チューブトレーニングとは

『チューブトレーニング』とは、筋力トレーニング用に作られたゴムチューブを使用して行うトレーニングのことです。

ゴムチューブの弾力を筋トレ動作に対する負荷として利用するため、トレーニングジムにあるような筋トレ用の器具を用意することなく、どこでも簡単に負荷をかけて筋トレをすることができます。

アスリートのトレーニング用としてだけでなく、健康維持やダイエットを目的とした筋トレにも適しており、とても有効なトレーニングの一つです。

チューブトレーニングの効果とメリット

簡単に負荷をかけることができる

チューブトレーニングは、適度な負荷をかけることができるため、効率的に筋力を増強したり、引き締めたりすることができます。
トレーニングチューブには様々な強さのものがあるので、筋トレを行う部位や個人の筋力によって負荷を変えることが可能です。
筋力がアップするとともに、負荷を増やすことも簡単にできます。

自宅でも手軽に筋トレができる

大きな筋トレ機器はもちろん、ダンベルやバーベルであっても自宅に導入するとある程度の金額とスペースが必要です。
トレーニングチューブは金額的にどれもリーズナブルで、場所もほとんどとることなく、たたんで片づけておくことができます。
また、トレーニングチューブは軽くて柔らかい素材でできているので、お子さんのいる家庭でも、ダンベルやトレーニングマシンより比較的安全に、手軽に筋トレを始めることができます。

持ち運びができる

トレーニングチューブは軽くてコンパクトなので、バッグに入れて持ち歩くことも可能です。
なかなか自宅でまとまったトレーニング時間がとれない方や、すきま時間にトレーニングを済ませてしまいたい方には特におすすめです。トレーニングチューブを持ち歩くことで、時間を有効に利用でき、継続的にトレーニングを行いやすくなります。

様々な部位に使用できる

トレーニングジムの機器は基本的にいくつかの決まった筋肉を鍛えるために作られています。
ダンベルやバーベルにおいても、手で持つという大前提があるので、下半身の筋トレ用に使うのは困難です。
しかし、トレーニングチューブであれば、手で持つだけでなく足に引っ掛けて使用することもできるので、一つのチューブを様々な部位に使用でき、トレーニングの幅が拡がります。

ケガのリスクが少ない

ダンベルやバーベルなどの重量物を持ち上げるトレーニングでは、筋力以上の負荷がかかってしまったときに肉離れなどのケガをするリスクがあります。
しかし、チューブトレーニングではゴムチューブ自体に重さはほとんどなく、弾力を負荷にしています。
そのため、無理をしてしまうことが少なく、トレーニングによるケガのリスクも非常に少ないと言えます。
安全面という点においても、チューブトレーニングは非常に効果的なトレーニングです。

トレーニングチューブの種類と特徴

トレーニングチューブには様々なタイプがあります。
ここでは、それぞれのトレーニングチューブの種類と特徴をご紹介します。

平状のゴムチューブ

平状のゴムチューブは10cm前後の幅の平たいゴムでできており、自分で好みの長さに切って使用できます。一本の長いチューブとして両端を持っても、結んで輪状にして足などに引っ掛けて使っても良いでしょう。
ゴムの色によって弾力が異なるので、部位によって使い分けるとさらに効果的です。
他のゴムチューブに比べ、使い方のバリエーションが拡がりやすいというメリットがある一方、切れたり、劣化したりしやすいというデメリットもあります。

輪状のゴムチューブ

輪状のゴムチューブは比較的弾力が強く、両足に引っ掛けて下半身の大きな筋肉を鍛えることに多く使われます。
平状のゴムチューブよりも厚さがあるため丈夫で、最初から輪状になっているため毎回均等な負荷をかけることができます。
ただ、長さの調節ができず一本のゴムとして使用することはできないので、使い方のバリエーションという点においては他のゴムチューブに劣ります。

グリップ付きのゴムチューブ

一本のゴムチューブの両端に持ち手となるグリップが付いているゴムチューブです。持ち手があるため平状のゴムチューブよりも持ちやすく、不必要な力が入らないので、トレーニング初心者でも簡単に使うことができます。
持ち手部分があるため、持ち運びに多少スペースを取ることと、平状のゴムチューブのように結んで輪状で使うことが多少難しいことがデメリットにあげられます。

チューブトレーニングの種類とやり方

代表的なチューブトレーニングをいくつかご紹介します。

アームカール

力こぶとなる『上腕二頭筋』を鍛えるトレーニングです。
背中や肩が丸まることなく、軽く胸を張った姿勢を維持しましょう。

1. 立つまたは椅子に座り、腕は身体に沿わせるように下ろします。
2. 平状またはグリップ付きのゴムチューブの片端を右足の裏で踏み、反対の端を右手で握ります。
3. 肘が体側から離れないように固定したまま、手のひらが上を向くようにゆっくりと肘を曲げてチューブを引きます。
4. 肘がしっかり曲がったら、肘が完全に伸びる一歩手前までゆっくりと下ろします。
5. 左の腕も同じようにトレーニングします。

トライセップスエクステンション

二の腕の外側にある『上腕三頭筋』を鍛えるトレーニングで、動かすのは肘関節のみです。
ここでは、片腕ずつ行うトレーニングをご紹介しますが、動きが安定しない場合やチューブの弾力が強すぎて難しい場合は、頭の後ろで両手でチューブを持つと安定しやすくなります。

1. 背筋を伸ばして立ちます。右腕をバンザイした状態から肘を曲げて頭の後ろに手がくるようにします。
2. 平状またはグリップ付きのゴムチューブの片端を右足の裏で踏み、反対の端を右手で握ります。
3. 上腕や肩が動かないようにしながら、肘関節のみを肘が完全に伸びる一歩手前までゆっくりと伸ばします。
4. チューブを頭の上まで引き上げたら、ゆっくりと下ろします。
5. 左側も同じように行い、左右同じ回数ずつトレーニングします。

レッグエクステンション

太もも前面の『大腿四頭筋』を鍛えるトレーニングです。
写真のようなトレーニングをトレーニングチューブを使って行います。
膝を伸ばし切った状態を維持することが重要なので、チューブの強さや長さをしっかりと調整して行ってください。
また、膝を伸ばしたときに、体が後ろに倒れないように注意しましょう。

1. 頑丈な椅子に座ります。平状のゴムチューブを椅子の足と右足首のやや上に通し、8の字に結びます。
2. 背筋をまっすぐに伸ばして腹筋に軽く力を入れ、右側の膝を伸ばします。
3.  足が床と平行になり、膝を伸ばし切ったところで、足首をしっかり反らしてつま先を天井に向け、太もも前面に力が入った状態で3秒程度静止します。
4. ゆっくりと膝をゆるめてスタートの肢位に戻します。
5. 左側も同じように行い、左右同じ回数ずつトレーニングします。

レッグカール

太もも後面の『ハムストリングス』を鍛えるトレーニングです。
写真のようなトレーニングをトレーニングチューブを使って行います。
膝を曲げるときのつま先の向きはまっすぐ天井を向くようにし、内外向きに偏らないよう
にしましょう。

1. 柱などの固定されたものに足を向ける形で床の上にうつ伏せになります。
2. 平状のチューブを柱と右足首のやや上に8の字に通して結びます。
3. 右の膝をゆっくり曲げてチューブを引き、ゆっくりと戻します。
4. 左側も同じように行い、左右同じ回数ずつトレーニングします。

ヒップエクステンション

お尻の最も大きい筋肉である『大臀筋』を鍛えるトレーニングです。
足を引くときに上半身が前に倒れないように腹筋にしっかり力を入れて行いましょう。
動きが安定しない場合や難しい場合は、うつ伏せに寝た状態で同じ動きを行うのも効果的です。

1.足を骨盤の幅に広げて立ち、輪状のチューブを両方の足首に通します。
2.膝はまっすぐに伸ばしたまま、右足を踵からゆっくりと後ろに引きます。
3.右のお尻の筋肉が収縮しているのを感じたらゆっくりと元に戻します。
4.左側も同じように行い、左右同じ回数ずつトレーニングします。

ヒップアブダクション

股関節外側の『中臀筋』を鍛えるトレーニングです。
一歩の幅を大きくしすぎるとフォームが崩れやすくなるので、無理をせず小幅で丁寧に行ってください。
負荷が強くて難しい場合は、仰向けになった状態で両膝やや上にチューブを通し、両股関節を同時に広げるやり方も効果的です。

1.足を骨盤の幅に広げて立ち、輪状のチューブを両方の足首に通します。
2.膝や股関節はまっすぐに伸ばし、つま先は身体の正面を向けた状態で少しずつ横歩きを行います。
3.右方向と左方向と同じだけ横歩きを行います。

おわりに

今回は、チューブトレーニングについてそのメリットや方法をご紹介しました。
正しい使い方を知り、様々な方法を取り入れれば、トレーニングチューブ一つでも十分に全身を鍛えることができます。
今回ご紹介したものから始めてみていただき、慣れてきたら徐々にトレーニングのバリエーションを増やしていただきたいと思います。

監修

【ループル治療院 齋木 拓】

【ループル治療院 齋木 拓】

資格
鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本赤十字社 救急法救急員
健康運動実践指導士

経歴
平成27年 東京有明医療大学 柔道整復学科・アスレティックトレーナーコース 卒業
平成27年 JIN整形外科スポーツクリニック 勤務
平成30年 花田学園 日本鍼灸理療専門学校 鍼灸あん摩マッサージ指圧科 卒業
平成30年 Loople(ループル)治療院 勤務
・救急医、内科医 増田陽子
専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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