目の下のたるみやクマの原因

仕事に家事に育児にと、忙しい毎日を送っていると、いつのまにか目の下のたるみやクマができています。
特に、デスクワークやパソコン作業で目を酷使する方や、育児中で睡眠不足の方は、クマができやすいのではないでしょうか? 鏡に写った自分の顔を見て、憂鬱な気分になることもあると思います。
目の下にたるみやクマができると、それだけでひどく疲れて見えたり、実際の年齢よりも老けて見られたりする原因にもなります。

目の下のたるみの原因

そんな疲れ顔・老け顔の原因となる目の下のたるみは、表情筋の衰えによって起こります。
加齢による筋肉の衰えは誰しも起こり得ることです。しかし、周囲の人を見てみると、身体をケアしていたり、運動を習慣的に行っていたりして、年齢を重ねても若々しく見えることが多いのではないでしょうか? 

顔の筋肉も同様に、顔のエクササイズをすることで表情筋を刺激し、目の下のたるみを防止・解消することにつながります。

目の下のクマの原因

目の下のクマができる原因は、クマの種類によって異なります。クマの種類は大きく分けて、『青クマ』『茶クマ』『黒クマ』の3種類です。

●青クマの原因
青クマの原因となるのは、血行不良です。パソコン作業による目の酷使や、睡眠不足によってできるのが青クマがで、血行不良が主な原因です。
これを解消するためには、目元を温めたり睡眠をしっかりとることが大切です。
また、目の周りの筋肉を動かすことも有効で、目の下のたるみと同様に、エクササイズを行うことで改善につながります。

●茶クマの原因
茶クマの原因となるのは、皮膚の色素沈着です。色素沈着はシミやそばかすと同様に、紫外線や摩擦などの刺激によって起こります。
日頃から紫外線対策をし、茶クマ予防をしましょう。メイクをしっかり落とすことも大切ですが、強くこすったり、摩擦を与えたりすることはNGです。
シミ対策のスキンケア用品と併用して、お肌のターンオーバーを促すことも重要です。

●黒クマの原因
黒クマの原因となるのは、目の下のたるみ・しわです。目の下のたるみやしわによってできる影が、黒クマとなって表れるのです。
解消するためには、しわを防止するための保湿と、たるみ解消のためのエクササイズが有効です。
目の下のたるみが解消されれば影もなくなるため、黒クマも同時に解消できます。

目の下のたるみやクマに効くエクササイズ

目の下のたるみ・クマを解消するためには、目の周りにある『眼輪筋(がんりんきん)』という筋肉を鍛えることが有効です。
ここでご紹介するエクササイズを、それぞれ1日に5回ほど行いましょう。
お風呂に入っているときや寝る前などのちょっとした時間を利用し、毎日継続してください。

エクササイズ(1)眼輪筋全体を鍛える

①目を閉じる。
②眉間にしわが寄らないように目を閉じる力を強めていき、5秒間キープする。
③眉を動かさないように、まぶただけで目をぐっと見開き、5秒間キープする。

エクササイズ(2)上まぶたを鍛える

①人差し指・中指・薬指の3本ずつを使い、左右の眉の上をおさえる。
②眉が上がらないように指でおさえながら、眉とまぶたをぐっと上げるように目を見開く。
(指でおさえる力と眉をあげる力が拮抗するようにする)
③手順②の状態を5秒間キープし、ゆっくりと元に戻す。

エクササイズ(3)下まぶたを鍛える

①ほうれい線を思い切り伸ばすイメージで鼻の下を伸ばす。
②そのまま目をしょぼしょぼに縮めるように、下まぶたをぐっと引き上げる。
③手順②の状態を5秒間キープし、ゆっくりと元に戻す。

目の下のたるみやクマに効くマッサージ

目元のマッサージで凝り固まった筋肉をほぐすと、血流が良くなり、老廃物を流すことができます。
顔にはたくさんのツボが存在しているため、ポイントをおさえて効果的に行いましょう。エクササイズと並行して行うことで、より高い効果が期待できます。

ここでご紹介するそれぞれのマッサージを3~5回ほど繰り返し行ってください。
エクササイズと同様、入浴中やお風呂上がり、寝る前のリラックスタイムに1~3分を目安に行うと良いでしょう。
ただし、摩擦を避けるため強くこすらないよう注意し、気持ちいい強さでゆっくりと押すようにマッサージしてください。

マッサージ(1)血流改善・老廃物の除去

①口を軽く閉じ、『下関(げかん)』というツボを中指でゆっくりと押す。
(下関は耳の手前にあり、口を開けた時にくぼむ位置にあります)
②3秒間ほど押し、ゆっくりと元に戻す動作を5回ほど繰り返す。
③両手をピースの形にし、人差し指を耳の後ろに、中指を耳の前に当て、2本の指で下から耳を挟む。
④ゆっくりと円を描くように、10~20回ほど耳を回すようにほぐす。
⑤そのまま2本の指を首筋に沿うように、鎖骨に向かって下に流す。

マッサージ(2)凝りをほぐす、血流改善

目の周りにある5か所のツボを、人差し指の腹でゆっくりと押しましょう。

①両目の目頭をゆっくりと押す。
②涙袋の中央、黒目の下の骨のある部分をゆっくりと押す。
③手順②で押した部分の約1cmほど下をゆっくりと押す。
④目尻の下のの骨のある部分をゆっくりと押す。
⑤こめかみをゆっくりと押す。

マッサージ(3)凝りをほぐす、エクササイズ効果アップ

①人差し指と中指の2本をこめかみに当て、小さく円を描くようにほぐす。
②目尻とこめかみをつないだ線の延長線上を、頭皮に向かって1~2cmずつずらしながら、指の腹でほぐしていく。

目の下のたるみやクマ予防のために気を付けること

目の下のたるみ・クマの改善・予防のために、今回紹介したエクササイズとマッサージを実践していきましょう。
効果を得るためには、毎日少しずつ継続することが大切です。自分が実践しやすい時間帯を見つけて、習慣にしていきましょう。

エクササイズやマッサージ以外にも、日頃から目元に疲労をため込まない・ダメージを与えないことが大切です。
長時間デスクワークやパソコン作業を行う際には、ブルーライトカットの眼鏡を利用したり、こまめに遠くの景色を見て休憩をはさんだりすることも効果的です。季節を問わず日頃からサングラスや帽子などで紫外線対策をし、目へのダメージを防ぎましょう。
また、メイクオフや洗顔のときに、こすりすぎず優しく洗うことも大切です。

おわりに

見た目の印象を左右する目の下のたるみ・クマですが、日頃のちょっとしたケアや習慣で予防・改善できることがわかりました。
目元の悩みが改善されれば、お顔の印象はもちろん、気持ちもぐっと上がります。加齢や忙しさのせいにして諦めず、毎日のリラックスタイムに気持ちよくエクササイズやマッサージを続けていきましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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