こりの原因とは?

そもそも『こり』とは?

『こり』は簡単にいうと、筋肉が固まっている状態のことです。緊張したときは筋肉が固くなりますが、この状態がリラックスしているときにも続いているのが、こりです。

筋肉が緩まっているときに血液を通して栄養や酸素が運び込まれ、同時に筋肉にたまった不要な老廃物が排出されます。
しかし、筋肉がこって固まっている状態では、血液の流れがうまくいかず、不要な老廃物がたまってしまうだけでなく、栄養や酸素が十分に得られない状態になってしまいます

こりや痛みの原因

個人差がありますが、体温や代謝、筋肉量や運動の頻度などでも変わって来ます。
肩こりが進行すると、背中や肩甲骨にも痛みを感じるようになります。

これらの肩や背中、肩甲骨周辺こりの主な原因には、下記のような例があげられます。

・ストレス
・運動不足
・眼精疲労
・同じ姿勢が続くこと
(ヘルニアや疾患などもこりの原因になりますが、今回は自分で対処ができる原因と対策をあげています)

次項より、これらの原因に対する改善方法をそれぞれご提案します。

こり対策1: 上質な睡眠でストレス解消

ストレス解消と聞くと趣味や楽しみが思いつきますが、身体にとっての一番のストレス発散は、適切な睡眠時間を確保することと、質の良い睡眠をとることです。
私たちの人生の3分の1は眠っている時間だと言われていますし、睡眠は人間の三大欲求の一つでもあります。これほど身体にとって睡眠は大事なのです。

適切な睡眠時間を確保するには?

実際に睡眠時間を十分にとることは、ただ寝れば解決するとうことでもありません。
上質な睡眠のためには、まず、自分に適した睡眠時間を知ることが大切です。一般には8時間睡眠と考えられていますが、適正な睡眠時間は体質や生活環境、体調で大きく変わってきます。

理想的な睡眠時間を知るためのポイントは、以下の2つです。
・リラックスした状態で睡魔が来るのを待って眠りにつく
・自然と目が覚めるまで眠る

日常生活でなかなか簡単にできませんが、自分に適した睡眠時間が見つかるよう、少しずつ睡眠の時間を変えてみましょう。
最初は難しいかもしれませんが、体が慣れてきた頃には、適正な睡眠時間が分かるようになるでしょう。
ご自身で体感することも非常に重要です。

睡眠の質を上げるには?

近年ではショートスリーパーと呼ばれる方々がいらっしゃいます。睡眠時間が2~3時間と短い方たちのことですが、彼らは熟睡の状態になるまでが早く、熟睡時間が長いのが特徴だそうです。つまり、短い時間で質の高い睡眠をとっているということです。

ショートスリーパーの方々のように、睡眠の質を高めるには、以下の4つに注意しましょう。
・寝る直前1時間前などに、スマホやパソコン、テレビを見ないように注意する。
・自分に合った寝具(枕、ベット、衣類、毛布など)を使用する。
・香りや音楽など自分がリラックスした気持ちになれるように心がける。
・寝る前にお風呂につかり体を温め、水分をよくとる。

寝る前に脳への刺激を減らし、ぼーっとする時間をとることが、睡眠の質を高めるためのコツです。

こり対策2: 運動不足を解消する

運動不足によって筋肉を使わないことも、こりの原因の一つなので、運動をして血流をよくすることで、こりの予防・改善につながります。

一口に運動といっても、目的により内容は変わってきます。
こりの改善の場合は、こりを感じている筋肉とその周辺の筋肉をほぐすことがポイントです。積極的に動かし、ストレッチをすることで、こりの改善につながります。
また心拍数や体温によっても体は変化します。自分にとって適度な運動強度を調整しましょう。

小さい頃の夏休みに行った『ラジオ体操 第一』は手軽に全身をほぐせるので、普段運動をしない方や何から始めて良いかわからない方は、手始めにやってみてはいかがでしょうか?
また、お風呂上がりの体が温まっているときにストレッチを行うのも効果的です。

こり対策3: 眼精疲労を解消する

スマホやパソコン、テレビなどの影響で、眼精疲労を感じている方が多いと思います。それ以外でも、何かに集中している時は目の周りの筋肉に負担がかかっています。
眼精疲労は肩、首、背中、肩甲骨周辺のこりにつながります。

眼精疲労を改善するオススメの方法は、アイマスクと目の周りのマッサージです。

アイマスクは近年、コンビニやドラッグストアで手軽に買えるようになりました。香りがついているものや、じんわりと温まるものもあるので、使用することにより、睡眠の質を上げることにもつながります。

目の周りのマッサージは、親指で3~5秒間ほど目の周りのツボを押すのがオススメです。
また、眉毛を縦横につまむようにして、動かしてあげるとむくみが取れて目元がスッキリします。
アイマスクで温めた後や、夜のスキンケアのついでにするのも良いでしょう。気持ちがいいと感じるところが、特に疲れている部分です。
強くやり過ぎるとまぶたのたるみ、くまの原因にもなったり、目を傷めてしまったりするので、優しく押しましょう。

こり対策4: 定期的に姿勢を変える

デスクワークや工場のライン作業の方に肩こりや腰痛が多いのは、同じ姿勢が続くことが最も大きな原因だと考えられます。

予防・対策として、定期的に姿勢を変えたり、腕で腰を回すなどのストレッチを行ったりしましょう。
仕事中は一つのことに集中しがちですが、水分補給をするときや食事休憩のときなどに積極的に身体を動かしましょう。特に、固まりがちな首や肩、腰を動かすと良いでしょう。

こり対策5: 時にはプロや医薬品の力をかりる

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こり対策のいろいろな方法をご紹介してきましたが、時には体のプロによるコリに対する施術や、医薬品の力をかりることも良いでしょう。
自分で手の届かない部分のこりが解消されたり、思わぬこりの原因を教えてもらえたり、気が付いたりすることもあります。
マッサージや鍼灸など、少しお値段はかかりますが、自分だけで抱え込まずに相談してみましょう。

また、薬は飲まない方が良いのでは?と考えてしまうことも少なくないですが、用法用量をしっかり守って使用することにより症状が改善することがあります。
自分の身で抱え込まずに、医師や薬剤師に相談するのも良いでしょう。

ご紹介した自身でのケアと合わせれば、より高い相乗効果を得られるかもしれません。

おわりに

こりの4つの原因と、それぞれの改善方法についてご説明しました。睡眠、運動、眼精疲労、姿勢に気を付け、日々の生活を少しずつ改善していきましょう。
最初から4つすべてを見直すのは難しいので、一つずつ自分に合った方法で始めていただけると良いと思います。
こりを改善して生き生きとした生活を手に入れてください!

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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