はじめに

皆様はタイ古式マッサージについてどのようなイメージを持っていますか?

タイ古式マッサージと聞くと、ダイナミックなストレッチや痛みが伴うイメージがあるかもしれません。

また、痛いんじゃないかと思う人もいるのではないでしょうか?

実際には痛みやストレスを強く感じると思うかもしれませんが、そんな事はありません。

この記事では、タイ古式マッサージの具体的な内容や、その効果について詳しく解説していきます。

タイ古式マッサージとは

タイ古式マッサージは、ヨガや指圧、整体などとともにタイ伝統医学の一環として位置付けられます。

その歴史は古く、ブッダの主治医であったシヴァカ師が開祖とされ、およそ2500年前に仏教とともにタイに伝えられ、現代でも伝承されています。

タイ古式マッサージでは、頭の先からつま先まで全身をマッサージし、手のひら、肘、膝、足など身体全体を使って筋肉を刺激していきます。
身体内を流れるエネルギーラインである「セン」をゆったりとしたリズムで刺激し、凝り固まった筋肉を解します。

また、タイ古式マッサージは、ダイナミックなストレッチを行いながら身体をほぐすのが特徴です。
このストレッチによって、身体全体の柔軟性が高まり、疲労がたまりにくくなる効果が期待できます。

タイ古式マッサージの効果

タイ古式マッサージの効果は身体のコリを和らげたり癒すだけではありません。

血液とリンパの流れを促進する事で根本的な体質改善にも効果が期待できます。

血液やリンパの流れが良くなると、血液の循環が良くなるので、血液が全身のあらゆる部位に十分な酸素や栄養素を運搬し、供給してくれるようになります。

それにより、内臓の動きも活発になります。

また、リンパの流れが良くなると、身体の至る所に溜まっている老廃物を回収してくれ、リンパ節でろ過した後、身体の外に排出してくれます。

このように、タイ古式マッサージを受ける事でデトックス効果が期待でき、身体の中からキレイにしてくれるのです。このことから、タイ古式マッサージの効果は約60種類もあると言われています。

例えば、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の改善にも効果が期待できるだけでなく、慢性的な頭痛や食欲不振、女性に多い便秘や冷え性等、何となく体調が悪いなという不定愁訴、症状がはっきりしない病院へ行くほどでもないような状態の場合に最適なマッサージです。
その他にもアレルギーや生理不順、低血圧、風邪の予防、貧血、ストレス解消など、効果や効能は多岐に渡ります。

ただし、どんな症状でも万能ということではありません。
症状が重い場合はその限りではないので注意が必要です。
心配な場合はタイ古式マッサージを受けるにしっかり説明を受けるようにしてください。

タイ古式マッサージって痛いの?

タイ古式マッサージについて、皆さんはどのようなイメージを持っていますか?
恐らく、多くの人がタイ古式マッサージを受けると激痛が伴うものだと思っていることでしょう。

しかし、実際のところ、タイ古式マッサージは激痛を伴うようなマッサージではありません。
むしろ、「痛気持ちいい」と感じるマッサージといえるでしょう。

タイ古式マッサージは、指圧とストレッチを組み合わせて行われるマッサージです。
指圧は、ツボを押していくわけではなく、体内のエネルギーラインである「セン」に沿って指圧を行い、圧迫と開放を繰り返します。つまり、筋肉を揉み解すのではなく、指圧によって人工的なポンプ作用を作り出し、血行不良を改善していくのです。

また、タイ古式マッサージでは多くのストレッチが取り入れられており、特に身体を捻るストレッチが多用されています。しかし、この身体を捻るストレッチは非常に技術を要するものであり、施術者が未熟な場合は逆に症状を悪化させる危険があるため、注意が必要です。

さらに、タイ古式マッサージはダイナミックなストレッチが多く、アクロバティックに見えることも特徴の一つです。このようなストレッチを行うことから、タイ古式マッサージは「2人で行うヨガ」とも呼ばれています。

これらを組み合わせて行われるマッサージですが、痛いのではないかと不安に感じる方も多いかもしれません。しかし、施術者はその方の体調や状態、そしてどの程度の痛みを感じるかを見極め、その方に合ったマッサージを行ってくれます。そのため、激痛に耐える必要はありませんので、安心して受けていただけます。

また、痛みの感じ方は人それぞれです。
痛みに弱い方は事前に施術者に伝えることで、施術者も気を配ってくれるため、施術前に話しておくことをお勧めします。

タイ古式マッサージを受ける際の注意点

タイ古式マッサージは、指圧に加えてダイナミックなストレッチも行いますので、受ける際には以下の3つの点に注意しましょう。

①食後1時間以内のマッサージは避ける
タイ古式マッサージは、腹部のマッサージも行います。
また、ダイナミックなストレッチをするため、様々な体勢をとります。そのため、食事をした直後に施術を受けると、胃腸に負担がかかる場合が多く、お腹が痛くなったり、気分が悪くなる可能性があります。身体に負担をかけないよう、最低食後1時間は施術を控えましょう。

②生理中の場合はその旨を伝える
タイ古式マッサージは生理中でも施術が受けられますが、全身の血行が促進されるため、施術後に出血が増えることがあります。出血に備えて、事前に施術者に生理中であることを伝えましょう。

③身体が固い人でも受けられる
タイ古式マッサージはダイナミックなストレッチを行いますが、身体が固い人でも受けられます。施術者が筋肉を柔らかくほぐしながら施術を行うため、痛みや心配は不要です。ただし、脱臼癖や関節痛、炎症がある方、大きな怪我をされたことがある方は、施術前に施術者に伝えることをおすすめします。施術者はその部位に負担がかからないようストレッチなどを調整してくれます。

まとめ

タイ古式マッサージは、タイ伝統医学の1つであり、ヨガや整体の流れをくんでいます。
このマッサージは、血流やリンパの流れを良くするだけでなく、様々な疾病に効果があるとされています。

ですので、タイ古式マッサージ=痛いということはないです。

そして、肩こりや頭痛などの慢性的な不調に加え、高血圧や低血圧、糖尿病などの生活習慣病や、いわゆる不定愁訴にも一定の効果が期待できます。

タイ古式マッサージは痛みを伴わないため、身体が固い方でも施術は受けられます。ただし、食後1時間は施術を受けないようにしましょう。
ダイナミックに体を動かすことがあるので、あらかじめ以前怪我したことのある部位や痛めている部位があれば、あらかじめ伝えておきましょう。

また、生理中の場合は事前に施術者に伝え、出血が増えても問題ないように自己管理をしっかり行いましょう。

気持ちよくタイ古式マッサージを受けて、元気で健康的な生活を送りましょう。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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