はじめに

体脂肪がなかなか減らずに悩んでる方も多いと思います。
そこで今回はそもそも体脂肪とは何かという事と脂肪燃焼のメカニズムを説明し,
脂肪を燃焼する運動法と食事法について紹介します。

体脂肪って何?

食べ過ぎ等で消化しきれなかったエネルギーは体脂肪として体に残ります。これは中性脂肪と呼ばれています。運動やお腹が減った時には分解され、筋肉や脳といった必要なところにエネルギーを供給する役割があります。

体脂肪(中性脂肪)は、

1皮下脂肪: 目で見える体の贅肉。皮下脂肪は温度調整をするほか、筋肉や骨を守るクッションの役割を果たしていて、ある程度生命活動には必要な脂肪です。

2内臓脂肪: 肝臓や心臓の内臓の周りについた脂肪です。内臓脂肪が増えると動脈硬化を引き起こす物質がたくさん分泌され、糖尿病・高血圧・脂質異常症になるリスクが高くなります。これを一般的にメタボリックシンドロームと呼んでいます。

3筋肉の周りの脂肪: いわゆる霜降り

の三つに分類されます。
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皮下脂肪には性的魅力を引き立てる効果も。

脂肪の分解

空腹時や運動時など、エネルギーを自足しなくてはならない時、ホルモン感受性リパーゼという酵素が働いて、中性脂肪はグリセロールと脂肪酸に分解されます。

遊離した脂肪酸はアルブミンという物質とくっついて、血中を流れて細胞に運ばれ、細胞内のミトコンドリアにて大きなエネルギーを産み出します。

グリセロールからもエネルギーが産出されますが、無視できる程度の量です。

脂肪を最後まで分解するには糖分から得られるオキサロ酢酸という成分が必要ですが、飢餓や絶食時で体内に十分な糖分の供給量がない時、脂肪酸はケトン体というエネルギー物質に変身します。
脳みそや赤血球は通常ブドウ糖のみをエネルギー源としていますが、緊急時にはこのケトン体をエネルギーとして使うこともできます。また、ケトン体が優先的に脳や他の臓器にエネルギーを供給することで、血糖値が一定に保たれています。今巷で流行っているケトジェニックダイエットとはこの体の仕組みを利用したダイエット法です。

軽く運動しただけでは体脂肪はエネルギーとして利用されない?

実は静止状態、低負荷のエクササイズでエネルギーの70%が脂肪からまかなわれているのです。おもに呼吸、体温調節、消化、分泌に使われており、脂肪のターンオーバーは普段から行われているんです。

食事と運動、どちらがダイエット効果がある?

食事です。
運動に依存したダイエットは逆に太ってしまう危険をはらんでいます。

有酸素運動しているのに太る理由とは?

自分が思っている以上に食べていて
思っているほどエネルギーを消費できていないというのが最大の理由です。

そもそも有酸素運動でカロリーを燃焼する行為は、思っている以上にハードです。

下記は、100kcalを消費するために必要な運動時間のおおよその目安です。

体重50kgの人が運動で100kcal消費するのにかかる時間
歩く:107m/分 (平地) 約23分
きびきび歩く:120m/分 (平地) 約18分
一般的なジョギング 約16分
自転車に乗る (ゆっくり) 約19分
自転車に乗る (速い) 約14分
階段の昇り降り 約16分

参照(http://slism.jp/communication/shohi-100kcal.html

100キロカロリーは食べ物で言うと食パン半分、茶碗半分以下です。食べて無くなるのは一瞬です。トレッドミルで走ったことが経験がある人なら分かると思いますが『あんなに頑張ったのにたったこれだけ?全然割に合わない』という感じです。

痩せたいと言う理由で嫌々運動をしていると、運動がだんだん苦しいものに感じられ、
頑張った自分へのご褒美として、意識的あるいは無意識的に食べる行為を正当化する傾向が強くなっていきます。

また、運動しているからご飯は我慢しなくても大丈夫という心理から、食欲旺盛になりがちです。ある統計によると、運動後にデザートの摂取量が44%増加し、野菜の摂取量が32%減るというデータもあります。

筋トレは効果がある?

ダイエット対エクササイズ Episode 1: Fat Loss Diet versus Best Cardio Workout to Burn Belly Fat

エクササイズでカロリーを消費するのが、いかに大変かを物語る動画です。
筋力トレーニングはどうでしょうか?

研究1 12週間実施、週5で脂肪率1%減少(0.45kgの脂肪減少、0.9kgの筋肉増量)(週3の筋トレ、週2のインターバルトレーニング)食事制限なし
研究2 10週間のトレーニング(週3で持久力、週2で筋力トレーニング)計50回のトレーニングを実施 食事制限なし
脂肪→ エクササイズ 1.09kg 減少 エクササイズ無し0.40減少
筋肉→0.77kg増加 vs 0.09増加 差 0.68kg

三ヶ月週5回のトレーニングを行って脂肪率の変化はたったの1%。50回のトレーニングで減った体脂肪は1kg以下です。果たして費やした時間、身体的苦痛などの対価に見合っていると言えるでしょうか? もう分かりますね? 運動だけで痩せるのはコストパフォーマンスが悪いのです。効率よく痩せるには食事を管理することが最前提です。

脂肪燃焼を助ける食事

1 たんぱく質を優先的に摂取する: 除脂肪量の維持と増加 満腹感の持続。基礎代謝のアップ(タンパク質を消化する時にカロリーが必要なため)
2 野菜と果物の量を増やす: 満腹感アップ 栄養バランス改善 回復効果
3 良質な炭水化物の摂取: ホルモンの正常化 食欲を抑える効果
4 良質な脂肪の摂取: ホルモンバランスのコントロール、免疫向上等
5 加工食品、清涼飲料を控える:同じカロリーでも加工された食品のカロリーの方が身体に残りやすい。

目標にしている体脂肪によって必要な量や頻度は異なります。
例えば男性10-12%、女性20-22%の体脂肪率を目指すのであれば以下のような内容を実践してみてください。注: 個人差もあるので万人に当てはまるわけではありません。

1 早食いを避け、腹八分目で終わらせる 
2 拳1-2個分の野菜を摂取する

脂肪燃焼を助ける運動

運動をやっても効果がないというのは、栄養が管理できていない場合の話です。きちんと取り組めば、運動によって脂肪の燃焼を加速させ太りにくい体を作ることが出来ます。

筋力トレーニングやインターバルトレーニングといった高負荷の運動を効果的に取り入れることで、筋肉量を増やし脂肪率を下げることが可能です。高負荷のエクササイズは糖代謝を促進したり、食欲を抑える効果も期待できます。

有酸素運動やランニングは全く運動のやり方がわからない初心者にはとっつきやすい面もありますが、油断していると摂取カロリーを増やす原因になるので注意しましょう。純粋に走るのが好き、楽しい、気分が良くなるのなら問題がありませんが、痩せるために辛さを我慢してまで走る必要はありません。

男性10-12%、女性20-22%を目指しているなら週3-4回、45分~60分汗をかくのを目標に取り組んでみてください。

自分が心から楽しいと思える運動で身体を動かしたり、ヨガや瞑想、ストレッチなどでストレスを減らし健全な精神状態を保つことも大事です。

まとめ

いろいろ脂肪にまつわる話をしましたが、いかがでしたか? ダイエットの知識も、ネットで検索すればいくらでも欲しい情報が手に入る便利な世の中です。知識を得ることに満足せず、具体的な行動に移し、小さなことから始めてみてください。

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