メタボリックシンドロームとは

『メタボリックシンドローム』とは、肥満でありながら、他にも重大な病気を併せ持っていることをいいます。
肥満に加え、高血圧、糖尿病、高脂血症の内2つ以上の症状に該当する場合、メタボリックシンドロームと判定されます。

メタボリックシンドロームの基準

メタボリックシンドロームであるかどうかは、肥満の基準となるお腹周りの長さ、血圧、空腹時血糖、中性脂肪、善玉コレステロールの5つの数値で決まります。
空腹時血糖値と中性脂肪値は、血液検査で測定可能です。

①お腹周りの長さ
男性:85㎝以上
女性:90㎝以上

②血圧
上:130以上
下:85以上
どちらか一方、または両方に当てはまる

③空腹時血糖
110mg/dl以上

④中性脂肪
150mg/dl以上

⑤善玉コレステロール
40mg/dl未満

これはあくまでも基準値ですので、これに達しなくとも、肥満が原因の症状が現れる可能性がります。特に、お腹周りに関しては、骨格などによりはっきりとした判断がしにくいといえます。お腹が膨らんでいなくても、中性脂肪が高く、血圧が高い方がいらっしゃいますので、気を付けなければなりません。

メタボリックシンドロームの原因

油物などを含んだカロリーの高い食事を多く摂ると、身体に脂肪が蓄積してお腹周りがどんどん大きくなり、メタボの原因になります。
脂肪には皮膚の下につく皮下脂肪と、内臓の周りにつく内臓脂肪があります。内臓脂肪が蓄積していても見た目ではわかりずらい場合があるので注意が必要です。

また、日頃の運動不足もメタボの原因の1つです。自由な時間や仕事が休みの日にご自宅でゴロゴロしていませんか?
食事によって蓄積された脂肪は、エネルギーとして燃やす必要があります。その際に運動が不可欠となります。

メタボリックシンドロームの予防

食生活を見直す

メタボリックシンドロームの対策として第一に行いたいのは、食生活の見直しです。特に、外食ばかりしている、揚げ物などカロリーの高い食事が多い、野菜をあまり食べないといった食事をしている場合は、すぐに改善が必要です。

食事は朝、昼、晩ときっちり3回摂りましょう。
食事内容も、サラダなどの前菜や汁物を入れる、揚げ物を減らすなど、少しずつ工夫をしてください。食事の初めにサラダを食べると、血糖値の上がり方が緩やかになります。さらに、ご飯やメインのおかずを食べるまでにある程度食欲が満たされ、食事量やカロリー摂取量を下げる事ができます。
また、間食を控えることも大事です。間食をすると、1日に食べる量が増えるあまりか、お菓子など身体に必要のない栄養を摂取し、体脂肪が増える傾向にあるので注意しましょう。

運動を取り入れる

メタボリックシンドローム対策として、食生活の改善とともに行いたいのが運動です。
食事で摂取した不要な栄養素をエネルギーに変えるために、軽くでも良いのでトレーニングを始めましょう。
脂肪を燃やす運動としては、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動がおすすめで、持続して運動をする事が大切です。それに加え、自宅でのスクワットや腕立て伏せなどの筋トレを行うとさらに良いでしょう。汗をかいて身体に溜まった毒素を吐き出すことを心がけましょう。
また、普段から運動の習慣がない方は、時間があれば外に出るなど、少しずつ運動習慣をつけましょう。

おわりに

メタボリックシンドロームは普段の生活習慣に左右される身近なものです。
現代の日本人の食生活はカロリーが高いものが多く、メタボリックシンドロームになりやすい環境にあります。
また、仕事の内容も人によりますが、オフィスワークでは座りっぱなしや身体を普段動かさないことが多いので、蓄積された不要な栄養分を蓄えてしまい、肥満傾向に陥りやすいです。

肥満を無くすことがメタボリックシンドロームから抜け出す近道ですので、最近少し太ってきたなと思ったら予防や対策をする事が大切です。太ってきた頃には危険な病に侵されている可能性もあるので、日々の食生活や運動生活に気をつけましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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