

どんな運動をする時も、中途半端にやっていたら、効果がなかなか上がりません。
フェイシャルヨガも一緒です。中途半端にやっていると、効果が半減してしまいます。

恥ずかしがらずに正しいポーズをとる

フェイシャルヨガは体ではなく、表情を伸び伸びと動かします。
つまり、変顔を伸び伸びとやるので、ついつい笑ってしまったり、恥ずかしくて思いっきりポーズを取れなかったりします。
ですが、自分だけに集中してポーズを取るように心がけましょう。
慣れるまでは、鏡を使って正しくポーズがとれているか確認しながら練習しましょう。

呼吸を意識する

ポーズをする際は、呼吸を忘れないようにしましょう。
呼吸をすることで不要なものを排出することができます。
正しい呼吸を続けると、体全体がリラックスして血液やリンパの流れも助けます。

おわりに

今回は、表情筋を鍛えるフェイシャルヨガの効果ややり方、注意点などを解説しました。
フェイシャルヨガは何かをしながら短時間でできるので、少し頑張って普段の生活に取れ入れてみてください。
顔色が良くなったり、むくみが取れて小顔になったりする効果が期待できます。
誰でも簡単にできるので、ぜひ試してみてください。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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