はじめに

皆さんはくびれを作ろうと一生懸命に腹筋運動をしていませんか。実はこれは皆さんが陥りやすい落とし穴で、腹筋運動をするだけでは、お腹の贅肉を落とすことはできますが、美しいくびれを見ることはできません。今回は、わざわざ高いお金を払ってスポーツジムに行かずに特別な道具を使わない、生活の中で日々実践できるくびれを作るトレーニングを紹介します。

くびれを作るためのコツ

くびれとは何かを知る

皆さんは一般的にくびれを作るために何が必要かご存知でしょうか。多くの人は、腹筋運動などして、お腹周りの贅肉を落とすことに一生懸命になっています。しかし、お腹の贅肉が落ちてもくびれが現れないことがあります。
その理由は、くびれはウエストとヒップの比率で決まるからです。お腹の贅肉が落ちても、お尻が平らでは見た目がずん胴になってしまいます。逆に、多少お腹の贅肉があっても上がったヒップがあればくびれは出現します。つまり、ウエストとヒップの比率が重要であり、その比率は約7:10になることが重要なのです。まとめると、くびれを作るためには「お尻の筋肉を付けて、ヒップアップさせる」、「お腹の贅肉を落とす」この2つを行う必要性があります。

運動だけでは作れない

女性はお腹に赤ちゃんを身ごもるために皮下に脂肪を蓄えやすくなります。(閉経後は内臓に蓄えやすくなる)この皮下に脂肪を蓄えることは、飢餓のリスクを少なくすることと母乳を作るために非常に重要なシステムです。そのため、一般の人にとって運動だけではくびれを作る事は非常に難しくなります。

そこで、食事に一工夫加えます。食事ではできるだけ糖質を減らし、脂質や蛋白質を豊富に摂取します。特に、脂質の摂取を増やすと脳は、十分に脂質があれば蓄える必要性がないと判断して、あまり蓄積しなくなります。糖質は脂肪蓄積につながるためできるだけ避けましょう。
お勧めは朝食をコーヒーにバター大さじ2杯とMCTオイル大さじ2杯を入れたものだけにすることです。これだけでお腹の贅肉を減らせ、空腹感も少なく断食ができます。ちなみに、昼食までこのコーヒーを2杯くらい飲んでも問題ありません。

運動頻度は週2回

どうしても、ダイエットやお腹を凹ませようと考えると、毎日しっかりと運動しようとする人が多いと思いますが、今回のトレーニングは運動は週2回です。毎日しっかりやるよりは、週2回で効果を出すようにトレーニングメニューを工夫したり、食事制限や運動を長く続けることがくびれを作るコツです。

くびれを作るためのトレーニング方法 初級編

1) ランニング(約20分)

トレーニングを始めるなら緩やかに初めて基礎体力を付けることが重要です。
まず、最初の10分程度は軽く走ります。場合によっては歩く程度でも問題ありません。体が温まったら約10秒間ダッシュし、その後、歩きながら息を整え、また10秒間ダッシュをします。このサイクルを3回繰り返します。
ダッシュする時に力を入れて地面を蹴るほどヒップアップにつながりますので、しっかり地面を蹴ることを心がけましょう。ダッシュも慣れるまでは、自分のできる範囲で行います。体力が付いてくれば、ダッシュする場所を階段や坂道にして負荷を上げると良いでしょう。
この方法は長距離の脂肪燃焼効果と、短距離ダッシュの高負荷による筋力アップの両方に効果がある方法です。
また、ヒップにも体幹にも負荷がかかるためくびれを作るのに最高のトレーニングです。しかも、自分の能力に合わせて行うことができるので、ドレーニング初心者から上級者まで行える、くびれを作るトレーニングです。

2) サポーテッド・アブドミナルクランチ

床に仰向けになって、両膝を立てます。
タオルを頭の後ろに通して両端を左右の手で握ります。
肘の角度は90°にします。肘の角度を変えずにタオルを引っ張るように背中を丸めて腹筋を収縮します。
背中の上部が床から引きあがる程度で止めます。
この時に無理にタオルを引っ張るようにすると首を痛めるので、最初はゆっくりと様子を見ながら行います。また、できるだけ腹筋を意識しながらタオルだけに頼らない意識も持ちましょう。

くびれを作るためのトレーニング方法 中級編

1) スクワット

肩幅に足を開き、やや親指側に重心を置きます。その状態で、腰を落としながら膝関節と股関節を曲げていき、しゃがんだ姿勢となります。
次に、そこからジャンプする感覚で立ち上がります。
10〜20回を3セット行います。下半身の筋肉を強化すると脂肪燃焼率が向上し、ヒップアップにもつながります。

2) クランチ

仰向けになり両膝をそろえて膝関節90°、股関節を90°に上げます。
両手を頭の後ろで組み、頭を床から浮かせます。
そして、そのまま背中を丸めるように上体を引き上げます。
肩甲骨が床から離れる程度まで上げれば大丈夫です。目線をへそに持ってくと腹筋が上手く収縮します。
10〜20回を3セット行います。

3) ツイストクランチ

クランチと同様の姿勢をとり、上体を引き上げた際に体感を回旋させます。
1回目に起き上がる時に左回旋、2回目に起き上がる時に右回旋という形で行うとバランスよく左右の腹斜筋を使えます。
左右行って1回とカウントし、10〜20回を3セット行います。
腹筋だけでなく、お腹の側面の筋肉を使うことでウエストを細くします。

くびれを作るためのトレーニング方法 上級編

1)片足スクワット

左右の腕を肩の高さで組み、椅子の前に立ちます。
片足を椅子の座面に乗せて踏み込み、体を持ち上げるようにして片足で椅子の上に立ち上がります。
前足を座面にぐっと踏み込む時の力を利用して体を持ち上げるのがポイントで、その時に後ろ足で地面を蹴ったりしないようにします。
片足10〜20回を3セット行います。

2)リバーストランクツイスト

床に仰向けになり、両手を肩の高さで左右に広げ大の字のようになります。
両膝をくっつけて90°に曲げて両足を上げます。
両膝をくっつけたまま左右交互に腰から下を回旋するように倒します。
床につくギリギリまで膝を倒します。
左右行って1回とカウントし、10〜20回を3セット行います。

3) Ⅴ字ショットアップ

床に仰向けになり、両手は万歳の状態にします。
へそを支点として上体と両下肢を同時に引き上げます。
名前の通り、上体が下肢を引き上げた姿勢がⅤ字になるようにします。
10〜20回を3セット行います。

おわりに

今回は特に道具を購入せずにできるトレーニング方法をご紹介しました。少しの食事制限と週2回の10分~20分程度の運動で美しいくびれを作ってみましょう。
余裕ができたらバーベルなどを購入して負荷を上げていくと、より美しいボディーラインができます。自宅トレーニングでくびれを作り、自信を付けてからスポーツジムに行くのは遅くないと思いますので、ぜひ挑戦してみてください。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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