はじめに

休日と言えば寝て過ごすという人も多い中、眠れない現実が悩みとなって過ごす人は少なくありません。
不眠症にはさまざまな原因があります。

眠れない苦痛から脱出するためにも、不眠症の原因や解消法を知りましょう。

不眠症って、どんなもの?

不眠症というのは、客観的に表示できるものではありません。あくまでも本人がセルフチャックして、眠れないと判断する主観的なものです。

睡眠時間としては不足というわけではないが、布団に入っても寝つきが悪いとか、長く寝ても「寝た」という実感がわかないくらい睡眠の質に対する満足感の不足などです。
どれも本人が苦痛に感じ、生活に少なくとも支障を来たすことが不眠症です。

また、不眠の仕組みから見てみますと睡眠の中枢は脳に存在します。頭を休めるためのノンレム睡眠と身体を休ませるレム睡眠があります。

反対の活動をする覚醒中枢も脳に存在します。人間が昼と夜を感じ、体内時計が動くことで、この二つがバランスよく動静をなします。

しかし、睡眠信号が送られているにもかかわらず、無視し続けると、覚醒に慣れてしまってリズムが崩れ、不眠の原因となってしまいます。

不眠症のタイプ

入眠障害

一般的には入眠するまでの時間が10~15分と言われています。
それに対して、30分~1時間、もしくはそれ以上の時間をかけてもなかなかスムーズに入眠できないというタイプの不眠症です。

また、眠れない時間だけが長いというだけでは入眠障害にはなりません。
これによって本人が苦痛と感じることがポイントです。

中途覚醒 

眠るには眠ったが、夜中に何度も目が覚める、この状態が一週間に3日以上は起きるというパターンが中途覚醒と呼ばれる不眠症の一つです。

このタイプは精神的なことが誘因となることもありますが、比較的年齢が若い人よりも高い年齢の人に見られます。

早朝覚醒

予定の時間よりも2時間以上も早くに目覚めてしまい、もう少し寝ようと考えても二度寝できない状態が、一週間に何日も続くようなら不眠症に値します。
入眠障害に悩む人の統計と変わらない割合で実感する人が多くなっています。

熟眠障害

睡眠時間としてはたっぷりな時間を要しているけれども、目覚めてから、その後の活動時間にもスッキリ感を実感できないタイプの睡眠障害です。

疲れが取れないような不快さが残っている状態を熟眠障害と言います。
休日に寝だめするといって何時間も寝たとしても、解消されるものではありません。

不眠症を引き起こす主な原因

人は以下のような、自然に眠りにつくためのシステムを身体に備えています。

▪交感神経の働きが緩和され緊張から解放されます。
▪脳からのメラトニンというホルモンが分泌されます。
▪身体の深部体温が自然に低下していきます。

このように複数の条件が重なってこそ眠りに入ることができるのですが、それらを超えるだけの大きななんらかの原因によって不眠症が起きます。
その原因にはさまざまなものが挙げられます。

心理的原因

ストレスです。
職場でも家庭内でも自分の知らないうちにたくさんのストレスを受けます。

ストレスの蓄積が交感神経を優位に立たせてしまい、興奮モードから切り替えができなくなります。
そのため気持ちのリラックスができず不眠症となります。

身体的原因

「かゆくて」、「痛くて」、「呼吸が苦しくて」「排尿回数が多くて」などと苦痛症状を引き起こす病気があることが原因で不眠症になることもあります。

・湿疹、アトピー性皮膚炎
・リウマチ
・気管支喘息
・花粉症
・前立腺肥大などによる頻尿

精神医学的原因

不安障害やうつ病などの疾患を伴っていても、不眠を引き起こす危険度が増します。

薬理学的原因

▪アルコール
一時的にリラックス効果で睡眠を促しますが、しかし抵抗性ができてしまい、アルコールの量を増やしていかなければ今度は眠れなくなる状況を作ってしまいます。

▪カフェイン
睡眠物質であるアデノシンの活動をブロックすることで覚醒を促すので就寝前のカフェインは不眠症危険度がかなり高くなります。

▪服用中の薬
薬に含まれている成分が、不眠症を誘発することがあります。
神経に作用する薬やステロイドには、そういった作用があります。

危険度セルフチェック

不眠症は毎日の生活のなかでセルフチェックしなければ、明らかにはなりません。
次の症状が一か月以上続くならば、不眠症と判断して専門医に相談することが良いでしょう。

☑ 寝ようとしてから入眠までの時間が30分~1時間以上かかる

☑ 夜中に目が覚めるときが一週間に3回以上ある

☑ 起きたい時間よりも目が覚める時間が2時間以上前であり、二度寝はできない

☑ 睡眠時間は十分なのに、頭や体がスッキリしない

☑ 昼間、いつも眠たい

不眠症を解消するために

就寝・起床のリズムを一定にする

毎日の寝起きにリズムを付けることで、自律神経のバランスが良くなり、身体に必要なホルモンの分泌も促され、「健康維持=質の良い睡眠」となります。

一日の睡眠時間は8時間前後にしましょう。
10時間以上になると日中の認知能力に支障が出てきます。

昼間に太陽の光を浴びる

日光は、目からの吸収で脳内に作用します。メラトニン分泌調整を図ってくれます。

「寝る、起きる」に関してメリハリをつけてくれる材料となります。

昼間に適度な運動をする

肉体的な疲れは、脳の疲労感ともなり夜の睡眠を促します。
また体温を一時的に上昇させると、夜には体温が下がるので入眠しやすくなります。

30分程度の運動を週に3回以上行うと良いでしょう。
寝る前の過激な運動は逆効果なので注意が必要です。

寝る前のスマホは避ける

スマホのブルーライトは朝日と似たような効果があると言われ、また寝る前に脳を活性化させてしまうと入眠しづらくなります。

ストレス解消法を持つ

人それぞれのストレス解消法があると思います。不眠が続いているときは、特に趣味やリラックスすることに時間を投資するようにしましょう。

飲酒がストレス解消法という人は、寝る間際まで飲むのではなく、数時間前でストップしましょう。

まとめ

不眠症が直接大きな病気に関わるわけではありませんが、不眠の蓄積は少なくとも病気になる危険度を増します。
不眠症だなと気がついたら、すぐに原因と対策法を考えてみましょう。

眠れなかった時間には無理に寝ようとするとストレスになってしまうので、その時間を何かに利用してみるとかなど、自身の工夫が必要と思われます。

監修

・千葉大学医学部附属病院 宮山 友明

・千葉大学医学部附属病院 宮山 友明

専門分野 
循環器内科

経歴
1998年 千葉大学医学部医学科卒業。
2008年 千葉大学大学院医学薬学府環境健康科学を専攻し、医学博士号を取得。
現在 千葉大学医学部附属病院循環器内科医員として、心臓専門医として診療、研究。

資格
医師免許

活動:
日本抗加齢医学会専門医としてアンチエイジング医学、日本医師会認定健康スポーツ医としてスポーツ医学にも取り組み、各種メディアで活動中。

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