胸筋とは

胸筋には、『大胸筋』と『小胸筋』があるので、それぞれの構造や働きを解説します。

■大胸筋の構造と働き

大胸筋は、胸全体を覆うとても大きい筋肉です。具体的には、『鎖骨』、『胸骨』、『肋骨』の3つの部分から筋肉が始まり、胸全体を通って『上腕骨』の上部で停止します。

肩の高さで腕を横に広げた状態から、腕を身体の前に移動させる時や、腕を上げる時、肘の高さでうでを内に入れたり、外に出したりする時などに働きます。

■小胸筋の構造と働き

小胸筋は、大胸筋の内側を走る小さい筋肉で、肋骨の3~5番目の外側から『鳥口突起(肩関節の内側にある突起)』に向かって走行しています。

深呼吸時に肋骨を持ち上げ、肩甲骨を下げる働きがあります。

胸筋を鍛えるメリット

■大胸筋を鍛えるメリット

大胸筋は胸部の大きなアウターマッスルなので、鍛えることで胸板を厚くし、たくましい身体に近づけます。
また、大きな筋肉なので鍛えることで基礎代謝量も向上し、太りにくい体質につながります。

■小胸筋を鍛えるメリット

小胸筋は肋骨を引き上げて胸を支えているため、鍛えることで、バストアップにもつながります。
また、パソコンやスマートフォンの操作などで背中が丸くなると、小胸筋がこりやすくなるため、筋トレで動かすことによって、こりを解消することも期待できます。

自宅でできる胸筋の筋トレ

トレーニングジムでは、ベンチプレスやチェストプレスなどをすることで、胸筋を効果的に鍛えることができます。
自宅で筋トレを行う場合は、以下にご紹介する3種類のプッシュアップがおすすめです。

1. プッシュアップ

① 四つ這いになり、両手を肩幅より少し広めに開きます。
② 両足を真っ直ぐ後ろに下げ、つま先だけを床について頭からかかとまでが一直線になるようにします。
③ 腰が落ちたり、お尻が上がったりしないように気を付けて一直線保ちながら、肘を曲げて身体を床に近づけていきます。
④ 床に触れるぎりぎりまで身体を下ろしたら、肘を伸ばして元に戻します。
⑤ 手順③、④を10回行います。
⑥ 10回を1セットとし、インターバルを入れながら3セット行いましょう。

筋力に自信のない方は、つま先ではなく膝を床につけて行いましょう。

2. ナロープッシュアップ

① 四つ這いになり、両手を肩幅より少し狭く開きます。
② 両足を真っ直ぐ後ろに下げ、つま先だけを床について頭からかかとまでが一直線になるようにします。
③ 腰が落ちたり、お尻が上がったりしないように気を付けて一直線保ちながら、肘を曲げて身体を床に近づけていきます。
④ 床に触れるぎりぎりまで身体を下ろしたら、肘を伸ばして元に戻します。
⑤ 手順③、④を10回行います。
⑥ 10回を1セットとし、インターバルを入れながら3セット行いましょう。

筋力に自信のない方は、つま先ではなく膝を床につけて行いましょう。

3. リバースプッシュアップ

① 椅子に背を向け両手を座面に置き、指先を顔と同じ方向に向けます。
② 両足を前に伸ばし、かかとだけを床につけて体重を両腕で支えます。
③ 両肘を曲げ、お尻を床に向けて下ろしていきます。
④ 限界まで下ろしたら、ゆっくりと身体を上げて元に戻します。
⑤ 手順③、④を10回行います。
⑥ 10回を1セットとし、インターバルを入れながら3セット行いましょう。

自宅でできる胸筋のストレッチ

胸筋のストレッチをすることで、筋肉痛を軽減したり、姿勢を改善したりすることができます。

1. 深呼吸のストレッチ

① 仰向けで寝ます。
② 両手を頭の後ろで組み、両肘を可能な限り横に開きます。
③ 息を吸う時に胸を大きく開き、深呼吸を繰り返します。

2. チャイルドポーズ

①四つ這いになり、膝を少し開いて左右の足の親指を合わせます。
②手の位置はそのままで、お尻をかかとの上に乗せるように、身体を後ろに下げます。
③お尻をかかとに乗せたまま、両腕をできる限り前に伸ばし、ゆっくりと呼吸を繰り返します。

おわりに

胸筋の構造や働きと、胸筋を鍛えるメリット、筋トレやストレッチの方法をご紹介しました。

大胸筋と小胸筋をともに鍛えることで、分厚い胸板やバストアップなどの見映えが良くなるだけでなく、肩こり解消や姿勢の改善にもつながります。
今回ご紹介した筋トレやストレッチは自宅で手軽にできるので、1種類ずつでも継続して行いましょう。週3回筋トレを続けるだけで、体の変化を感じられると思います。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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