はじめに

人間の体は異物が体内に入ってくると、それに対する抗体を作り異物を除去しようとします。
その反応が必要以上に強く出現し、人間にとって障害となるような状態になることをアレルギーと言います。
特に胃腸の機能が未発達な幼少期は、色々な食品にアレルギー反応を起こしやすいのですが、その中でも多いのが卵アレルギーです。
そこで今回は、卵アレルギーについて原因や症状、治療方法や注意すべき食品についてまとめました。

卵アレルギーの原因

卵アレルギーの原因は卵に含まれるたんぱく質であるとされています。
その中でも、卵白に含まれる『オボアルブミン』や『オボムコイド』という成分が主な原因になるとされており、これらに対して体内で抗体を産生することによりアレルギー症状が発生します。

卵アレルギーの症状

食物アレルギーによる症状は全身に発生することがあり、症状の出方や程度は人によって様々です。アレルゲンが口に入ってから2時間以内に症状が現れます。
ここでアレルギー症状について詳しく説明していきます。

1. 皮膚症状

蕁麻疹や痒みを伴う湿疹を生じることが多くあります。
瞼や唇が腫れるといった粘膜の症状を伴うこともあります。

2. 呼吸器症状

咳、喘鳴などをはじめ、重篤な場合には呼吸困難に陥ることもあります。

3. 消化器症状

腹痛、下痢や血便、嘔吐などの症状が現れます。
また、アレルギー症状が非常に強く出現した場合、『アナフィラキシーショック』というショック状態に陥り、急激な血圧低下、頻脈、意識消失など重篤な症状が出現することもあります。

卵アレルギーの治療法

食物アレルギーの治療には大きく分けて二つの方法があります。
1. 耐性獲得
アレルギーのある食材であっても、少量ずつ食べながら慣らしていくことで耐性を獲得し、アレルギー症状なく食べることができるようになっていきます。
幼少期の場合は成長とともに胃腸の機能も発達していきますので、軽度のアレルギーであれば量を調節しながら徐々に食べているうちに克服できる場合もあります。

2. 抗原除去
アレルギー反応が強い場合は、抗原となっている食材を一定期間除去することでアレルギーを改善していきます。
抗原を除去する期間は1~2年など医師と相談しながら決定していきますが、一定期間を過ぎた後は、前に述べた耐性獲得の要領で、アレルギー反応のでない量から抗原となる食材を徐々に慣らしていきます。

治療の方法については独自での判断ではなく、必ず医師への相談に基づいて行って下さい。

1. 耐性獲得

アレルギーのある食材であっても、少量ずつ食べながら慣らしていくことで耐性を獲得し、アレルギー症状なく食べることができるようになっていきます。
幼少期の場合は成長とともに胃腸の機能も発達していきますので、軽度のアレルギーであれば量を調節しながら徐々に食べているうちに克服できる場合もあります。

2. 抗原除去

アレルギー反応が強い場合は、抗原となっている食材を一定期間除去することでアレルギーを改善していきます。
抗原を除去する期間は1~2年など医師と相談しながら決定していきますが、一定期間を過ぎた後は、前に述べた耐性獲得の要領で、アレルギー反応のでない量から抗原となる食材を徐々に慣らしていきます。
治療の方法については独自での判断ではなく、必ず医師への相談に基づいて行って下さい。

卵アレルギーに注意が必要な食品とは

鶏卵はアレルギーを引き起こしやすい食材の一つですが、鶏卵の中でも口にする部分や調理方法によってアレルギーを起こす強さが異なります。
一般的に卵黄に比べて卵白の方がアレルギー性が強く、卵黄の場合は加熱処理したものよりも生のものの方がアレルギー性が強いとされています。
ここでは、卵を含む主な食品の中からアレルギーに対する注意の必要性が高い順にご紹介します。



1. 生卵に近いもの

生卵そのものはもちろん、マヨネーズ、アイスクリーム、メレンゲに含まれる卵は生に近い状態ですので、アレルギー性は高いと考えられます。

2. 半熟卵を含むもの

オムレツやスクランブルエッグといった卵料理のほかにも、お好み焼きやたこ焼き、かつ丼の卵とじなどは中の卵が半熟状態であることが多々あります。
生卵に比べるとアレルギー性は低くなりますが、十分注意が必要です。

3. 完熟卵を含むもの

卵焼き、茶わん蒸しなどに使用されている卵は完全に加熱されている状態ではありますが、卵白と卵黄のどちらも含むうえ、卵の使用量も多いのでアレルギーがある場合は注意が必要です。

4. 卵を含む料理やお菓子

ハンバーグはものによりますが、卵を含んでいるものも多々あります。外食などの際には注文する際に確認するとよいかもしれません。
また、天ぷらやとんかつの衣は卵を含んでいますが、忘れがちな料理です。
洋菓子ではケーキやカステラ、クッキーが卵を含んでいることが多いですが、最近では卵不使用のものも販売されていますので、確認してみるとよいでしょう。

5. 卵をつなぎに使った食品

つなぎとして卵を使用している食品については知らない人も多く、知らないうちに卵を口にしてしまうこともありますので注意が必要です。
そのような食品には、ウインナー、ちくわ、かまぼこなどがあります。

おわりに

食物アレルギーは多くの方が経験することであり、卵アレルギーは幼少期では特によく見られます。

色々な料理やお菓子に含まれる食材ですので、不自由さを感じることもあるかもしれませんが、正しい治療を行うことによって治るものもたくさんあります。

ですからアレルギー症状が疑われるには、早期にアレルゲンとなる食材を特定し、治療を早く行えるようにかかりつけの医師の診察を受けるようにしてください。

監修 

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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