はじめに

寝不足が続くと集中力が低下して、学力や仕事の能率低下に繋がります。また、何となく体調が悪く、やる気が起きないなど日常生活にも影響してしまうことがあります。寝不足は体にどのような影響があるのでしょうか?また、どうすれば解消することができるのでしょうか?

健康な生活のために、寝不足について知りましょう!

寝不足とは

寝不足は一定量の睡眠時間がなく、眠る時間が短くなってしまったり、心地よい眠りにつくことができないことを言います。

寝不足になると寝ようと思って布団に入ってもなかなか眠ることができなかったり、反対に朝早く起きてしまい眠ることができない、夜中に目覚めてしまうなど、質の良い睡眠ができなくなってしまいます。

寝不足セルフチェック

寝不足が酷いと睡眠障害などで治療が必要となってしまうことがあります。そうなってしまう前に、自分が寝不足なのかどうかを判断しましょう。

睡眠時間の確保ができているか

毎日8時間くらいの睡眠時間を持つことができるか確認してみましょう。14日~20日くらい続けて調べてみると、自分が平均してどれくらい睡眠時間があるのか分かります。

睡眠のリズムは規則的か

不規則な生活を送っていると睡眠のリズムにも影響してしまうことがあります。週末だからと言って夜遅くまで起きて、翌朝は遅くまで寝ていると睡眠のリズムを狂わせてしまい、平日に寝不足を感じてしまいます。大凡の就寝と起床の時間を記録してみましょう。

睡眠の状態を記録する

睡眠の状態を日記として記録しておけば自分がどのような状態なのか分かりやすくなります。記録しておけば、病院を受診した時にも治療の参考になります。

寝不足の原因

寝不足になってしまうと翌日の仕事などにも影響してしまうことがあるので、できるだけ早めに布団に入って寝たいと思う方は多いでしょう。しかし、布団に入ってもすぐに寝付くことができないと寝不足となってしまいます。寝不足の原因は何なのでしょうか?

1.仕事で帰宅が遅くなる

残業などで仕事の帰り遅くなると、帰宅して夕食を食べるなどその後の予定がどんどん後回しになってしまいます。夕食が終わって入浴そしてテレビを見ながらリラックスしているといつの間にか夜中の12時を過ぎ、寝る時間が遅くなってしまいます。

2.飲み会

会社の付き合いや友達との飲み会なども帰宅が遅くなり、寝不足の原因となってしまいます。早めにきり上げることができず、帰宅が終電になったとしても、翌朝も早起きで仕事に行かなければならいという方も多いでしょう。飲み会はコミュニケーションをはかるためにも大切ですが、夜遅くまで行うと寝不足の原因となるので注意しましょう。

3.スマホなどをいじっている

ベットに入ってからもスマホやタブレットなどをいじっているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。また、寝る目にスマホなど刺激の強い画面を見ていると神経が興奮してしまい、良質な睡眠を得ることできなくなってしまいます。

4.ストレス

仕事上のミスや人間関係などで悩んでしまうと寝つけなくなってしまいます。悩みや心配事があるとそのことばかりに気をとられてしまい眠れなくなってしまうことがあります。

5.家事や育児など

仕事と育児の両立で寝不足の方も多いのではないでしょうか?仕事が終わったあとに赤ちゃんの世話をしたり、また夜間にミルクを与えるなどで夜中も起きなければなりません。仕事と育児を並行して行っている場合、寝不足になりやすいです。

6.カフェインの摂取

寝る前にコーヒーなどカフェインの入ったものを飲むと眠れなくなってしまいます。またアルコールやタバコなども控えましょう。

寝不足が身体にもたらす悪影響

体に悪いと言われている寝不足ですが、実際にどのように影響するのでしょうか。

1.脳への影響

寝不足になると頭の回転が悪くなり、ボーっとしたり集中力が低下するため正しい判断に欠けることがあります。思考能力も弱まり良いアイデアが浮かなかったり、物事をなかなか覚えられないなど思考能力も低くなります。

2.病気にかかりやすくなる

体の重要な部分が病気になってしまうことがあります。高血圧や心筋梗塞、脳疾患など寝不足によってリスクが高まる病気があります。寝不足になると血圧が高くなりますが、血圧が高いと血管の圧力も強くなるため心臓病や脳梗塞などの病気を引き起こしやすくなります。

3.免疫力が低下する

寝不足だと体の抵抗力が弱まり、風邪をひきやすくなったり、アトピー性皮膚炎では症状が悪化してしまうことがあります。

4.自立神経が乱れる

寝不足になると自律神経が乱れて便秘などの症状を起こしやすくなります。大腸の動きが悪くなり便がスムーズに押し出されずに便秘となってしまいます。便秘が続けば体内の老廃物が出て行かずに肌にも影響してしまいます。

寝不足を解消する方法

仕事や育児などで睡眠不足になってしまう方もいますが、生活習慣を工夫することで寝不足から解消することができます。

1.規則正しい生活

健康的な生活を送るには規則正しい生活を送ることが大切です。仕事で忙しくてもできるだけ、早めに帰宅して早めに寝るように心がけましょう。寝不足では、仕事の能率も上がらず、間違いをしてしまったり、ダラダラと仕事を続けることになりますので、早めに帰宅して翌日に仕事を回すことで寝不足を解消する方がよいこともあります。

2.入浴する

ベットに入る1時間くらい前に温めのお湯に浸かって入浴すると寝つきが良くなります。お湯の温度は38℃~40℃くらいにして約20分間くらいつかると効果的です。入浴後はストレッチをするなど軽いエクササイズも快適な眠りを誘います。

3.寝る前にアルコールを飲まない

寝酒と言いながら寝る前にお酒を飲んでしまうと眠れなくなってしまい、寝不足となります。お酒を飲んだ直後は眠くなって寝ることができますが、夜中に目覚めてしまい睡眠が十分に確保できなくなります。

4.就寝前に食事を摂らない

食べ物が消化できずに体をリラックスさせることがでくなくなってしまいます。食べ物の消化には約3時間くらいかかるので、寝る直前に脂っぽい食事を摂るのはやめましょう。バナナやミルクなど消化が良く胃に負担のかからない食べ物を摂ると良いでしょう。

5.朝日を浴びる

朝日を浴びると体内時計がリセットされ1日快適に過ごすことができます。睡眠のホルモンバランスが整い、夜も良く眠れるようになります。

6.昼寝をする

夜の睡眠に影響しない程度の昼寝をすることも寝不足を解消する方法のひとつです。昼寝は座った状態で、足をのばして寝るようにします。時間は15分~20分くらいにして眠り過ぎないよう注意してください。ベットに入る前の4時間に昼寝をしてしまうと夜に眠れなくなってしまうので、タイミングにも注意が必要です。

おわりに

頑張って仕事をしたり勉学に励むのは良いですが、寝不足では体調を悪くしたり、集中力が続かず効率が悪くなってしまうことがあります。

寝不足は生活習慣の乱れから起こります。まずは自分の睡眠状態について把握し、改善が必要な場合は優先して取り組むようにしましょう。

生活習慣を改善することで、寝不足を解消しましょう!

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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