はじめに

メリハリのある体はとても理想的です。筋肉をしっかりとつけて、余計な脂肪を減らすということを目標にダイエットを頑張っている方も多いのではないでしょうか。今回は、脂肪燃焼に効果的な筋トレ・有酸素運動・食事についてご紹介します。

運動と脂肪燃焼の関係

脂肪細胞に蓄積されている脂肪は、運動と食事制限によってエネルギー源として使われます。

運動をすると体温が上がり、血糖値が下がることで脂肪細胞から脂肪が取り出されます。
そして、そこで血糖値を安定させようとするホルモンであるグルカゴンが分泌され始めるのです。
このグルカゴンから指令が出されると、脂肪分解酵素であるリパーゼによって、体脂肪が脂肪酸とグリセリンに分解されていきます。それが血液中に溶け出し、筋肉に運ばれると運動エネルギーとして消費され、体脂肪が燃焼されていくという仕組みです。このように、運動と脂肪燃焼は深く関係しています。

<正しい脂肪燃焼トレーニングの順番>

今まで筋トレと有酸素運動の両方を実践したにもかかわらず思うようにダイエット効果が得られなかったという人もいるのではないでしょうか?
それは、適切な順番でトレーニングを行わなかったことが理由かもしれません。

まず最初に10分ほど軽くウォーキングをします。次にストレッチ、それから筋トレ、最後に有酸素運動という流れが正しい順番です。

筋トレが先になる理由は、脂肪細胞の中にリパーゼという脂肪分解酵素が含まれているからです。この成分は中性脂肪を遊離脂肪酸に変化させます。遊離脂肪酸とは、筋肉を含め身体の各器官で活動のエネルギーとして使うことのできるものです。その遊離脂肪酸は血液によって筋肉に運ばれ、酸素と合わさり、エネルギーになるのです。リパーゼが働いてくれることで脂肪燃焼効果も自然とアップします。

成長ホルモンは脂肪分解を促進すると言われています。リパーゼの量を増加させる働きを持っているからです。
成長ホルモンは、子供だけのものではなく、大人でも分泌されます。
筋トレの刺激によって成長ホルモンが分泌されるので、その結果、脂肪分解酵素のリパーゼが増加し、脂肪燃焼を促してくれます。

そのため、筋トレで筋肉を刺激した上で、10~15分程度休憩をとり、そのあとに有酸素運動を行うのが理想的な方法です。休憩している間に成長ホルモンがリパーゼを多く分泌するため、しっかりと休憩をとることも重要なポイントです。

筋トレを開始して有酸素運動を始めるまでの時間が1時間くらいになるようにトレーニングを進めていくと良いでしょう。筋トレ後に有酸素運動を行うことで、運動後も脂肪燃焼が継続して行われます。

脂肪燃焼に効果的な筋トレ

筋トレは脂肪燃焼に欠かせない運動です。脂肪を落とすためには、まず筋肉をつけて脂肪を燃やすことが大切です。

メタボ気味の方などお腹の脂肪が気になる方は、スクワットがおすすめです。人間の体の中で最も大きい筋肉はふくらはぎです。脚は第二の心臓と言われるほど大事な役割を担っていて、血液のポンプの役割があります。

そんな脚の筋肉を燃焼させることで基礎代謝をあげられますし、痩せることへとつながります。足の筋肉というのは、幸いなことにトレーニング後に成長ホルモンが排出されやすい部位となっていて、脚の筋肉が少ない方は特に良い結果が出やすいです。

そのほかに、腕立て伏せも脂肪燃焼に効果的でしょう。そのほかには、背筋を鍛える筋トレも効果的です。最初は少々きついと思いがちなのですが、慣れると何ら問題なく行えるようになります。

まず頭の横あたりに両手を添え、背中を反って頭を持ち上げます。上を見上げるようにするのがコツです。頭を持ち上げたところで一時停止します。そしてゆっくりと頭を下すというのを繰り返し行う筋トレです。

脂肪燃焼に効果的な有酸素運動

有酸素運動とは、運動中に多くの酸素を取り込む運動の事です。ウォーキングやジョギング、水泳、自転車、縄跳びなどがあります。
有酸素運動は、体内に取り込んだ酸素を使って糖質・脂肪を燃焼させる効果があるのです。長い時間、継続して運動を行うことができるという特徴もあります。
そして運動した分だけ体内の糖と脂肪がエネルギーに変化し、蓄積された体脂肪の燃焼効果が期待できるので、ダイエットへとつながります。このほか有酸素運動をすることで得られる効果は、心肺機能の改善、血管の柔軟性の改善・骨の強化などがあげられます。

そして、女性に嬉しい効果もあります。有酸素運動は主に下半身の運動なので、血行を良くすることができます。血行不良が良くなると、美肌効果やむくみの解消も期待できます。無酸素運動や筋トレと組み合わせて行うことでより高いダイエット効果を得ることができ、健康維持にも役立ちます。

脂肪燃焼に効果的な食事

普段の食事でも脂肪燃焼効果の高いものを取り入れるといいでしょう。
それでは、体脂肪を燃焼させることのできる食材をご紹介します。

<トウガラシ>

トウガラシに含まれる辛みの成分に、脂肪燃焼効果のあるカプサイシンが含まれています。カプサイシンが体内に入ると脂肪がエネルギーに変わっていきます。

<ショウガ>

ショウガを使った料理を食べると体が温まります。これはジンゲロンという成分が関係しているのです。このジンゲロンも脂肪燃焼を促進することがわかっています。

<リンゴ>

食物繊維も豊富なため、一日に一個食べるだけで食欲を抑制する効果があり、ダイエットにつながります。さらにフラボノイドという成分によって、血糖値を下げることもできます。

<ブロッコリー>

グルコシノレート・葉酸・ビタミンCが脂肪を燃焼させてくれる効果が期待できます。
がん予防効果も期待できます。

<ピーナッツ>

ピーナッツには、食物繊維や善玉脂肪が豊富に含まれます。そして、タンパク源も豊富です。普段から摂取しておくことで効率よく脂肪燃焼が行えます。1日の摂取量は大体20粒が目安です。カルシウムも含んでいるため骨粗しょう症予防にもよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?今回はダイエットに適した筋トレと有酸素運動、食事についてご紹介しました。ただ単に筋トレや有酸素運動を行うだけではなく、正しい組み合わせ、順序で行うことの重要性をお伝えしました。正しい方法で筋トレと有酸素運動を生活に取り入れ、ダイエット成功を目指しましょう!

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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