O脚対策ストレッチとは

O脚とその原因とは?

O脚とは、左右の足をつけてまっすぐに立った状態でも左右の膝がつかずに離れている状態を言います。
両足全体の見た目がO字のようである状態であることからO脚と言われています。

生理的なO脚になる原因は、先天的なものもありますが、それ以外の多くは主に筋力の低下や生活習慣が関係すると考えられます。
男性に比べて筋力が弱い女性の中でも特に運動不足の方は、太ももの前面やお尻など歩いたり走ったりする際に重要な抗重力筋(太ももやお尻、体幹の筋肉)が低下している可能性があります。

そうすると、それらの筋力をあまり使わない立ち姿勢や、体にとって不効率な動きが多くなります。

そのような姿勢の中で、「反張膝」と呼ばれる、膝が後面に反り返って立っている状態で立っている場合があります。
その時に、多くの方は腹筋も緩んでいたり骨盤の前傾が強くなっていたりと体が本来の強さを発揮できない状態になっていることがあります。

股関節は内旋し(内側に捻られ)、左右のお皿が内側に向き合った形になっていたり、その逆で股関節が外旋しガニ股になってしまう方もいます。
O脚にもそれぞれのタイプがあるので、まずは状態をしっかり把握することが重要です。
膝の関節に問題を抱えている場合もありますが、多くは股関節や骨盤から不安定になっている場合が多いです。

これがO脚になるメカニズムです。
さらに現代の日本においては、膝同士をくっつけて足を外にだして座るぺたんこ座りや内股の方が女性らしいという習慣も、上に述べたような姿勢を作りやすくし、O脚につながります。

普段の生活習慣や動作がO脚に繋がってしまうことがあるのです。

O脚対策ストレッチとは?

O脚の状態で日々生活していると、太ももの前面(内転筋、大腿四頭筋、恥骨筋など)や外側(大腿筋膜張筋など)、股関節周囲の筋肉が硬くなったり、骨盤が前に傾いた状態で固まってしまい、必要な関節や筋肉の動きが少なくなってしまいます。

O脚を矯正するためには、まずそれらの部位をストレッチして柔らかくし、O脚が戻りやすい環境を作り出すことが大切です。
そこで、今回はO脚を修正するために是非やっておきたいストレッチを集めてみましたのでご紹介します。

O脚対策とストレッチのやり方

大腿筋膜張筋のストレッチ

大腿筋膜張筋とは、ウエストの少し下の高さにあり自分で骨盤を触ることのできる突起(上前腸骨棘)から始まり、股関節と太もも(大腿部)外側を通過し、そのまま腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)という大きな靭帯に移行して膝の外側まで走行します。
主に股関節を外に開いたり(外転)、前に振りだしたり(屈曲)するときに使われる筋肉です。
この大腿筋膜張筋が硬くなると、股関節の外転方向に引っ張られた状態になってしまうため、O脚を助長してしまいます。

1.壁や椅子などすがることのできるもののそばに横向きに立つ。
2.壁に近い方の足を一歩後ろに引き、反対の足の後ろを通して反対側へ足を伸ばす。さらに股関節を内転方向(内側の方向)にもっていくために身体は壁や椅子によりかかるように倒して手で支える。
3.後ろに引いた足の股関節の外側(大腿筋膜張筋の場所)に伸張感を感じたらそのまま静止する。

呼吸は止めずに、ゆっくりと深呼吸してリラックスするように心がけましょう。

大腿四頭筋(大腿直筋)のストレッチ

大腿四頭筋は、太ももの前面にある大きな筋肉です。大腿筋膜張筋の付いている上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)の少し下にある骨盤の突起(下前腸骨棘)から始まり、太ももの前面を降下し、膝のお皿の骨(膝蓋骨)につき、その下で膝蓋腱となってすね(脛骨)の骨の上方(脛骨粗面)に付きます。
膝を伸ばすこと、股関節を前に振り出すことで主に作用しているので、立ち上がったり、歩いたりする際に重要な筋肉になります。

1.膝を伸ばして仰向けに寝て、ストレッチしたい方の膝のみを曲げる。
2.正座するときのように膝を曲げる。足は横に出してもよいです。ただし、膝が外に開いているときちんとストレッチできないので、左右の膝を近づけるように股関節は閉じておきましょう。また、完全に寝ていると膝が浮いてしまう場合は、身体の後ろで床に手をついて身体を支えることで倒す角度を調節するのもよいです。
3.曲げた方の太もも前面に伸張感を感じたらそのまま静止してストレッチします。

腸腰筋のストレッチ

腸腰筋は腰椎の横突起や骨盤の前面から始まり、降下して大腿骨の内側の付け根(主に小結節)についています。もも上げの動きを作ったり、股関節を曲げることに作用していますが、腸腰筋が硬くなってしまうと骨盤を前に引っ張り、前傾が強くなりすぎてしまいます。
足は骨盤と大腿骨からなる股関節から始まるので、骨盤の位置が正しくないと、下半身における骨格の配置がずれてきてしまいます。
まっすぐな足を形成するためには、腸腰筋の柔軟性も重要な要素になります。

1.直立姿勢からストレッチする方と反対の足を大きく一歩前にだす。
2.踏み出した方の膝は曲げ、後ろになった方の足は徐々に付け根が伸ばされるようにそのまま腰を落としていきます。このとき、上半身は前に傾くことなく姿勢はまっすぐに保つようにしましょう。
3.後ろになっている方の股関節の前側に伸張感を感じたらそのまま静止してください。

下腹部の奥に伸びる感覚を感じれると効果が出やすいです。

骨盤の動き作りと周囲のストレッチ

下半身の骨格を整えるために骨盤の位置が重要であることは前述しましたが、骨盤の動きは手足などの関節に比べて感覚を掴むのが難しく、分かりにくいため自分で意識した動きを出すのが困難です。
そこで骨盤の動きに意識を集中させ、骨盤を動かす練習になる運動をご紹介します。

1.肩幅に開いた両手が肩関節の真下に、骨盤の幅に開いた両膝が股関節の真下にくるようにして、床に両手両足をついた四つ這いになります。
2.手足の位置は変えずに、背骨から骨盤の動きだけで腰を丸めながら骨盤を後傾させたり、腰を反らせて骨盤を前傾します。この動作を少しずつできる限り大きく、ゆっくりと繰り返します。

骨盤周囲が気持ちよく伸びて動いていく感覚を掴みましょう。

О脚対策ストレッチのコツ

O脚対策ストレッチがより効果的になるためにストレッチのコツをご紹介します。

ゆったりとした呼吸で20~30秒静止する

O脚対策ストレッチにかかわらず、ストレッチによって筋肉の伸張性を高めたいときには、ストレッチの肢位で20~30秒静止します。
時間が短すぎたり、反動を使ってストレッチを行うと筋肉が十分に伸張できず効果が十分に得られません。
また、ストレッチ中に呼吸を止めてしまうと身体に力が入ってしまい、筋肉が伸張できませんのでゆっくりとした呼吸を続けましょう。

朝と夜に行う

ストレッチを行うタイミングはそれぞれの生活スタイルに合わせて構いませんが、おすすめは朝起きてから活動を開始する前と、夜お風呂に入った後です。
活動を開始する前にストレッチを行うと、その後一日中身体が動かしやすくなり、効率的な動作を行うことができます。
また、入浴後は身体が温まって血流がよくなることで筋肉を伸ばしやすい状態なので硬くなっている筋肉も柔軟性を高めやすくなっています。

歩き方も気を付ける

せっかくO脚対策ストレッチを行っても、歩き方やその他の日常生活動作の中で、O脚を助長するような動き方をしてしまっては意味がありません。
そこで、まずは歩き方から気を付けてみましょう。
骨盤を正しい傾きにし、足をまっすぐに伸ばして歩くために天井から頭を糸でつられている気持ちで少し上に引き上げ、軽く胸を張ります。
また、肩のラインや骨盤の高さが左右に大きく揺れないようにし、股関節をしっかりと動かしながら歩きましょう。

О脚対策ストレッチの効果

まっすぐな美脚に近づく

O脚を修正するためのストレッチを行うことで、より理想的なまっすぐな足に近づくことができます。
女性なら誰もが憧れるまっすぐな足を手に入れることで、スカートなど足を出すことに対して自信を持つことができ、おしゃれの幅が広がったり、自分自身への自信にもつながります。

部分痩せ効果

人間の身体は筋肉を使うことで、その周辺の皮下脂肪が燃焼します。
しかしO脚の方の場合、前に述べたように筋肉を効率的に使えない状態による立ち方をしていますので、お尻の筋肉や太もも前の筋肉が通常よりも機能しておらず、脂肪がたまりやすくなってしまいます。
逆に言えば、O脚を修正することによって再び筋肉を使いやすい環境になりますので、脂肪が燃焼しやすくなり、部分痩せ効果も期待できます。

歩行効率が上がる

O脚を修正すると、歩行時に振り出す足や地面を蹴る足がまっすぐに伸びているため力の伝達に無駄がなくなり、歩幅や推進力といった歩行効率が上がります。
見た目にも無駄のない歩行に近づきます。
かっこよく健康的に歩けるように、O脚を改善しましょう。

変形性膝関節症予防効果

O脚の方の場合、大腿骨と脛骨で形成されている膝関節のうち、外側よりも内側に大きな圧がかかり続けることになります。
その結果、内側の軟骨ばかりがすり減り、変形性膝関節症になるリスクが高まってしまいます。
歳を重ねても健康に自分の足で歩き続けるためにも、O脚は早い段階で治しておきましょう。

おわりに

今回はO脚のメカニズムやその対策ストレッチについての方法や効果などを詳しくご説明しました。
姿勢や骨格の修正は短期間では十分な効果が得られませんが、継続して行うことで健康的で美しい姿勢や動作を手に入れることができます。

O脚の原因が今回ご紹介したメカニズムとは異なる場合があります。
そのような場合には、修正方法も変わってくる場合がありますので、気になられる方は整形外科や治療院など専門機関でご相談いただければと思います。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

関連する記事

関連するキーワード

著者