はじめに

スポーツマッサージと聞くとスポーツ選手の専売特許のように聞こえるかもしれませんが、普通の方にも大きな効果が期待出来る事が分かってきました。

スポーツマッサージを行なう事で身体のメンテナンスや怪我の防止に繋がります。
今回はそんなスポーツマッサージの効果、やり方等、詳しく説明していきます。

スポーツマッサージとは

スポーツマッサージは文字通り元々スポーツ選手に対しての疲労回復、パフォーマンスの向上、障害治療、障害予防等を目的として確立されたマッサージをいいます。

スポーツマッサージは筋肉や血管、神経の働きを活発にさせる事で運動量をアップさせ、運動後は筋肉を解し、血液やリンパの流れをスムーズにする事で疲労の回復を早めます。

他のマッサージとの大きな違いはリラックスする事が目的ではなく、身体の不調を感じる部位を調整する事が目的なことです。現在ではスポーツ選手に限らず、普通の方にもスポーツマッサージは効果がある事が分かってきています。

つまり、スポーツマッサージはスポーツ活動において良く使った筋肉や疲労の大きな部位に直接アプローチして効率的に凝り固まった筋肉を解す事が出来るのです。

スポーツマッサージの効果

スポーツした後に限らず、買い物に出かけて歩いた後や家事をこなした後、重い荷物を運んだ後等、私達は何かをする度に様々な筋肉を使っています。

ちょっとした動作でも、積み重なれば筋肉は疲労します。それが蓄積すると、身体に思わぬトラブルを招きかねません。スポーツマッサージを受ける事で疲労や痛みを軽減し、身体の不調を取り除く事が期待できます。

スポーツマッサージを行なう事で以下のような効果が期待出来ます。

・痛みを軽減する
・筋緊張の緩和
・浮腫の軽減
・筋肉の疲労の軽減
・結合組織・軟骨組織の粘弾性の改善
・血液リンパの循環促進
・新陳代謝の促進
・精神的リラクゼーション
・免疫機能への作用

スポーツマッサージを受ける事は体調面においても大きなメリットがあります。

スポーツマッサージの方法

スポーツマッサージは6つの技法を用いて行なっていきます。
ここではその方法をご紹介します。

軽擦法

指や手の平を使って患部やその周囲、関係する部位を軽く擦る方法を軽擦法と言います。軽擦法の目的は、血行不良を改善し、新陳代謝を活発にする事です。

強擦法

筋肉を強めの力で押すようにマッサージして温める方法です。強擦法の目的は安静にする事で、固くなった筋肉を和らげる事です。ただし、強い痛みを感じるような強い力で行なうのではなく、痛気持ちいい位の強さに留めましょう。

揉捏法

これは指や手の平を使って筋肉を掴んだり、揉んだり、押したりして揉み解す方法です。揉捏法の目的は血行不良の改善、筋肉の収縮力を上げる事です。強くやり過ぎないように注意して下さい。

叩打法

指先や手の平を使って患部の周囲を叩く方法です。最大のポイントは痛みを感じない程度に叩く事です。叩打法を行なう事で筋肉や神経を刺激します。

振せん法

指先や手の平でリズミカルに筋肉全体を振るわせる方法です。目的は連続した刺激を与える事で、血管を拡張させ、血液の循環をスムーズにする事です。

圧迫法

一定の間隔を空けて患部を押す事で、血液やリンパの流れを促す方法です。これにより、神経痛等の鎮痛効果が期待出来ます。

スポーツマッサージと普通のマッサージの違い

先ず知っておいて欲しいのは、スポーツマッサージであっても、他のマッサージであっても、本来マッサージを施術する方は「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を取得していなければなりません。

マッサージを人に行なうのは、それだけ責任を伴う行為です。では、スポーツマッサージと普通のマッサージを受ける方の違いは何でしょうか?

それは筋肉量の違いです。そしてスポーツマッサージは普通のマッサージと比べて、運動等によって疲労した筋肉の強さや弾性を取り戻し、使い過ぎてしまった身体の一部をメンテナンスし、より早く回復する事ができます。

勿論、特別な運動をしていない方にも効果は期待出来ます。

クールダウンの必要性

クールダウンを行なう事で、身体に溜まった疲労を軽減し、怪我の予防が出来ます。普段の生活をしている私達だけではなく、スポーツ選手であっても、全身の筋肉をくまなく使って運動するわけではありません。腕や脚等、一部の筋肉を酷使して運動しています。

運動で酷使した筋肉は、疲労物質である乳酸というものを蓄積していて、クールダウンする事でこの乳酸を全身に均等に分散し、疲労を軽減します。ただし、クールダウンしたからといって、筋肉や身体に溜まった疲労そのものを無くせるわけではありません。身体から疲労を取る為には、十分な休息が必須です。

クールダウンを行なうポイントとして、クールダウンはあくまでも身体に溜まった疲労を軽減することが目的ですので、文字通り熱を持った筋肉を冷やすために、運動の最後に行うようにします。クールダウンの方法は様々なものがありますが、運動で行なうのであれば軽く流す程度、マッサージで行なうのなら長時間行なうのではなく、疲労を取る為にゆっくりと筋肉を労わるように行いましょう。氷や冷却剤を使うのであれば5分から15分程度で止め、長時間の冷やしすぎは凍傷等の危険もありますので注意して行ないましょう。

まとめ

スポーツマッサージとはスポーツ活動において良く使った筋肉や疲労の大きい部位に直接アプローチして、より効果的に凝り固まった筋肉を解す方法です。

スポーツマッサージの効果として、痛みの軽減、筋緊張の緩和、浮腫の軽減、筋疲労の軽減、結合組織・軟部組織の粘弾性の改善、血液やリンパの循環の促進、精神的なリラクゼーション、免疫機能への作用が挙げられます。

スポーツマッサージは今やスポーツ選手の専売特許ではありません。スポーツマッサージを取り入れて、ちょっとした時間を上手く活用し、身体のメンテナンスを行なって健康な生活を送りましょう。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

関連する記事

関連するキーワード

著者