はじめに

最近、こんなことはありませんか?

・髪の分け目が目立つ
・髪にハリやコシが感じられない
・抜け毛が目立つ
・フケが気になる

もし当てはまる場合、それは髪の栄養不足が原因かもしれません。
髪に十分な栄養を与えるための秘訣は、頭皮の血流にあります。

頭皮の血行を改善するための正しい頭皮マッサージの極意を紹介します。

頭皮マッサージとは

頭皮マッサージは、頭皮を刺激して血行を良くすることを目的として行います。
自分の指で行うもの、専用ブラシなどを使用するもの、美容院やエステなどで受けるものなど、さまざまです。

頭皮をマッサージすることで、頭皮の血行が改善されるとともに、ツボ押しによる健康効果も期待できます。

血行と薄毛の関係性

そもそも、薄毛をはじめとする髪のトラブルはどうして起こるのでしょう?

それは、頭皮の血流が十分でなくなってしまうからです。上のイラストのとおり、頭皮にも多くの血管が存在しており、毛根に栄養を送っています。
毛根は、髪の毛のもとになる細胞がある場所です。
髪の毛のタネに十分な栄養が行き渡らなければ、丈夫でハリツヤのある健康な髪には育ちません。

頭皮の血行不良が薄毛などの髪トラブルの原因の主なものなのです。

頭皮マッサージの方法

それでは、さっそく頭皮マッサージの方法を解説します。

準備

頭皮マッサージを効果的なものにするために、大切なことがいくつかあります。

①手を温める
手の温度は特に重要です。冷えた手では十分なマッサージ効果が期待できません。
マッサージ前に手を温めておきましょう。

②爪を切る
爪が伸びていたり割れて尖っていたりすると、頭皮を傷つけてしまう恐れがあります。
ひっかかりのない爪に整えます。

③手を洗う
汚れた手で頭皮マッサージを行うと、毛穴の中に雑菌が入り込んでしまいます。
マッサージは清潔な手で行ってください。

マッサージの基本

頭皮マッサージは力を入れすぎないことが大切です。
ポイントは

・指の腹で押す
・一押しは2~3秒間
・爪を立てない
・あまり力を入れすぎない
・やさしくもむ
・ゴシゴシこするようにしない
・毎日続ける

生え際のマッサージ

生え際のマッサージ方法です。
①生え際に、軽く指を開く程度の間隔で両手の指の腹をおく。
②指の腹でおでこ→頭頂部にむかってゆっくり押し上げる。
③2~3秒キープする。
④指の力は抜かずに、ゆっくりと元の位置に戻す。
⑤上記を10回繰り返す。

頭頂部のマッサージ

頭頂部(つむじ周辺)のマッサージ方法です。
①頭のてっぺんを中心にして5㎝程度の距離を取り、軽く指を開く程度の間隔で両手の指の腹をおく。親指が後頭部のほうにくる位置にする。
②指の腹で頭の中心にむかってゆっくり押し上げる。
③2~3秒キープする。
④指の力は抜かずに、ゆっくりと元の位置に戻す。
⑤上記を10回繰り返す。

側頭部のマッサージ

側頭部(耳の上周辺)のマッサージ方法です。
①耳の上5~10㎝程度の距離を取り、軽く指を開く程度の間隔で両手の指の腹をおく。
②指の腹でゆっくりクルクルと小さな円を描くようにマッサージする。
③上記を10回繰り返す。
④反対回りで10回繰り返す。

効果的なタイミング

毎日行うのがベストな頭皮マッサージですが、より効果を引き出すためのタイミングがあります。

それは、起床後と夜のシャンプー後の2回です。
就寝中は体の動きがあまりないため、頭皮の血流も悪くなっています。ヘアメイクの前に頭皮マッサージを行いましょう。
また、夜は日中の疲れで頭皮の血流も滞りがちです。シャンプーをして毛穴の汚れを取り除いた後は、頭皮も清潔で温まった状態にあります。そこで頭皮マッサージをすると、より効果を高めることができるのです。

薄毛に効くツボ

頭皮マッサージを行うとき、頭にあるツボを刺激することで、結構改善効果を高める効果があります。髪の健康に効果的なツボを紹介しましょう。

百会(ひゃくえ)

頭のツボの代表格です。
頭皮の血行改善だけでなく、頭痛や不眠などにも効果があるとされています。
百会は、頭頂部の中心に位置しています。両耳と頭頂部、鼻筋と頭頂部を結んだところにあります。

頭頂部のマッサージの時に一緒に刺激してみましょう。

通天(つうてん)

通天は、血行改善や頭痛に効果があるツボです。
百会の位置から、指1本分生え際で指2本分耳側の位置にあります。左右両方に存在します。

頭頂部のマッサージの時に一緒に行います。

角孫(かくそん)

角孫は、疲れ目などにも効果が期待できるツボです。
両耳のすぐ上の生え際、目の高さの位置にあるくぼんだ場所が角孫です。

左右両方にありますから、側頭部のマッサージの時に刺激しましょう。

薄毛を促進させてしまう間違った頭皮マッサージ方法

頭皮マッサージは、正しい方法で行わないと効果が期待できません。それどころか、間違った方法で行うとかえって薄毛を悪化させてしまうリスクがあるのです。

あなたはこんなことをしていませんか?

力いっぱいギューギュー押す

頭皮には非常に多くの毛細血管が存在しています。あまり力を入れすぎると、毛細血管が傷ついてしまい、かえって血行が悪くなってしまいます。

気持ちいいと感じる程度の力で優しくゆっくりとマッサージしましょう。

普通のブラシなどで強めにとんとん叩く

頭皮マッサージ専用ではない、普通のヘアブラシなどを使用するのはNGです。刺激が強すぎて頭皮や血管を傷つけてしまいます。

ブラシを使用する場合は、マッサージ専用のやわらかいものをご用意ください。

指先で押す

頭皮マッサージの基本は、指先ではなく指の腹を使用します。指先は面積が狭いため、力がかかりすぎてしまうことが多いのです。
また、爪が頭皮を傷つけてしまう場合も考えられます。

クッション性が高く面積も広い指の腹で、優しくもみましょう。

髪の上から押す

髪をかきわけてしっかり地肌を触って行ってください。髪の上から行うと、正しい場所を刺激できなかったり髪を痛めたりしてしまいます。

おわりに

頭皮の血行をよくすることで、髪を元気にしてくれる効果を持つのが頭皮マッサージです。即効性は期待できませんが、毎日コツコツ続けることで、丈夫で美しい髪質に改善することができます。

頭皮マッサージは1回数分で終わる簡単なものです。リラックス効果もありますから、毎日のヘアケアに取り入れてみてはいかがでしょうか?

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

関連する記事

関連するキーワード

著者