はじめに
夜なかなか寝られないという睡眠不足の人が年々増えているそうです。厚生労働省による国民健康・栄養調査報告によるとなんと5人に1人の人が不眠症と言われています。人によって必要な睡眠時間は異なりますが、十分な睡眠を取らなければ生活習慣病のリスクが高まるのです。今回のテーマは睡眠不足の原因と快眠をとる工夫についてお伝えします。
眠りたいのに眠れない睡眠不足になる原因は?
人によって睡眠不足になる理由はさまざまです。主な眠れない原因について見てみましょう。
悩みからくるストレスが原因
悩みがあるとそのことばかり考えてしまい頭が冴えてしまいます。こうなると頭も体も眠れる状態ではありません。これはストレスにより自律神経が乱されてしまっているのです。
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、副交感神経は体や頭をリラックスさせる効果があります。
一方、交感神経は脳を活発にさせる役割になります。
ストレスが強いと交感神経が優位に立つため頭が活発になり眠れない原因となります。
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、副交感神経は体や頭をリラックスさせる効果があります。
一方、交感神経は脳を活発にさせる役割になります。
ストレスが強いと交感神経が優位に立つため頭が活発になり眠れない原因となります。
眠る前にお酒を飲むことが睡眠不足の原因
よく眠れるからという理由で眠る前にお酒を飲む人がいるかもしれませんが、よくありません。確かに寝やすくなりますが深く眠ることはできません。眠りにはノンレム睡眠とレム睡眠があり、ノンレム睡眠のとき脳をリラックスさせる効果があります。しかしながら、お酒を飲むとノンレム睡眠の状態が減ってしまい、その結果、朝起きても疲れが残ってしまうのです。
運動不足が原因の不眠
眠りに入りやすい体というのは体温が夕方から夜にかけて急激に下がってゆく状態になります。体温を急激に下げるためには、あらかじめ体温を高く保っておくのが大事です。そのためには、日中によく体を動かすことです。運動などでよく体を動かした人は夜に体温が下がりやすくなります。逆に日中エアコンのついた部屋にずっといると体温が下がりっぱなしになります。
体温が下がったままだとスムーズに眠ることはできません。
体温が下がったままだとスムーズに眠ることはできません。
不眠症の可能性も
あまりにも眠れない日が続くと不眠症の疑いも出てきます。特に日本人は入眠障害の方が多いと言われています。目を閉じても30分、一時間と寝付けない場合は睡眠外来へ出向くことも考えましょう。
睡眠不足だと生活習慣病のリスクが高まる!
ここでいう眠れないとは十分な睡眠時間は確保しているが、眠りが浅い、熟睡できないと言った意味です。この眠れない状態が続くとさまざまな生活習慣病のリスクが高まります。
どんな症状が現れるか見てみましょう。
どんな症状が現れるか見てみましょう。
肥満の原因になるかもしれない
肥満の原因は食べ過ぎや運動不足ということは聞いたことがある方もいるかもしれません。でも、睡眠不足も関係しているらしいです。というのは、海外の研究報告では、睡眠不足になると脳の満腹中枢を満たすレプチンという物質が減少し、食欲を増進させるグレリンという物質が増えてしまうらしいのです。そして、過食へとつながり肥満が起こるというわけです。
健康な肌がつくられない
傷ついた細胞を修復・再生したり新陳代謝を促す役割をする成長ホルモンですが、睡眠中に分泌されます。ですが、睡眠不足で熟睡できないと十分な成長ホルモンが分泌されません。
その結果、肌が荒れたり、ニキビが出来たりといった症状が現れます。
その結果、肌が荒れたり、ニキビが出来たりといった症状が現れます。
うつ病につながるおそれも・・
不眠が続くとうつ病を発症する可能性がとても高いと言われています。実際、鬱病の人の中には睡眠障害の方が多くいると言われています。
死亡率が上がるかもしれない
実際にアメリカで約100万人を対象に睡眠時間の調査をおこなった結果では、睡眠時間7時間の人たちが最も長生きをしたらしいです。この7時間よりも少ない睡眠時間の人だと死亡率が上がるとされています。睡眠が生活習慣病の免疫と関係しているかららしいのです。
快眠を取る工夫3選!
しっかりと快眠できれば、怖い生活習慣病のリスクを高めることはありません。次の日も疲れを残さず元気に活動できるはずです。最後の項目では快眠のために役立つ方法を3つお伝えします。
1. 食事は寝る3時間前までに済ます
お腹に食べ物が残っているまま寝ると、成長ホルモンの分泌がよくありません。成長ホルモンは睡眠中の新陳代謝を高め、リラックスさせ体を癒す大切なホルモンです。寝る3時間前までには夕食を済ませ、お腹が軽くなった状態で眠るようにしましょう。
2. 寝る前にスマホ・PCはしない
スマホ・PCを寝る前にするとコーヒー2杯分の覚せい作用があると言われています。また電気を消してスマホをいじっていると目への刺激が強くなり眠れない原因になるので気をつけましょう。
3. 寝る前のタバコ・お酒・コーヒーはダメ!
タバコ・お酒・コーヒーなどの刺激物は睡眠の質を下げる原因となります。寝る前にコーヒーが飲みたくなったらホットミルクにしましょう。胃腸を温めて体温を上げてくれるのでぐっすり眠れます。
1. 食事は寝る3時間前までに済ます
お腹に食べ物が残っているまま寝ると、成長ホルモンの分泌がよくありません。成長ホルモンは睡眠中の新陳代謝を高め、リラックスさせ体を癒す大切なホルモンです。寝る3時間前までには夕食を済ませ、お腹が軽くなった状態で眠るようにしましょう。
2. 寝る前にスマホ・PCはしない
スマホ・PCを寝る前にするとコーヒー2杯分の覚せい作用があると言われています。また電気を消してスマホをいじっていると目への刺激が強くなり眠れない原因になるので気をつけましょう。
3. 寝る前のタバコ・お酒・コーヒーはダメ!
タバコ・お酒・コーヒーなどの刺激物は睡眠の質を下げる原因となります。寝る前にコーヒーが飲みたくなったらホットミルクにしましょう。胃腸を温めて体温を上げてくれるのでぐっすり眠れます。
まとめ
睡眠不足が健康に与える影響についておわかりいただけましたでしょうか。仕事が忙しいから、やりたいゲームがあるからなどの理由で睡眠時間を削っていると疲れは取れないし、健康にもよくありません。
怖い生活習慣病になりたくなければ、今回お伝えした快眠を取る工夫を意識してぐっすり寝てください。
怖い生活習慣病になりたくなければ、今回お伝えした快眠を取る工夫を意識してぐっすり寝てください。
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会