はじめに
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楽しく飲むアルコールが、ある一線を越えてしまうと、死に直面してしまいます。アルコールを受け付けない人も、いくら飲んでも酔わないと言っている人も、必ず定量があるはずです。
宴会のシーンも文化としてまだまだ残されています。中毒にならないように、または急性アルコール中毒を目の当たりにしたときなど、しっかりと対応できるように、基礎を身につけておきましょう。
宴会のシーンも文化としてまだまだ残されています。中毒にならないように、または急性アルコール中毒を目の当たりにしたときなど、しっかりと対応できるように、基礎を身につけておきましょう。
急性アルコール中毒の症状5段階
急性アルコール中毒とは、速度と量の不釣り合いで生じてしまいます。短い時間に、多量のアルコールを摂取すると最悪の場合は死に至ることもあります。時間が短ければ短いほど、量が多ければ多いほど、急性アルコール中毒を起こす危険性は高くなります。アルコールの量は、体質や環境によっても個人差がありますが、血液中のアルコールの量によって、出現する症状を基準化しているものがあります。これを使用しながらレベル別に見てみましょう。
<血中濃度mg/dl>
10~50=ほろ酔い状態
・普段の緊張が解ける
・身振り手振りが多くなる
・理性が失われる
・体温が上がる
・心臓がバクバクする
・酔っていないと思い違いする
50~150=軽い酩酊
・声が大きくなる
・立った時にふらつく
・人にからみやすくなる
・泣いたり笑ったり怒ったりの感情失禁
・判断力が低下する
150~250=酩酊
・ろれつが回らなくなる
・ちどりあしになる
・何度も同じことを繰り返して話す
・呼吸が早くなる
・吐き気や嘔吐が見られる
250~400=泥酔
・意識障害が出始める
・立てなくなる
・失禁する
・言葉が正常でなくなる
400以上=昏睡・急性アルコール中毒死
・揺り起こしたり、つねったりしても起きない
・呼吸が遅くなる
・大便小便ともに失禁
<血中濃度mg/dl>
10~50=ほろ酔い状態
・普段の緊張が解ける
・身振り手振りが多くなる
・理性が失われる
・体温が上がる
・心臓がバクバクする
・酔っていないと思い違いする
50~150=軽い酩酊
・声が大きくなる
・立った時にふらつく
・人にからみやすくなる
・泣いたり笑ったり怒ったりの感情失禁
・判断力が低下する
150~250=酩酊
・ろれつが回らなくなる
・ちどりあしになる
・何度も同じことを繰り返して話す
・呼吸が早くなる
・吐き気や嘔吐が見られる
250~400=泥酔
・意識障害が出始める
・立てなくなる
・失禁する
・言葉が正常でなくなる
400以上=昏睡・急性アルコール中毒死
・揺り起こしたり、つねったりしても起きない
・呼吸が遅くなる
・大便小便ともに失禁
急性アルコール中毒はこうして死に至る!
お酒に強いからと言って急性アルコール中毒にならないという思い込みは間違いです。
大学生のサークル活動などで急性アルコール中毒死の事件が度々見られましたが、死に至るとはどういうメカニズムをもってのことなのでしょうか。
大学生のサークル活動などで急性アルコール中毒死の事件が度々見られましたが、死に至るとはどういうメカニズムをもってのことなのでしょうか。
アルコールの分解
アルコールは口から入ってまずは胃に停滞します。胃では食べ物の吸収はしませんが、水分の吸収だけ成されます。吸収しきれなかったアルコールは腸の壁からも吸収されて肝臓に運ばれます。ここで解毒作用といってアルコールの分解が始まります。
アルコールは酵素によって「アセトアルデヒド」に変わって、「酢酸」という形で最後は排泄されます。しかし排泄までの長い道のりは身体中をまわりまわって進みます。このまわっている間に酔いの症状が出るという仕組みになります。
アルコールは酵素によって「アセトアルデヒド」に変わって、「酢酸」という形で最後は排泄されます。しかし排泄までの長い道のりは身体中をまわりまわって進みます。このまわっている間に酔いの症状が出るという仕組みになります。
どうして酔う?
アルコールが体内に入って30分から60分で酔いを感じるようになりますが、これは血中内のアルコール濃度が上がるためです。
酔いの症状は脳にアルコールが到達するために起きる麻痺の状態です。少量のアルコールは中枢神経を刺激し、気持ちを開放的にさせるため、普段の理性や我慢といった人間の仮面をはがしていきます。
酔いの症状は脳にアルコールが到達するために起きる麻痺の状態です。少量のアルコールは中枢神経を刺激し、気持ちを開放的にさせるため、普段の理性や我慢といった人間の仮面をはがしていきます。
急性アルコール中毒で死に至るのはどうして?
アルコールの血中濃度がさらに上昇していくと、心臓にも負担がかかります。
アルコールによって血管は拡張します。すると血圧を正常に戻そうと心臓は必死に血液を送るようになります。呼吸も乱れたり、動悸を感じたりするのはこういったためです。
また、多量のアルコールは、脳の中枢を抑制するため、度が過ぎてしまうと呼吸の中枢である脳幹という部分までを抑制してしまい、急性アルコール中毒死を迎えてしまいます。
アルコールによって血管は拡張します。すると血圧を正常に戻そうと心臓は必死に血液を送るようになります。呼吸も乱れたり、動悸を感じたりするのはこういったためです。
また、多量のアルコールは、脳の中枢を抑制するため、度が過ぎてしまうと呼吸の中枢である脳幹という部分までを抑制してしまい、急性アルコール中毒死を迎えてしまいます。
急性アルコール中毒は少しの配慮で防げます
急性アルコール中毒は誰にでも起こる可能性がありますので、おいしく楽しく飲むための工夫をすることが大切です。
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飲む練習をしたらお酒に強くなる?
急性アルコール中毒にならないようにするには、お酒の練習あるのみ!などと考えている人はいませんか?
実は、アルコールを分解する酵素の一つ、ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)という物がありますが、飲酒の機会が増えると少し鍛えられるという結果もありますが、お酒が強くなるというところまでは期待できないものです。
増えていくのは肝臓病のリスクだけなので、飲酒訓練はお勧めいたしません。
実は、アルコールを分解する酵素の一つ、ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)という物がありますが、飲酒の機会が増えると少し鍛えられるという結果もありますが、お酒が強くなるというところまでは期待できないものです。
増えていくのは肝臓病のリスクだけなので、飲酒訓練はお勧めいたしません。
空腹状態での飲酒は危険
空腹状態だと、アルコールが腸に達するまでの時間がスピーディーになってしまいます。
腸壁から一気に吸収されると、多く飲んだことと変わらなくなるので、急性アルコール中毒のリスクが高くなります。
また空腹の場合は、胃の粘膜に多くの負担をかけてしまい、胃潰瘍や胃がんにもつながりますので、お酒はおつまみ付きで、ゆっくりと飲んでいくことが良いと思われます。
腸壁から一気に吸収されると、多く飲んだことと変わらなくなるので、急性アルコール中毒のリスクが高くなります。
また空腹の場合は、胃の粘膜に多くの負担をかけてしまい、胃潰瘍や胃がんにもつながりますので、お酒はおつまみ付きで、ゆっくりと飲んでいくことが良いと思われます。
お酒とペアで摂取してほしいもの
ずばり、水です。
泥酔状態以前には、アルコールを希釈して尿として流すことに大きな効果をもたらします。二日酔い予防にもなりますので、セットで摂取することをお勧めします。
泥酔状態以前には、アルコールを希釈して尿として流すことに大きな効果をもたらします。二日酔い予防にもなりますので、セットで摂取することをお勧めします。
急性アルコール中毒と気づいた時の対策とその後の治療法
目の前で急性アルコール中毒症状に気が付いたときの応急処置
via i.ytimg.com
・衣服を緩めて寝かせる
・呼吸を確かめる
・刺激を与えて顔をしかめるなどの反応を見て、意識確認
・吐きそうになったら、顔を横に向けて窒息を防止する
・水を無理に飲ませない
・掛物などかけて身体を温める
・呼吸が止ったりしている場合は救急車の手配と蘇生
・呼吸を確かめる
・刺激を与えて顔をしかめるなどの反応を見て、意識確認
・吐きそうになったら、顔を横に向けて窒息を防止する
・水を無理に飲ませない
・掛物などかけて身体を温める
・呼吸が止ったりしている場合は救急車の手配と蘇生
救急搬送されてからの治療
状態が軽症な場合は、体温を保持しながら様子観察で意識の回復を待ちます。
状態が昏睡などの重症となると、気管内挿管で気道の確保や人工呼吸を使用します。
鼻から胃につながるチューブを挿入して、胃内の洗浄を行い、輸液によって体液の補充や薬剤投与が成されます。最悪な場合は血液透析を要することにもなります。
状態が昏睡などの重症となると、気管内挿管で気道の確保や人工呼吸を使用します。
鼻から胃につながるチューブを挿入して、胃内の洗浄を行い、輸液によって体液の補充や薬剤投与が成されます。最悪な場合は血液透析を要することにもなります。
まとめ
楽しむためのお酒が 一歩間違うことで命の危険と直面します。
実際に起こった事件で問題視されていることですので、他人ごとではなく自分の身近なことと理解しながらお酒の席を楽しんでいただきたいと思います。
実際に起こった事件で問題視されていることですので、他人ごとではなく自分の身近なことと理解しながらお酒の席を楽しんでいただきたいと思います。
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会