基本のプランクのやり方
まずは基本となるプランクの正しいやり方とポイントをご説明します。
① 四つ這いの状態から両腕を肩幅に開き、肘を90度に曲げた状態で左右の肘から手首が平行になるように床につきます。
② 足を骨盤の幅に開いてつま先だけを床につきます。
③ 腕とつま先だけで身体を支え、横から見た時に肩から足首までが一直線になるように浮かせます。
④ 自然に呼吸をしながら身体を支えて姿勢を維持します。
① 四つ這いの状態から両腕を肩幅に開き、肘を90度に曲げた状態で左右の肘から手首が平行になるように床につきます。
② 足を骨盤の幅に開いてつま先だけを床につきます。
③ 腕とつま先だけで身体を支え、横から見た時に肩から足首までが一直線になるように浮かせます。
④ 自然に呼吸をしながら身体を支えて姿勢を維持します。
基本のプランクのポイント
■余分な肩の力を抜く
プランク姿勢を保持することが難しい方に多いのが、肩に力が入りすぎて首がすくんでしまうことです。
こうなると、肩こり筋である『僧帽筋』で上半身を支えることになり、本来鍛えたい肩甲骨周りの筋肉が使いにくくなってしまいます。
肩の余分な力を抜き、脇を軽くしめ、肘で床面を押す意識をもって行うようにしてください。
こうなると、肩こり筋である『僧帽筋』で上半身を支えることになり、本来鍛えたい肩甲骨周りの筋肉が使いにくくなってしまいます。
肩の余分な力を抜き、脇を軽くしめ、肘で床面を押す意識をもって行うようにしてください。
■下腹を軽くひっこめる
身体を横から見たときに肩から足首までが一直線になるようにするのがプランクの正しい姿勢です。そのためには、腹筋がうまく機能する必要があります。
お尻が上がったり、腰が反ったりしないように肛門を軽く引き締めるのと同時に、下腹も軽くひっこめる意識をしてみてください。
お尻が上がったり、腰が反ったりしないように肛門を軽く引き締めるのと同時に、下腹も軽くひっこめる意識をしてみてください。
■呼吸を止めない
プランク姿勢をとると、姿勢を固定しようとするあまり呼吸も止まってしまいがちです。
しかし、呼吸が止まった状態では良い姿勢を維持するためのインナーマッスル以上に、身体をがちがちに固めるアウターマッスルが働きやすくなってしまいます。こうなると、体幹の安定性向上というプランクトレーニングの効果が得られにくくなります。
姿勢が整ったら意識して鼻から吸って口から吐く呼吸を続けるようにしましょう。
しかし、呼吸が止まった状態では良い姿勢を維持するためのインナーマッスル以上に、身体をがちがちに固めるアウターマッスルが働きやすくなってしまいます。こうなると、体幹の安定性向上というプランクトレーニングの効果が得られにくくなります。
姿勢が整ったら意識して鼻から吸って口から吐く呼吸を続けるようにしましょう。
プランクの効果
■腰痛、肩こりの予防・改善
腰痛や肩こりの原因として、腹筋や背筋、肩甲骨周りの筋力低下があげられます。
プランクトレーニングでそれらの筋肉を鍛えることで、慢性腰痛やぎっくり腰、肩こりや五十肩などさまざまなトラブルの予防にもつながります。
プランクトレーニングでそれらの筋肉を鍛えることで、慢性腰痛やぎっくり腰、肩こりや五十肩などさまざまなトラブルの予防にもつながります。
■お腹や背中の引き締め
下腹や横腹は上体起こしなどの普通の腹筋トレーニングでは、なかなかたるみが取れないことが多いようです。
プランクトレーニングでは、収縮する腹横筋の機能が高まることで、お腹や背中のたるみの引き締めにつながります。
プランクトレーニングでは、収縮する腹横筋の機能が高まることで、お腹や背中のたるみの引き締めにつながります。
■姿勢改善
プランクは肩甲骨も含む体幹部を正しい位置に固定するトレーニングです。
姿勢を保持するために必要な筋肉を鍛え、身体にその姿勢を覚えこませることで、普段の座位や立位姿勢でも無意識に姿勢が整うようになります。
姿勢を保持するために必要な筋肉を鍛え、身体にその姿勢を覚えこませることで、普段の座位や立位姿勢でも無意識に姿勢が整うようになります。
■スポーツパフォーマンス向上
プランクトレーニングによって体幹が安定すると、スポーツ競技におけるフォームも安定しやすくなります。
また、手足の筋力の基盤となる体幹部が安定することで、手足の筋力も発揮しやすくなり、俊敏に動かせるようにもなります。
体幹の安定によって動きをよりコントロールしやすくなることから、膝関節や足首など体幹部以外のケガの予防にもつながるなど、スポーツ競技において、体幹の安定性が向上することで多くのメリットが期待できます。
また、手足の筋力の基盤となる体幹部が安定することで、手足の筋力も発揮しやすくなり、俊敏に動かせるようにもなります。
体幹の安定によって動きをよりコントロールしやすくなることから、膝関節や足首など体幹部以外のケガの予防にもつながるなど、スポーツ競技において、体幹の安定性が向上することで多くのメリットが期待できます。
プランクのバリエーション5種
プランクトレーニングはフォームを少しずつ変化させることで負荷を減らしたり、上げたりすることができます。ご自分に適したものを選択して行ってみてください。
■膝つきプランク
プランク姿勢を保持することが筋力的に難しい方におすすめのトレーニングです。
つま先ではなく、膝をつくことで必要な筋力が軽減し、姿勢が保持しやすくなります。
① 四つ這いの姿勢から両腕を肩幅に開き、肘を90度に曲げた状態で左右の肘から手首が平行になるように床につきます。
② 膝を骨盤の幅に開いて床につき、90度程度に曲げておくことで膝下は床に触れないようにします。
③ 腕と膝だけで身体を支え、横から見た時に肩から両膝までが一直線になるように浮かせます。
④ 自然に呼吸をしながら身体を支え、姿勢を維持します。
つま先ではなく、膝をつくことで必要な筋力が軽減し、姿勢が保持しやすくなります。
① 四つ這いの姿勢から両腕を肩幅に開き、肘を90度に曲げた状態で左右の肘から手首が平行になるように床につきます。
② 膝を骨盤の幅に開いて床につき、90度程度に曲げておくことで膝下は床に触れないようにします。
③ 腕と膝だけで身体を支え、横から見た時に肩から両膝までが一直線になるように浮かせます。
④ 自然に呼吸をしながら身体を支え、姿勢を維持します。
■ストレートアームプランク
基本のプランクが肘をついて行うのに対し、ストレートアームプランクは肘を伸ばした状態で手のひらを床について行います。
肘を伸ばし切った状態でロックできるので、腕の筋肉が多少楽になります。体幹部の姿勢保持に集中できるため、膝つきプランクと同様にプランク初心者の方や上半身の筋力が弱い方にはおすすめのトレーニングです。
やり方は基本のプランクを参考にし、手のひらを床につき、腕を真っ直ぐ伸ばして行います。ただし、この際にも肩の余分な力は抜き、肩甲骨で床を押す意識を持つようにしましょう。
肘を伸ばし切った状態でロックできるので、腕の筋肉が多少楽になります。体幹部の姿勢保持に集中できるため、膝つきプランクと同様にプランク初心者の方や上半身の筋力が弱い方にはおすすめのトレーニングです。
やり方は基本のプランクを参考にし、手のひらを床につき、腕を真っ直ぐ伸ばして行います。ただし、この際にも肩の余分な力は抜き、肩甲骨で床を押す意識を持つようにしましょう。
■サイドプランク
横向きで片側の肘を床につけて行うプランクです。
基本のプランクよりも難易度が高く、バランスが取りにくくなります。
体幹の安定性に大きく関与し、基本のプランクで鍛えられる腹横筋をさらに収縮させることができます。横腹の引き締めにも大変効果的なので、気になる方には特におすすめのトレーニングです。
① 床に横向きに寝て、下になる方の肘を曲げて肘から先を床につきます。
② 下になっている側の足の側面と肘から先だけが床につくように腰を浮かせます。
③ 身体を上から見たときに、肩から足首が一直線になるように姿勢を整えます。
④ 自然に呼吸をしながら身体を支え、姿勢を維持します。
筋力的に難しい場合は、サイドプランクも膝を曲げて膝の側面を床について行う形に変更することが可能です。
基本のプランクよりも難易度が高く、バランスが取りにくくなります。
体幹の安定性に大きく関与し、基本のプランクで鍛えられる腹横筋をさらに収縮させることができます。横腹の引き締めにも大変効果的なので、気になる方には特におすすめのトレーニングです。
① 床に横向きに寝て、下になる方の肘を曲げて肘から先を床につきます。
② 下になっている側の足の側面と肘から先だけが床につくように腰を浮かせます。
③ 身体を上から見たときに、肩から足首が一直線になるように姿勢を整えます。
④ 自然に呼吸をしながら身体を支え、姿勢を維持します。
筋力的に難しい場合は、サイドプランクも膝を曲げて膝の側面を床について行う形に変更することが可能です。
■リバースプランク
本来のプランクと反対に、背中側を床に向けて行うプランクです。
基本のプランクに比べ、お尻の筋肉や背筋など、背中側の筋肉に対する効果の高いトレーニングです。
① 両足を骨盤の幅に開いて両膝を立てて床に座ります。
② 身体の後ろの床に両手のひらをつきます。指先は頭側ではなく、足側に向けましょう。
③ 背筋を伸ばして胸を張り、ゆっくりとお尻を持ち上げます。
④ 身体を横から見たときに膝から肩までが一直線になるようにし、呼吸を止めることなく姿勢を維持します。
肩や膝関節の柔軟性が低下している場合は、痛みを伴うことがあります。強い痛みの場合は、一旦中止してストレッチなどを行い、柔軟性を高めることを優先しましょう。
基本のプランクに比べ、お尻の筋肉や背筋など、背中側の筋肉に対する効果の高いトレーニングです。
① 両足を骨盤の幅に開いて両膝を立てて床に座ります。
② 身体の後ろの床に両手のひらをつきます。指先は頭側ではなく、足側に向けましょう。
③ 背筋を伸ばして胸を張り、ゆっくりとお尻を持ち上げます。
④ 身体を横から見たときに膝から肩までが一直線になるようにし、呼吸を止めることなく姿勢を維持します。
肩や膝関節の柔軟性が低下している場合は、痛みを伴うことがあります。強い痛みの場合は、一旦中止してストレッチなどを行い、柔軟性を高めることを優先しましょう。
■バランスボールプランク
バランスボールプランクは肘をバランスボールの上に乗せて行うプランクです。
弾力のあるバランスボールの上で行うことで、バランスがとりにくく、さらに体幹の安定性が必要になるハードなトレーニングです。
弾力のあるバランスボールの上で行うことで、バランスがとりにくく、さらに体幹の安定性が必要になるハードなトレーニングです。
プランクを行う秒数
プランクトレーニングでは、正しい姿勢を保持できなければ、本来の効果を得ることができません。よって、プランクの姿勢を継続する時間は、その方の筋力や持久力によっても異なります。
初心者が行うとき
トレーニング初心者でプランクの姿勢を保持することが困難な方は、まず5~10秒から始めましょう。
それでもフォームが崩れてしまう場合は、前項でご紹介した『膝つきプランク』や『ストレートアームプランク』から始め、できるようになってきたら基本のプランクに挑戦するようにしましょう。
それでもフォームが崩れてしまう場合は、前項でご紹介した『膝つきプランク』や『ストレートアームプランク』から始め、できるようになってきたら基本のプランクに挑戦するようにしましょう。
中・上級者が行うとき
トレーニングに慣れており、プランク姿勢を保持することができる方は、15秒、30秒というように徐々に継続する時間を延ばしていきます。
アスリートなどは、体幹の持久力を向上させる目的で、1分間程度継続して行うこともあります。
アスリートなどは、体幹の持久力を向上させる目的で、1分間程度継続して行うこともあります。
プランクを行う頻度
プランクトレーニングを行う適切な頻度についても人によってさまざまです。
中・上級者が行うとき
プランクトレーニングは、基本的に自重(自分の体重)を負荷としているので、トレーニング上級者で自重がそれほどの負荷にならない場合は、毎日行っても構いません。
特に、スポーツ競技を行う前のウォーミングアップとしてプランクトレーニングを行うことで、体幹の安定性が増し、パフォーマンスの向上につながります。このような場合には、毎日行うことも適切であるといえます。
特に、スポーツ競技を行う前のウォーミングアップとしてプランクトレーニングを行うことで、体幹の安定性が増し、パフォーマンスの向上につながります。このような場合には、毎日行うことも適切であるといえます。
初心者が行うとき
プランクトレーニングを行った後に筋肉痛が生じるような場合は、その方にとって自重を支えることが、相当な負荷になっていることを示しています。
筋肉痛が残ったままトレーニングを行うと、修復中の筋肉に対して追い打ちをかけることになってしまいます。このような場合は最低2~3日あけ、筋肉の状態がある程度落ち着いてから再度トレーニングを行うようにしてください。
筋肉痛が残ったままトレーニングを行うと、修復中の筋肉に対して追い打ちをかけることになってしまいます。このような場合は最低2~3日あけ、筋肉の状態がある程度落ち着いてから再度トレーニングを行うようにしてください。
おわりに
今回は、プランクトレーニングについて正しいやり方や効果、秒数や頻度、そしてさまざまなバリエーションをご紹介しました。
自分の体重を支えるだけの筋力が必要であり、正しいフォームに慣れるまでは難しく感じるかもしれません。
しかし、いつでもどこでも身体一つでできるうえ、上半身、下半身、体幹と全身を一度に鍛えることのできる効率の良いトレーニングです。
健康のため、競技力向上のためなど、さまざまな目的に使えるトレーニングでもあるので、ぜひ挑戦してみていただければと思います。
自分の体重を支えるだけの筋力が必要であり、正しいフォームに慣れるまでは難しく感じるかもしれません。
しかし、いつでもどこでも身体一つでできるうえ、上半身、下半身、体幹と全身を一度に鍛えることのできる効率の良いトレーニングです。
健康のため、競技力向上のためなど、さまざまな目的に使えるトレーニングでもあるので、ぜひ挑戦してみていただければと思います。
総合診療医
経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。
資格
医師免許
所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会