横隔膜とは

横隔膜とは胴体の中心部に位置する呼吸筋の一つです。呼吸をするとき、特に息を吸い込むときに活動します。
膜という名前から、皮膚のような薄いものを想像しやすいですが、筋肉なので鍛えることが可能です。
横隔膜を鍛えてコントロールできれば、同時に呼吸のコントロールも可能になり、ダイエットや体幹部の強化が効率的に行えます。

ボディビルダー式ドローインに挑戦!

最もポピュラーな横隔膜トレーニングに「ドローイン」という方法があります。
これは、呼吸をコントロールしながらお腹を膨らませたり、へこませたりするトレーニングです。
ダイエット、代謝の向上、内蔵の調整、体幹の強化など、さまざまな効果が期待できるとされています。
ヨガやボディビルのポージング技術と通ずるテクニックでもあります。

ボディビルダー式ドローインのやり方

一般的なドローインと少し違った、ボディビルダー式のドローインをご紹介します。一般的なドローインは息を吐きながらお腹をへこませますが、ビルダー式ドローインは、すべての息を吐き切って息を止めた状態でお腹をへこませるのが特徴です。

1. 仰向けに寝た状態か、立位になります。
2. ゆっくりと息を吐きます。
3. すべての息を吐き切ったら、息を止めてお腹をへこませます。
4. これ以上へこまないという地点で5秒間キープします。
5. 息を吸いながらお腹を元に戻します。
6. これを5~10回繰り返します。

慣れてきたら、回数を増やすのではなく、キープする秒数を長くしましょう。
上級者になると、20秒間くらいは楽にキープできるようになります。
鍛練を重ねるごとにお腹をへこませた溝がどんどん深くなり、熟練すると肋骨を掴めるほどになります。

ボディビルダー式ドローインの効果

ボディビルダー式ドローインで代謝アップが期待できます。
ドローインをしているとき、横隔膜がコントロールされていると同時に、腹直筋にも刺激が入ります。
こうすることで、腹筋の筋力も鍛えることができるので、代謝が向上して痩せやすい体質に近づけます。
また、横隔膜を鍛えることによって体幹の強化にも繋がります。

さらに厳しく横隔膜を鍛えたいなら、ダンベルプルオーバー

ドローインは器具なしで、いつでもどこでも行える便利なトレーニングです。
しかし、さらにグレードアップしたレベルの横隔膜トレーニングをしたい方には、ダンベルプルオーバーがおすすめです。
横隔膜の強化はもちろん、体幹のコントロールを高められるトレーニングでもあります。
体幹を鍛えることに年齢制限はありません。40代、50代でもダンベルプルオーバーを行うことで、見事に発達した体幹を獲得した方も多く実在します。
焦らず丁寧にトレーニングすることが大切です。専門家のアドバイスも参考にしてください。

ダンベルプルオーバーのやり方

ダンベルプルオーバーの方法を紹介します。
器具はダンベルとフラットベンチ台を使用します。
ダンベルの代わりに、バーベルや持ち手穴のあるプレートを使用しても問題ありません。

1. ベンチ台の端から頭が出る位置に仰向けで寝そべり、足は地面にしっかり付けます。
2. ダンベルが縦向きになるようにプレート部分を両手で持ち、両腕を顔の上に伸ばして構えます。
3. 構えたらビルダー式ドローインと同じで、一旦息を吐き切ります。
4. 息を吸いながら、腕を伸ばしたまま弧を描くようにダンベルを頭のてっぺん方向に下ろします。
このとき、ダンベルの動きを目で追いましょう。
5. 可動域いっぱいまで下ろしきったら、横隔膜を意識して息を吐きながら、下ろしたときと同じ軌道でダンベルを上げていきます。
6. 1-5の動作を10回以上繰り返せるようになったら、ダンベルの重量をアップしましょう。

ダンベル重量が10kg以上になると、ベンチ台から身体がすべり落ちてしまいそうになるので、パートナーに両膝を持って押さえてもらいましょう。
パートナーがいない場合は、ベンチ台に足首を引っかけるロープなどを用意し、下半身を固定しましょう。この場合は両足をベンチ台に乗せて脚を軽く曲げ、足首をロープなどに引っ掻けます。

頭上をウエイトが往き来するトレーニングですから、絶対に落下させないように注意しましょう。
初級者が回数を頑張り過ぎ、手が滑って大怪我をした例があります。
これ以上は危険かも知れないと判断したら、休憩するようにしましょう。

おわりに

代謝を向上させたり、腹筋を鍛えられたり、体幹を強化できるなど、横隔膜のトレーニング効果はたくさんあります。

取り組み初めて半月くらいは、うまくいかなかったり、辛く感じたりすることもあるでしょう。
まずは、1日10分間のドローインを半年間頑張って続けましょう。
上手に息使いができるようになると、自分自身でもビックリするほどの深く大きいくぼみがお腹にできます。
1ヶ月程度でも、成果が見えまるようになると思います。
格好いい腹筋を手に入れるため、毎日少しずつ頑張りましょう!

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野 
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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