筋トレとは

筋力トレーニングとは、筋肉が発揮する力や力の持続時間を高めること、筋肉そのものを大きくすることを目的とした運動を示します。
また、筋力は筋肉の断面積と関与する神経の多さに比例して強くなります。
一言で筋力トレーニングと言っても、様々な種類があります。
いわゆる筋力トレーニング全般を「レジスタンス・トレーニング」と呼びます。
その中でもダンベルやマシンなどを使ってトレーニングすることを「ウエイト・トレーニング」と呼びます。

筋トレで筋肉が大きくなるメカニズム

私たちヒトの身体を支え、骨格を覆い,体幹や体肢の姿勢や運動にあずかる筋肉を「骨格筋」といいます。骨格筋は細い細胞が束になって線維状になったものです。
この一本の束を「筋線維」と呼び、数ミリ~数センチの長さになるものもあります。
また、筋肉が大きくなる過程で重要な細胞に「筋サテライト細胞」と呼ばれるものがあります。
この細胞は、筋細胞の表面にくっついている小さな細胞です。
いつもは何の働きもしないで眠ったような状態ですが、トレーニングなどによって筋線維が傷つくと、目を覚ましたかのように活性化します。
活性化した筋サテライト細胞が集まると、筋線維の元となる「筋管」を構成し、その筋管が育つことで新たな筋線維になるという性質があります。

要するに、運動やトレーニングによって筋肉が傷つくと、修復の過程で筋細胞が増え、筋肉が大きくなるメカニズムになっているのです。
そのため、筋力を高めるには、トレーニングだけでなく休息が必要なのです。

毎日筋トレをやってはいけない理由

先ほども述べたように、傷ついた筋線維が修復される過程で新たな筋線維が形成されるため、トレーニングだけでなく、十分な休息が必要です。
毎日、同じ部分のトレーニングやってしまうと、傷ついた組織が修復される前に負荷がかかるため、やがて違和感や痛みを生じ、怪我や故障に繋がる可能性があります。
そのため、同じ部位のトレーニングは毎日やらないことをおすすめします。

毎日できる筋トレ

筋力トレーニングは毎日やらない方がいいとお伝えしましたが、日によって鍛える部分を変えることで、毎日トレーニングを行うことは可能です。
例えば上半身と下半身に分けたり、パワー系とコア・体幹系に分けたり、多関節と単関節に分けたりすることで、一つの部位に継続的に負荷がかかることを避けることができます。

筋力トレーニングメニュー例

毎日トレーニングできるメニューの一例をご紹介します。

月曜日:下半身(スクワット、デッドリフト)
火曜日:上半身(ベンチプレス、リストカール)
水曜日:下半身(カーフレイズ、ランジ)
木曜日:上半身(シットアップ、ラットプルダウン)
金曜日:下半身(ヒップアダクション、ヒップアブダクション)
土曜日:上半身(サイドレイズ、アームカール)
日曜日:関節を動かさない体幹などのコアトレーニング

上記のように日によって鍛える部位を変えることで、毎日トレーニングをすることができます。
コアトレーニングを完全休息に変えて、回復時間を設けても良いでしょう。
または、月曜日は下半身の追い込み、火曜日は完全休息、水曜日は上半身の追い込み、木曜日は完全休息、金曜日は下半身の追い込み……と1日おきに完全休息を挟む方法もあります。

さらに、筋肉のつき方や作用の仕方を詳しく勉強し、複数の動きをする筋肉をそれぞれの作用ごとにトレーニングする方法もあります。
例えば、腹筋群は腹直筋、腹斜筋、腹横筋という3つの筋肉から構成さており、それぞれの筋肉に対してトレーニングする方法が異なります。それらをきちんと理解し、メニューに組み込むことでトレーニング方法は無限に広がっていきます。

1ヵ月以上同じメニューでトレーニングをしても効果がない場合は、一部分のプログラム変更をおすすめします。
1つのトレーニングを長期間続けていても飽きてしまいますし、怪我をするリスクも高まります。
解剖的に自分の身体のことを十分に理解したり、定期的にトレーニングメニューを更新したり、しっかり休息を設定しながら自分にあったトレーニング頻度で継続したりすることが結果を出す近道です。

おわりに

いかがだったでしょうか?トレーニングをただやるのではなく、計画的に部位を分けたり、休息を入れることでより効果を高められることがわかったと思います。
またケガの予防にもなりますので、タイミングや負荷も都度調整できるようにしましょう。
その日の調子を自分自身で把握できるようになることも重要です。

是非みなさんも、自分の身体のことを追究し、自分の身体が変わることの楽しさを感じてみてください。
自分に合ったメニューを見付けて怪我のないよう、安全に筋力トレーニングに挑戦してみましょう。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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