はじめに

ぎっくり腰になると、腰が痛くなり思うように仕事ができなかったり、普段の生活にも支障をきたしてしまいます。重たい物を持ち上げたり、腰に負担がかかるようなことをすると腰を痛めてしまうことがあるので、トレーニングをする際にもきちんと腰の負担を考えながら行う必要があります。

ぎっくり腰とは

一般的に言われているぎっくり腰は急性腰痛と言います。ぎっくり腰は突然、腰に負荷がかかることで起こりますが、立ち上がろうとした時や腰を軽く曲げる動作をした時など軽い負荷がかかっただけでも起こってしまうことがあります。

数日くらいで痛みが和らいできますが、放置すると慢性的な腰痛に悩まされることがあります。また椎間板ヘルニアなど他の病気が隠れている場合もあるので、痛みが続くような時は整形外科などを受診するようにしましょう。

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰と聞くと重たい物を持ち上げた時になるというイメージですが、日常生活の何気ない動作でも起こってしまうことがあるのです。どのようなことが原因になるのか早速見ていきましょう。

原因1.重たい荷物を持ち上げる

重たい荷物を持ち上げるなど、腰に急激な負荷がかかると、筋肉などに負担がかかりぎっくり腰になってしまうことがあります。

原因2.起き上がろうとした

ベットなどで寝ている状態から起き上がろうとした時にぎっくり腰になってしまうか方がいます。朝にベットなどから起き上がる時は腰をひねる動作をするので注意してください。

原因3.日常生活の動作

日常生活で前かがみになって作業をする方はぎっくり腰になりやすいです。日常生活で床に物を落とした時など腰をかがめることがありますが、前かがみの姿勢は腰周辺の筋肉などに負担がかかってしまうためです。

原因4.同じ姿勢でいる

デスクワークなどで長時間同じ姿勢を保ったままでは、関節や筋肉が固まり、また血流も滞ってしまうためぎっくり腰になりやすいです。反対に同じ姿勢で長時間立ったままでも腰に負担がかかり痛める原因となります。

原因5.腰に病気がある

椎間板ヘルニアや骨折など、何かの病気がある時に腰が痛くなることがあります。腰痛が続くときは整形外科医に相談すると良いでしょう。

ぎっくり腰予防のストレッチ

ストレッチで腰の筋肉を鍛えてぎっくり腰を予防しましょう。

寝た状態で行うストレッチ

1.仰向けになり右側の膝を立て、左ひざは抱えます。
2.左膝を胸側にゆっくりと引き寄せたまま5秒間保持します。
3.ゆっくりと左膝を伸ばして、今度は左側の膝を立てます。
4.右膝を胸側にゆっくりと引き寄せたまま5秒間保持します。
5.左右の膝を抱えて痛みが出ない程度に丸くなります。

回旋ストレッチ

1.仰向けになります。
2.両手は肩と同じ高さに広げて顔は左側を向くようにします。
3.右足はそのままで左足を右側の方にもっていき、約10秒間その姿勢を維持します。
4.右足も同じように行います。

腰痛に効果のあるストレッチ

慢性的な腰痛が続いているとぎっくり腰を起してしまうことがあります。腰痛を防ぐストレッチでぎっくり腰を未然に防ぎましょう。

座った状態で行うストレッチ

1.椅子などに座って、両足を腰の幅に広げます。
2.1の状態で上半身を右側に曲げます。
3.左手で右ももを押さえながら更に右にひねります。
4.3の状態を30秒間維持してゆっくり元に戻します。

寝た状態で行うストレッチ

1.仰向けに寝て両膝を立てます。
2.両足を床につけたまま膝を右側に倒して5秒間維持します。
3.膝を元に戻したら、左側も同じように倒します。
4.この繰り返しを5回くらい行うと効果的です。最低でも3回は続けるようにしましょう。

立った状態で行うストレッチ

1.足は腰の幅に広げて、手は腰に当てます。
2.腰だけ回すような感じで円を描くように腰を大きく回します。

ぎっくり腰になってしまったら

ぎっくり腰を起こした直後や症状が治まるまでの数日間は、無理をしないことは大切ですが、ベットで安静にしている必要はありません。症状が緩和して痛みがないようであればストレッチやエクササイズなどで腰の筋肉を軽く動かしてあげましょう。

また、ぎっくり腰になっても動けるようであれば、無理のない程度で日常生活を送るようにしてください。普段通りに生活することで回復が早まります。

湿布や痛み止めの薬は症状や痛みの程度に合わせて使いましょう。症状は約1ヶ月以内に治まることがほとんどですが、治るまでに3ヶ月くらいかかることもあります。痛みが長期間続く時や症状が悪化するような時は整形外科を受診して検査などを受けるようにしてください。

おわりに

ぎっくり腰を起さないためにも、腰に負担がかかるような姿勢は避けるようにしましょう。また、前かがみで物を拾う時などは、膝を曲げたり腰に負担が掛からないような姿勢を心がけことが大切です。

また、同じ姿勢を保つことが多い方は、ストレッチをするなど筋肉を伸ばして血行を良くしましょう。腰痛がひどい時はコルセットを装着したり腰に負担がかからないようにしてください。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

関連する記事

関連するキーワード

著者