はじめに

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ストレスを感じたり、身体に不調を覚えたりしたとき、皆さんはどのようなマッサージを取り入れていますか?

ハンドマッサージは、自宅で手軽に行えるだけでなく、身体の不調を和らげるだけでなく、心をリフレッシュさせたいときにも非常に効果的な施術法です。

今回は、このハンドマッサージの効果や方法について詳しくご紹介いたします。

ハンドマッサージとは

ハンドマッサージとは、手に存在するツボを刺激することで、身体が本来備えている自然治癒力を引き出し、健康を取り戻す効果が期待できるマッサージ方法です。

手は「第二の頭脳」とも称され、脳と非常に密接な関係があります。

このため、手のひらや手の甲にある様々な臓器や組織に関連するツボを刺激することで、脳の疲労回復や身体のバランスを整える効果が得られます。

特に、手のツボは脳に直接働きかけるため、足のツボマッサージに比べてリラックス効果が高く、質の良い睡眠の向上にも繋がります。

自宅でハンドマッサージを行う際には、アロマオイルを使用することや、マッサージ前に手を温めておくと、より深いリラックス効果を得ることができ、さらに大きな健康効果を期待することができます。

ハンドマッサージの効果

ハンドマッサージには様々な効果が期待出来ます。
そんな効果まであるの?とビックリするような効果もあるのです。

それでは順番に見ていきましょう。

1.血行を促進し、冷え性を改善

特に女性の方は手の先や足の先等、末梢が冷えてしまう方も多いのではないでしょうか?
ハンドマッサージを行う事で指先まで血液がしっかりと行き渡るようになります。
手には全身の臓器に繋がるツボがあるので、それらを刺激しながらマッサージを行うと、全身の血行が良くなり、冷え性の改善に繋がります。

2.手の肌のトリートメントとストレス解消

ハンドマッサージを行う時には、滑りを良くする為にハンドクリームやローション、アロマオイル等を塗ってから始めます。ハンドクリーム等を塗った状態でマッサージをすると、クリームやローションが普通に塗るだけよりも肌に浸透しやすくなるので、クリームやローションの効果が最大限に発揮されるのです。

それにより、艶々できめ細かい肌になることが期待できます。手は洋服を着ても隠れない部位なので、どうしても人目に付きやすいです。普段からハンドマッサージとセットでケアする事で、若々しいは肌を保つ事が出来ます。手の肌で年齢が分かるとも言われるほど手のケアは大事なものです。また香りの良いハンドクリームやローション、アロマオイルを使う事で、ストレス解消にも繋がります。

3.リラクゼーション

ハンドマッサージで手のツボを押すと、身体の不調を改善する効果を得られ、精神的にリラックス出来ます。例えば、疲労が溜まっている時、手の平をマッサージして貰うと肩こりが楽になったり、不安な時に手を握って貰うと安心した経験があるかもしれませんが、それと同じ効果がハンドマッサージにはあるのです。

4.筋肉の拘りを解す

筋肉の拘りと聞くとピンとこないかもしれませんが、例えば、何らかの疾患によって片麻痺になってしまった方がいらっしゃるとします。
この場合、麻痺してしまった手は思うように使えなくなってしまいます。
しかし、思うように動かないからといって手を動かさないでいると筋肉がドンドン固まってしまうのです。それを防ぐ為にリハビリでハンドマッサージが用いられています。
これは極端な例ですが、筋肉の拘りが原因で起こる肩こりや身体の痛みにもハンドマッサージは効果的なのです。

5.浮腫の軽減

体内循環が低下している身体には老廃物や余分な水分が蓄積してしまい、身体に溜め込まれてしまいます。ハンドマッサージをする事で、内臓の機能が改善し、老廃物を身体の外に排出するため、浮腫が軽減、もしくは消失します。

6.脳の活性化

手の動きを司る運動野の領域は脳全体の1/3を占めています。手で受けた刺激は脳に伝わりやすいので、手のケアをする事で、脳も活性化するのです。ハンドマッサージは認知症や物忘れにも効果があると言われています。
ハンドマッサージをする事により、冷えの改善やリラックス効果などが期待できます。

ただハンドマッサージなどのセルフケアをしているけど、中々症状が改善しない
その様な方は一度身体の専門家に診てもらってはいかがでしょうか?

専門家にもう少し詳しく聞いてみたい、どのようなセラピストを受診したらいいのか分からない
そのような方はこちらから、ケアくるLine@を友達追加し専門家に相談してください。

ハンドマッサージのやり方を覚えよう~1人編~

ハンドマッサージを1人で行う場合のマッサージのやり方を順をおって見ていきましょう。

1.ハンドクリームやオイルを手に塗る

先ずはハンドクリームやオイルを普段よりも多めに手にとって、体温で温めるように手の平から伸ばします。
ポイントは擦り込むように手の平から指先、手の甲、そして手首までしっかり伸ばすことです。ハンドクリーム等で滑りを良くする事で、マッサージの効果を最大限に発揮出来ます。

2.指の付け根からマッサージしよう

マッサージは基本的に指の付け根から行います。先ずは指の付け根から指先に向かって指を1本ずつマッサージをしていきます。マッサージの強さはお好みで大丈夫です。指先までマッサージしたら親指で爪の根元の白い部分を押しましょう。ここを押すと爪の生え際の血行と新陳代謝を上げる効果があります。

3.手の甲をマッサージしよう

親指で指の根元から手首に向かって押し込むようにマッサージしていきましょう。イメージとしては親指で円を描くように揉み解す感じです。それが終わったら指の付け根部分の指と指の間を5秒位ずつ押しましょう。これにより血行を促進出来ます。

4.手の平をマッサージしよう

手の平のマッサージは親指の第1関節を曲げて、押し込むように行います。手の平を中指を中心に左右分かれるイメージで、左右、それぞれ小さな円を描くようにマッサージしましょう。

5.手首を解そう

最後に両手の指を組んで手首を回しましょう。右回りと左回り、それぞれ5回ずつ、3セット行って下さい。

ハンドマッサージの手順方法 1人用|資生堂

1人で簡単にできる、ハンドマッサージの手順方法をご紹介します。

ハンドマッサージのやり方~2人編~

続いてハンドマッサージを2人で行う方法をご説明します。
こちらもハンドクリーム等をしっかり塗ってから行って下さい。
基本は1人編と同じです。

1.指の付け根からマッサージしよう

手の平を上にして、親指の付け根の膨らんでいる部分から揉み解しましょう。この部分は肩こりのツボがあって、肩こりが酷い方だとうっ血して青白く浮腫んでいる方も多くいらっしゃいます。肩こりが酷い方だと軽くマッサージをしているつもりでも結構な痛みを感じる方もいますので、じっくり時間をかけて解していきましょう。

次に指の付け根から指を輪のようにしてギュッと5秒位、握りましょう。これを指先まで少しずつずらし、1本ずつ丁寧に行って下さい。これをやると、指が凄く軽くなります。

2.手の甲をマッサージしよう

手をグーにし、指の第2関節を使って指先から腕に向かって手の甲をマッサージしましょう。最初はゴリゴリと詰まったリンパを感じると思います。それを流してあげるようにゆっくりと行うのがポイントです。

3.指の間をマッサージしよう

指の間にある水かきの部分を親指と人差し指で指の間を挟んでマッサージしましょう。ここには自律神経のツボがあるんですね。手の甲からマッサージした後は、手を返して手の平側から揉んであげましょう。

4.仕上げに手の平の真ん中を押そう

最後に手の平の真ん中位に凹みがあるので、ここを下に向かって体重をかけて押しましょう。

ハンドマッサージを行う際の注意点

ハンドマッサージを行う際には、適切なハンドクリームやローション、アロマオイルを使用することが望ましいです。ただし、ここで特に注意が必要なのは、これらの代用品として、本来異なる用途で設計されたクリームやオイルを使用しないことです。

たとえば、クレンジングオイルはメイクを落とすことを目的に作られた製品です。そのため、ハンドマッサージに使用すると成分が肌に刺激を与え、手荒れや予期せぬ肌トラブルを引き起こすリスクがあります。

さらに、ハンドマッサージの一つの目的は、ハンドクリームなどの保湿成分をしっかりと肌に浸透させることです。そのため、マッサージ後はすぐに手を洗ったり、別の作業を行ったりせず、時間に余裕があるときや就寝前に実施するのが理想的です。

まとめ

ハンドマッサージは、手にあるツボを優しく刺激することで、身体が本来持つ自己調整能力を引き出し、健康を取り戻す助けとなる施術です。

その効果は主に6つに分類され、多岐にわたるメリットをもたらします。

また、ハンドマッサージには、1人で手軽に行える方法と、2人で実施することで効果を高める方法の2種類があります。どちらの方法も目的や状況に応じて選ぶことが可能です。

理想的には、時間をかけてじっくりと取り組むのが望ましいですが、ハンドマッサージは応用性が高く、身体が辛いときにも即座に効果を実感しやすいのが特徴です。

さらに、日常生活の中で、例えばハンドクリームを塗るタイミングに合わせて軽くマッサージを取り入れるだけでも、手や身体が楽になるのを感じられるでしょう。ぜひこの簡単で効果的なケア方法を習得し、日々の生活に役立ててください!

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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