はじめに

健康やダイエット、ストレス解消のために運動を始めたいと思っていながら、どんな運動をいつ始めればいいのか分からず一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか?

そこでおすすめするのが朝のランニングです。ランニングは有酸素運動にあたり、朝の有酸素運動は運動中だけでなく運動後にもよい効果が持続します!今回は朝のランニングのメリットやコツをご紹介します。

朝のランニング(有酸素運動)の魅力とは

朝起きて早々にランニングをすることを考えると、なかなか重たい腰があがらない方もいらっしゃることでしょう。しかし、朝はきれいな空気が吸えて気持ちがすっきりしたり、陽が高くあがっていないので紫外線の心配が少ないことなど運動をするにはもってこいのコンディションなのです。

また、朝のランニングのあとは心地の良い空腹感があり、朝食の満足度が上がります。他にもこのあと述べるような身体にとってのよい効果がたくさんあり、一度その良さを知るとやみつきになる方も多いほど朝のランニングは魅力的なのです。

朝のランニング(有酸素運動)のメリット

朝ならではの有酸素運動のメリットをご紹介します。

1. 運動中の脂肪燃焼効果が高い

通常、有酸素運動を行うとまず血液中の糖がエネルギー源として使われてから徐々に身体に蓄えられた脂肪が燃焼され始めます。しかし、朝食前は健全な生活リズムの人であれば一日の中で最も空腹で血液中の糖が少ない状態なので、早い段階で脂肪をエネルギー源として使うことができます。結果として、昼や夜と同じ量の運動をしても脂肪を燃焼する効果が高くなります。

2. 一日中代謝の高い状態でいられる

運動後は、基礎代謝が高い状態が続いています。夜運動してすぐに就寝してしまうのではなく、朝起きたてに運動を行ってその後の活動を行うと、運動中以外も消費カロリーも増やすことができます。

3. 交感神経が優位になり活動性が高まる

運動を行うと交感神経が優位になります。朝起きてから早い段階で交感神経が優位になるので、身体にエネルギーがみなぎり、仕事や勉強のペースがあがります。

4. 血流がよくなり脳の働きがよくなる

運動によって身体の血流が良くなると、脳の血流も良くなります。脳の血流が良くなると思考力や判断力、記憶力があがります。テスト勉強や大切な会議の前であっても、疲れ切ってしまわない程度の適度な有酸素運動は大変おすすめです。

5. ストレス解消、精神安定につながる

人間の身体にはセロトニンという神経伝達物質があり、不足するとネガティブな思考になったり、イライラしたりしてしまいます。セロトニンは太陽の光を浴びることで増えるので、朝のランニングによって日中の精神安定につながったり、日々のストレスを解消することができます。

6. 生活リズムが安定する

毎朝決まった時間に起きて、ランニングをする習慣をつけると心も身体もすっきりし、そのあとの時間も有効に活動することができます。休みの日などたまには朝寝坊するのもよいですが、朝の運動習慣がつくと目覚まし時計がなくても勝手に目覚められるようになり、生活リズムが安定してきます。

朝のランニング(有酸素運動)のコツ

朝のランニングをより健康的に行っていただくために注意していただきたい点を説明します。

1. 軽くエネルギー補給をしてから運動すること

朝の有酸素運動のメリットとして、空腹であり脂肪燃焼効果が高いことをあげましたが、あまりに空腹すぎると気分よく体を動かすことができなかったり、低血糖になってめまいやふらつきを起こしてしまうことがあります。

また、身体がエネルギー不足を感知して逆に脂肪をため込むように反応してしまうこともあります。バナナやヨーグルトなど消化がよく、軽くエネルギーを補給できるものを口にしてから運動を開始するようにしましょう。

2. 準備運動をしっかりすること

寝ている間は長時間身体を動かしていないので、朝起きたては関節や筋肉が硬くなっています。起きて身体をほぐすことなくランニングなどの運動を始めると、関節炎や肉離れなどのケガの原因になるので、ストレッチやラジオ体操などの軽い運動で身体をほぐしてから運動を始めるようにしましょう。

3. 自分にとって苦痛でない運動を選択すること

健康やダイエットのために効果が高いとはいえ、運動のために早起きをしたり、生活スタイルを変えるのは強い意志が必要です。効果を感じる以上に、苦痛が強くなってしまうとなかなか継続することができません。

ですから、運動習慣がない方は朝のストレッチや軽い筋トレなど屋内でできることから始め、慣れてきてからウォーキング、ランニングなどに発展させましょう。運動が苦痛にならないように運動習慣をつけることがポイントです。

朝のランニング(有酸素運動)の効果

1. 血流改善効果

有酸素運動を行っていくなかで、早い段階で感じやすい効果は血流の改善です。ランニングを行うと、手足の筋肉を動かすのに必要な酸素量が増加するため、心臓は安静時よりも多量の血液を四肢末端に流すようにします。

この効果は運動中だけでなく運動後も続き、習慣的に運動を行っていると常時血流がよい状態になってきます。血流がよくなると、冷えやむくみが改善するというメリットがあるので多くの女性の悩みが解決します。

2. 代謝改善効果

朝運動をすることで交感神経が優位になるので、体温が早く上がり一日中代謝の高い状態で活動することができます。代謝が高い状態だと同じ活動をしていても消費カロリーが多くなるので、痩せやすい体質になり、ダイエット効果につながります。

3. 筋力改善効果

運動習慣のない方が有酸素運動を行うと、普段使われていない筋肉を使うので身体の筋肉量が増えます。とはいっても、ウエイトトレーニングを行っている方などのように腕や脚が太くなるほどではなく、引き締まった細長い筋肉をつけることができます。

多くの女性があこがれるようなすらっと引き締まったスタイルを目指すためには、この適度な強度の有酸素運動がとても有効なのです。また、同じ体重でも筋肉量の少ない人に比べ筋肉量の多い人は消費カロリーが多くなるので、筋肉量を増やすことは痩せやすい体質を作る秘訣でもあります。

4. 呼吸機能改善効果

有酸素運動を行うことで呼吸機能を高めることができます。日頃ちょっと階段を昇ったり急ぎ足をしただけで息が上がってしまう方にはおすすめです。快適で活動的な日常生活を送るためにも呼吸機能を高めることは必要です。

おわりに

今回は、朝ランニングをすることのメリットや身体への効果をお伝えしました。
短い時間からでも、日々の積み重ねにより心と身体に大きな変化をもたらすことができる効果的な運動ですので、是非ご自分のペースで始めてみてください。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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