はじめに
インターネットが普及して以来、パソコンを使ってのデスクワークが増えています。仕事の効率が良くなる一方で、腰痛に悩む方が増加傾向にあります。デスクワークによる腰痛を防ぐには、仕事環境を整えることが大切です。ここでは、腰痛にならないための対策などを紹介します。
座りすぎによる腰痛の原因
腰にストレスがかかる
パソコンに集中すると一定の体勢を保ったままになります。パソコンなど頭や神経を使うと筋肉が緊張して、腰などにストレスを与えてしまいます。同じ姿勢を保つということは、筋肉の同じ場所に負担がかかっていることになります。
猫背になっている
デスクワークをしている時に、ふと気づくことがあるかと思いますが、気づかぬ間に猫背になっていることがあります。頭が前方に突き出したようになり、背中は丸まっています。猫背の姿勢は肩や腰の筋肉がストレスとなり腰痛の原因となります。
腰が反りかえっている
姿勢に注意して背筋を伸ばしているつもりでも、腰が反りかえった姿勢になり負担になっています。また座っている時の姿勢が斜めに傾いていたり、肩ひじを付いた姿勢も腰痛の原因となります。背もたれに浅く座って足を前に突き出した姿勢も腰痛になってしまいます。
足を組んでいる
足を組む癖のある方は、デスクに座った時でも足を組んでいます。足を組むと片側の腰の筋肉などに負担がかかり腰痛になってしまいます。
血行不良
同じ姿勢を保ち続けていると筋肉が硬くなり血流が悪くなります。血流が悪いと疲労物質なども蓄積されやすくなり腰の筋肉が疲れ腰痛に繋がります。
同じ姿勢での座りすぎによる腰痛の症状
腰痛には「急性腰痛」と「慢性腰痛」があり、痛みの表現もズキズキ痛む、鈍い痛みなどがあります。ぎっくり腰や椎間板ヘルニアなど重い荷物を持ち上げたり、ひねるなど腰を痛めてしまった時が急性の腰痛になります。慢性の腰痛は、痛みが継続していつも腰が重たい感じがします。同じ姿勢で起こるのは、慢性的な腰痛でじわじわとした痛みが続きます。
慢性的な痛みは、怪我とは異なるのでレントゲン検査などを受けても異常なしと言われることがほとんどです。
慢性的な痛みは、怪我とは異なるのでレントゲン検査などを受けても異常なしと言われることがほとんどです。
腰痛を予防する仕事環境の整え方
慢性的な腰痛に悩まされいる方は仕事環境を工夫することで症状が改善することができます。どのようなことに注意すれば良いのかポイントをまとめましたので参考にしてください。
ポイント1.座り方
デスクワークの方は1日中座りっぱなしと言う方がほとんどではないでしょうか。姿勢が悪いと腰に負担がかかり腰痛の原因となります。
座る時は、椅子に深く腰掛けて背中を背もたれにつけます。この時、顎は引いて頭はまっすぐにします。膝は90度で両方の太ももをつけます。足の裏が床につくのが理想の椅子の高さです。
座る時は、椅子に深く腰掛けて背中を背もたれにつけます。この時、顎は引いて頭はまっすぐにします。膝は90度で両方の太ももをつけます。足の裏が床につくのが理想の椅子の高さです。
ポイント2.デスクや画面の高さ
正しい姿勢を保つには、デスクの高さも大切です。現在使ているデスクの高さは適当な高さか、確認してみましょう。肘を机の上に置いた時に直角に曲がっているのが理想の高さになります。
またパソコンの画面が目線と平行になっている確認してください。高すぎたり、低すぎるのも腰に負担がかかります。
またパソコンの画面が目線と平行になっている確認してください。高すぎたり、低すぎるのも腰に負担がかかります。
ポイント3.ストレッチ
1日中座ってばかりでは、腰の筋肉が硬くなってしまいます。適度にストレッチをするなど筋肉を動かすようにしてください。外に出てストレッチする必要はないので、椅子に座ったまま腰を伸ばしたり、両手を伸ばして上下左右にストレッチするだけでも効果があります。
ストレッチを行うことにより筋肉が刺激され血液の流れが良くなります。血流が促進されることで緊張した筋肉がほぐれて腰痛を防ぐことができます。
ストレッチを行うことにより筋肉が刺激され血液の流れが良くなります。血流が促進されることで緊張した筋肉がほぐれて腰痛を防ぐことができます。
ポイント4.適度に歩く
デスクから離れて適度に歩くことは腰痛防止に繋がります。こまめにトイレに行ったり、お茶くみに行くのも良いでしょう。1時間に1回はデスクを離れ、腰を延ばして廊下を歩くのが理想です。またランチタイムは会社の外に出て散歩に出かけるなど、腰痛を予防できるほかリフレッシュにもなります。
ポイント5.丹田(たんでん)
お腹のお臍の下辺りに位置する丹田と呼ばれる場所を刺激することで腰痛を予防できます。丹田のある場所はお臍から指約4本分くらい下にあり、この場所を鍛えることで腰痛を予防できると言われています。
鍛え方ですが、仰向けに寝て空気を吸ってお腹を膨らませます。両足の踵をつけて45度の角度まで両足を挙上して約5秒間この状態を維持します。5秒間姿勢を保ったら、お腹を膨らませたまま、ゆっくりと息を吐きながら両足を下げていきます。呼吸法により自律神経のバランスも整います。
鍛え方ですが、仰向けに寝て空気を吸ってお腹を膨らませます。両足の踵をつけて45度の角度まで両足を挙上して約5秒間この状態を維持します。5秒間姿勢を保ったら、お腹を膨らませたまま、ゆっくりと息を吐きながら両足を下げていきます。呼吸法により自律神経のバランスも整います。
ポイント6. 机の下を確認
机の下に書類や段ボール箱などを置いてはいませんか?机の下に荷物があると足を自由に動かすスペースが少なくなり腰に負担がかかってしまいます。荷物を整理して足が自由になるスペースを確保しましょう。
おわりに
座り過ぎは腰痛の原因となります。デスクワークの多い方はここで紹介した方法を実践して腰痛にかからないようにしてください。また腰痛が辛いという方は整形外科などを受診して問題がないか確認するようにしましょう。
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会