水中ウォーキングの5つのメリット
1. 浮力で腰や膝への負担を軽くする
水中では重力と反対の方向に作用し、身体にかかる体重を軽減してくれる『浮力』があります。
太ももまで水に入ると体重の80%、胸の位置では体重の30%、首まで入ると体重の10%しか負荷がかかりません。
このように、浮力によって腰や膝への負担が減るため、関節に痛みがあったり、損傷していたりする方でも、安全に運動することができます。そのため、水中ウォーキングは医師から推奨される運動の一つになっています。
太ももまで水に入ると体重の80%、胸の位置では体重の30%、首まで入ると体重の10%しか負荷がかかりません。
このように、浮力によって腰や膝への負担が減るため、関節に痛みがあったり、損傷していたりする方でも、安全に運動することができます。そのため、水中ウォーキングは医師から推奨される運動の一つになっています。
2. 水の抵抗で効率よく脂肪燃焼
水の密度は空気の約800倍あり、水中では陸上の12~15倍の抵抗を受けます。そのため、筋力への負荷が増します。
陸上と比べて水中でのウォーキングは、太ももの筋群やすねの前側の筋肉の活動が、大きく増加することが知られています。
これらの筋群は身体の中でも大きいサイズの筋肉のため、エネルギー消費も大きくなります。そのため、水中ウォーキングでは、脂肪燃焼などのダイエット効果が陸上でのウォーキングより期待できます。
陸上と比べて水中でのウォーキングは、太ももの筋群やすねの前側の筋肉の活動が、大きく増加することが知られています。
これらの筋群は身体の中でも大きいサイズの筋肉のため、エネルギー消費も大きくなります。そのため、水中ウォーキングでは、脂肪燃焼などのダイエット効果が陸上でのウォーキングより期待できます。
3. 水圧で心肺機能が高まる
水中では水圧を感じるため、胸などに圧迫感を生じます。水深が深いほど水圧は強く、首まで水に浸かると、肺活量は陸上にいる時よりも9%減少します。
そのため、陸上でのウォーキングより肺活量の強化にも効果が期待できます。
さらに、水中で立つと上半身より下半身に多くの水圧がかかります。血管にも圧力がかかり、静脈血が心臓に戻りやすくなるため、心臓が1回収縮する時に送り出せる血液量が増えます。
すると、同じ運動をしても、陸上より心拍数が約10拍/分ほど低くなります。この事実を踏まえると、陸上より水中でのウォーキングの方が心臓への負担は少ないのかもしれません。
そのため、陸上でのウォーキングより肺活量の強化にも効果が期待できます。
さらに、水中で立つと上半身より下半身に多くの水圧がかかります。血管にも圧力がかかり、静脈血が心臓に戻りやすくなるため、心臓が1回収縮する時に送り出せる血液量が増えます。
すると、同じ運動をしても、陸上より心拍数が約10拍/分ほど低くなります。この事実を踏まえると、陸上より水中でのウォーキングの方が心臓への負担は少ないのかもしれません。
4. 冷たい水中で代謝が活発になる
水温にもよりますが、プールに入っているだけで多くの熱が身体から奪われていきます。身体は熱の損失を防ぐために皮膚血管を収縮させるので、血液循環や代謝が活発になります。
その結果、陸上にいる時よりも、多くのエネルギーを消費することになります。これが水中でのウォーキングがダイエットに良いと言われるもう一つの理由です。
その結果、陸上にいる時よりも、多くのエネルギーを消費することになります。これが水中でのウォーキングがダイエットに良いと言われるもう一つの理由です。
5.運動が苦手でもできる
水中ウォーキングは運動が苦手、泳げないという方でも行うことができます。水中で歩くというシンプルな運動のため、老若男女問わず始められるでしょう。
また、スイミングスクールやスポーツジムのクラスでは、他の参加者と大勢で楽しく実施することができます。ジム仲間ができれば、軽い会話をしながらウォーキングを楽しんだり、お互いにモチベーションを高めあったりすることができるでしょう。
また、スイミングスクールやスポーツジムのクラスでは、他の参加者と大勢で楽しく実施することができます。ジム仲間ができれば、軽い会話をしながらウォーキングを楽しんだり、お互いにモチベーションを高めあったりすることができるでしょう。
水中ウォーキングのメニューの作り方
水中ウォーキングのメニュー作りでは、『運動時間』が重要になってきます。十分な運動時間を確保し、ご自身の体力に合わせてメニューを組みましょう。
ここでは、初級と中級のメニューをご紹介します。
ここでは、初級と中級のメニューをご紹介します。
水中ウォーキングの時間
アメリカスポーツ医学会では、身体活動レベルを高めるためには、『毎日30分以上の中強度運動』を実施することを推奨しています。
運動習慣がない方や運動が苦手な方は難しいと感じるかもしれませんが、休息を挟みながらでも大丈夫です。休憩時間を抜いた合計の運動時間が30分であれば、連続して30分運動した時と同じか、それ以上の運動効果が期待できることが研究で示唆されています。
そのため、まずは『合計30分以上行うこと』と『無理をせずに、短い休憩を入れること』の2つを守りながら、水中ウォーキングをしましょう。慣れてきたら、少しずつウォーキング時間を増やせるようにしていくと良いでしょう。
運動習慣がない方や運動が苦手な方は難しいと感じるかもしれませんが、休息を挟みながらでも大丈夫です。休憩時間を抜いた合計の運動時間が30分であれば、連続して30分運動した時と同じか、それ以上の運動効果が期待できることが研究で示唆されています。
そのため、まずは『合計30分以上行うこと』と『無理をせずに、短い休憩を入れること』の2つを守りながら、水中ウォーキングをしましょう。慣れてきたら、少しずつウォーキング時間を増やせるようにしていくと良いでしょう。
【初級メニュー】
① ウォーミングアップ 5~10分間
運動前は少しリズムを付けて伸ばすストレッチを行いましょう。
② 歩行 20分間
陸上でのウォーキングのように真っ直ぐに歩きます。休憩を1回挟んで10分間を2回に分けても良いです。
③ 横歩き 10分間
ゆっくりと大きく動きます。
④ クーリングダウン 5~10分間
リズムをつけず、ゆっくりとストレッチを行います。
運動前は少しリズムを付けて伸ばすストレッチを行いましょう。
② 歩行 20分間
陸上でのウォーキングのように真っ直ぐに歩きます。休憩を1回挟んで10分間を2回に分けても良いです。
③ 横歩き 10分間
ゆっくりと大きく動きます。
④ クーリングダウン 5~10分間
リズムをつけず、ゆっくりとストレッチを行います。
【中級メニュー】
① ウォーミングアップ 5~10分間
運動前は少しリズムを付けて伸ばすストレッチを行いましょう。
② 歩行 10分間
陸上でのウォーキングのように真っ直ぐに歩きます。
③ 大股歩き 10分間
歩幅を少し大きめに足を出して歩きます。
④ 膝上げ歩き 10分間
大きく膝を持ち上げて歩きます。
⑤ 歩行 10分間
⑥ クーリングダウン 5~10分間
リズムをつけず、ゆっくりとストレッチを行います。
運動前は少しリズムを付けて伸ばすストレッチを行いましょう。
② 歩行 10分間
陸上でのウォーキングのように真っ直ぐに歩きます。
③ 大股歩き 10分間
歩幅を少し大きめに足を出して歩きます。
④ 膝上げ歩き 10分間
大きく膝を持ち上げて歩きます。
⑤ 歩行 10分間
⑥ クーリングダウン 5~10分間
リズムをつけず、ゆっくりとストレッチを行います。
水中ウォーキングの歩き方
水中ウォーキングは基本となる姿勢が重要です。以下の3つのポイントに気を付けて歩くようにしましょう。
・顎を少し引く
・背筋を伸ばす
・大きな歩幅で歩く
頭のてっぺんから紐で引っ張られるような感覚を意識すると自然に背筋が伸びます。
この3つの基本ポイントは、真っ直ぐに歩く時だけでなく、『横歩き』や『膝上げ歩き』の時にも意識しましょう。最初はこの姿勢も少し難しいかもしれませんが、慣れるまでは注意して行いましょう。
・顎を少し引く
・背筋を伸ばす
・大きな歩幅で歩く
頭のてっぺんから紐で引っ張られるような感覚を意識すると自然に背筋が伸びます。
この3つの基本ポイントは、真っ直ぐに歩く時だけでなく、『横歩き』や『膝上げ歩き』の時にも意識しましょう。最初はこの姿勢も少し難しいかもしれませんが、慣れるまでは注意して行いましょう。
水中ウォーキングの注意点
呼吸系の疾患に注意する
水中では水圧により胸部が圧迫されるため、肺に入る空気の量が減少します。このため呼吸不全の強い方には注意が必要です。水中ウォーキングを行っても大丈夫か、必ず医師に相談しましょう。
血圧に気を付ける
中高齢者の場合、陸上より水中での血圧が高くなる傾向があるようです。高血圧症や生活習慣病のある方は、実施前に必ず医師に相談しましょう。
筋肉に負担をかけ過ぎない
水中では浮力があるので、関節にかかる体重の負担や運動の衝撃は少なくなります。しかし、筋肉に対する負荷は、逆に陸上よりも増えます。水中ウォーキングだから怪我をしないと過信せず、しっかりと準備運動をして筋肉を損傷したり、怪我をしたりしないように気を付けましょう。
おわりに
水中ウォーキングのメリット、メニューの作り方や歩き方を解説しました。
水中ウォーキングに関しては、多くの研究が行われ、水中で動くことでの健康効果が分かってきています。
泳げなくても、年齢を重ねても自分のペースで楽しめるので、興味のある人は是非挑戦してみてください。
水中ウォーキングに関しては、多くの研究が行われ、水中で動くことでの健康効果が分かってきています。
泳げなくても、年齢を重ねても自分のペースで楽しめるので、興味のある人は是非挑戦してみてください。
参考文献
1. 水中トレッドミル歩行時の呼吸循環機能ならびに下肢筋活動に及ぼす水位の影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16】
研究者:渡辺一志, 宮側敏明, 藤本繁夫
発行元:信州大学 産学連携情報提供支援データベース
該当するページ:252~259
2. Physical activity and public health. A recommendation from the Centers for Disease Control and Prevention and the American College of Sports Medicine. (1995)
著者:Pate RR, Pratt M, Blair SN, Haskell WL, Macera CA, Bouchard C, Buchner D, Ettinger W , Heath GW , and King AC
発行元:NCBI National Center for Biotechnology Information (PubMed)
該当する章:JAMA, 273: 402–407
3. Enhancement of fat metabolism by repeated bouts of moderate endurance exercise.(2007)
著者:Goto K, Ishii N, Mizuno A, Takamatsu K.
発行元:NCBI National Center for Biotechnology Information (PubMed)
該当する章:J. Appl. Physiol., 102: 2158–2164.
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16】
研究者:渡辺一志, 宮側敏明, 藤本繁夫
発行元:信州大学 産学連携情報提供支援データベース
該当するページ:252~259
2. Physical activity and public health. A recommendation from the Centers for Disease Control and Prevention and the American College of Sports Medicine. (1995)
著者:Pate RR, Pratt M, Blair SN, Haskell WL, Macera CA, Bouchard C, Buchner D, Ettinger W , Heath GW , and King AC
発行元:NCBI National Center for Biotechnology Information (PubMed)
該当する章:JAMA, 273: 402–407
3. Enhancement of fat metabolism by repeated bouts of moderate endurance exercise.(2007)
著者:Goto K, Ishii N, Mizuno A, Takamatsu K.
発行元:NCBI National Center for Biotechnology Information (PubMed)
該当する章:J. Appl. Physiol., 102: 2158–2164.
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会