はじめに

ヨガには様々な種類がありますが、その多くのヨガの流派の元になっているのがハタヨガです。
ヨガの王道と言っても過言ではないハタヨガですが、リラックス効果が高いのが特徴です。

今回はハタヨガについて解説していきます。

ハタヨガとは

ハタヨガの起源が数千年前にも遡ります。

元々、ヨガは瞑想を行っていたそうですが、ただ座って心を無にするのは普通の方では難しいとなり、ポーズと呼吸法を組み合わせたハタヨガが考案されました。

ハタヨガのハタはサンスクリット語で、ha(ハ)は太陽、tha(タ)は月という意味になります。
太陽と月は陰と陽、男と女、心と身体等と同じで、世の中の相対する代表的な存在です。

ヨガには結ぶという意味があり、ハタヨガは相対する2つを結びつけ、調和させ、バランスをとる事を意味し、これを原則としたヨガになります。

ハタヨガとヨガの違い

ハタヨガは身体を動かすヨガの元祖です。身体を動かす中には、呼吸法は勿論ですがクリヤという体内を浄化する方法、手で様々なポーズをとる印等を組み合わせて行います。現在、世界中で愛されているヨガの殆どがハタヨガから派生したものになります。ただ、今の日本で行われているハタヨガは本来の実践方法とはかけ離れている場合が多いです。

ハタヨガの特徴として他のヨガと比べて、ポーズをキープする時間が長く、比較的優しいポーズが多く、運動量が少ないという点が挙げられます。つまり、身体を動かすヨガ全般を纏めてハタヨガと呼ぶのが一般的です。

ハタヨガの効果

ハタヨガは他のヨガと比べて運動量が少なめですが、身体に様々なメリットがあります。

そのメリットを下記にまとめてみました。

1.柔軟性アップ

ハタヨガに限らず、ヨガは様々なポーズをとりながら実践していきます。それにより、普段、あまり動かす事の無い背中全体の柔軟性がアップします。柔軟性がアップすると身体全体の酸素の流れや食事をして取り込んだ栄養素の浸透率を高めてくれます。

2.体幹の強化

ハタヨガを行い、ポーズをしっかりととる事で、体幹が強化されます。

体幹は脊柱を中心とした外側・内側の筋肉、腹筋、肩甲骨、股関節等のことで、体幹を鍛える事でダイエット効果や姿勢が良くなる、身体のラインが美しく見える、疲れにくい身体が手に入る等、様々な効果があります。

3.ストレス解消

ヨガは深い呼吸法を用いて行っていきます。それにより、自然と身体だけではなく、心がリラックスできるのでストレス解消に繋がります。

4.集中力アップ

身体と精神を統一するのがハタヨガの特徴です。

しっかりとポーズをとり、その状態で自分の体力を目一杯使ってキープします。ポーズをとる度に集中のピークを経験するので、それが集中力アップに繋がります。

5.ダイエット

ハタヨガは運動だけではなくて、生活習慣を見直す事も求められます。

つまり、運動だけではなく生活を包括して整えていくので、安全で健康的なダイエット方法といえます。

ハタヨガの呼吸法

ハタヨガに限らず、ヨガを行う上でポイントになるのが呼吸法です。日本人は基本的に胸式呼吸を行っていると言われています。また、男性は腹式呼吸、女性は胸式呼吸が多いとも言われているんですね。ただ、人間は大抵の方が寝る時に横になると無意識に腹式呼吸になります。人間の赤ちゃんは腹式呼吸で呼吸をしているので、腹式呼吸が人間が最もリラックスしている時に行っている呼吸と考えられています。

そしてハタヨガはこの腹式呼吸を意識する事が凄く大事になります。腹式呼吸を行うコツとしては、仰向けで横になり、お臍に両手を当て、鼻で深呼吸してみて下さい。息を吸うとお腹が膨らむのを感じられると思います。そして息を吐く時はお腹が凹むように意識しましょう。お腹が膨らんだら胸にも吸い込んで下さい。

最初は難しいかもしれませんが、意識して呼吸するのが大事になります。呼吸を意識する事で、心も安定してきます。

お腹と胸の両方を使って呼吸する事を胸腹式呼吸といいます。ヨガの呼吸法(プラーマヤーマ)では完全呼吸といいます。

ハタヨガのポーズ

ハタヨガに興味があるけど、家でやってみようかなと思っても、どんなポーズをすれば良いの?と初心者はそこで躓いてしまいますよね?ただ、どのポーズを行うにしても大事なのは自分が気持ち良いと思うことです。

ポーズに完成型は勿論ありますが、それを追求するよりも自分の身体に合わせて行い、心地よく感じるのが第一です。

今回は家でも簡単に出来るコブラのポーズとねじりのポーズを紹介します。

コブラのポーズ

コブラのポーズの目的は胸の柔軟性を高め、背中と背骨を矯正し、首や肩、腰の懲りを取り除くことです。また、これを行う事でリフレッシュ感を味わえます。

1.うつ伏せに寝る
2.両腕を曲げて、胸の横に両手を付く。
3.肘は後方に向くように曲げる。
4.脚は腰幅に開いて、足の甲を床に付ける。
5.背筋をしっかりと伸ばし、額を床に付ける。
6.息を吐ききる
7.息を吸いながら、上体を反らす。この時、腕は添える程度で、身体を支えない。
8.顔を正面に向けてキープする
9.お尻をしっかりと締めて、恥骨を床に押し付ける。
10.この状態で5回、深呼吸する
11.腕を緩めて、額をゆっくりと床に戻す
12.7~11を2~3回繰り返す

ねじりのポーズ

ねじりのポーズの目的は背骨の矯正と自律神経を安定させることです。また、不安やイライラの改善にも繋がります。

1.脚を真っ直ぐ前に伸ばして座る。
2.左足を立てて、右膝の外側に足の裏を置く。
3.右腕を天井に向かって伸ばし、息を吸いながら上半身全体を引き上げる。
4.息を吐きながら、右腕の肘をゆっくりと左膝に引っ掛ける。
5.左手は身体の後ろに持っていき、床に触る。
6.背筋を伸ばしたまま5回、深く呼吸する。
7.コツは息を吐くごとにねじりも深くしていく
8.ゆっくりねじりを解して、数回呼吸する
9.同じように今度は反対側をやる

まとめ

ハタヨガの効果には柔軟性のアップ、体幹の強化、ストレス解消、集中力アップ、ダイエットに効果があります。呼吸法を意識して出来そうなポーズから実践してみましょう。

監修

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総合診療医 院長
専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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