はじめに

女性にとって日焼けは肌の天敵です。夏場は必ず日焼け対策をしているという人もいるのではないでしょうか?

その中でも日焼け止めは、私たちにとって身近な日焼け対策アイテムです。

みなさんはそんな日焼け止めの正しい使い方を知っていますか?

日焼け止めの効果を最大限に発揮させ、かつ肌に優しい使い方ができるように、日焼け止めの基礎知識をまとめてみました。

日焼け止めを塗るタイミング

せっかく日焼け止めを塗って日焼け対策をするのですから、日焼け止めを塗るタイミングを把握し、しっかり効果を発揮できるようにしましょう。

まず、いつ塗るかですが、「外出の30分前」です。

外出の直前に塗ってしまうと、効果を発揮しきれません。日焼け止めは塗ってしばらくは肌に馴染まないからです。

外出までにしっかり肌に馴染ませるため、外出の30分前に塗ることをおすすめします。

次に、スキンケアやメイクを含めどの順番で日焼け止めを塗るかということについてです。

化粧水や乳液は肌の調子を整えるためのもの、化粧下地はそのあとに塗るファンデーションがむらなく均等に、きれいに肌につくために使うものであることを考えると、日焼け止めは「化粧水や乳液のあと、化粧下地の直前」に塗るようにしましょう。

ただし、パウダータイプの日焼け止めなどはその上から化粧下地をするとよれて崩れてしまうので、化粧下地の上に塗ります。

また、化粧下地の代わりになる日焼け止めもあるので、その場合には化粧下地を省くことができます。

日焼け止めの種類と選び方

日焼け止めを選ぶにあたって、分かりやすい材料として『PA』と『SPF』という記載があります。

『PA』は、紫外線の中でもUVAという種類のものを抑える効果の基準で、PA+からPA++、PA+++というように効果が高くなっていきます。UVAは、肌の真皮層という場所に達し、コラーゲンやエラスチンなどの肌の弾力やみずみずしさを作っている部分に作用し、しわやたるみなどの影響を与えます。

『SPF』は、紫外線の中でもUVBという種類のものを抑える効果の基準で、SPF20というと、UVBの影響を通常の20分の1にするという意味になりますので、数字が大きければ大きいほど効果が高いです。

UVBは皮膚の表面に作用する紫外線で、肌を赤くしたり、皮膚がんの原因になります。

この基準を頭に入れて、

日常のちょっとした外出:SPF10~20、PA+~PA++
屋外での運動やレジャー:SPF20~30、PA++~PA+++
炎天下でのスポーツや海水浴:SPF30~50、PA++~PA++++

というように場合に応じて使い分けていただければよいかと思います。

また、日焼け止めの形状についてですが、

クリームタイプ:保湿力、防水性が高いが、伸びにくく、落としにくい
ミルク、乳液タイプ:伸ばしやすく、刺激も弱い
ジェルタイプ:べたつきにくく塗りやすいが、刺激の強い成分が多い
ローションタイプ:最も肌に優しいが、落ちやすく効果も薄い
スプレータイプ:塗りやすいが、全体に塗りにくかったり、周囲に飛び散る

というようにそれぞれメリットやデメリットがあるので、自分に合うものを選びましょう。

日焼け止めの塗り方や塗る頻度

日焼け止めを効果的に塗るために押さえておくべきポイントは、4つあります。

1. 適量を塗る

日焼け止めの適量は、「顔全体に対してリキッドタイプなら1円玉2個分、クリームタイプならパール粒2個分」です。

しかし、白くなることや、塗った感じが重くなることを嫌い、適量を塗ることができていない女性が多いようです。

適量より少ないとその分効果も低いので、気をつけましょう!

2. むらなく塗る

せっかく適量を使っても、塗り方にむらがあると、効果もきちんと発揮されません。

むらなく塗るためには、一度にたくさんの日焼け止めを出して広範囲に塗ろうとせず、少ない量を何回も出して小さい範囲に分けて塗ることがポイントです。

そうすることで、均等にむらなく塗ることができます。

特に、顔など凹凸の多い場所は、おでこや鼻、頬やあごなど突出している場所に日焼け止めを置くように塗り、そこから周りに伸ばすようにするとうまく塗ることができます。

また、同じ箇所を2回ずつ重ね塗りすると、薄いところにもう一度塗ることができ、均等にすることができます。

3. 擦りこまない

日焼け止めは化粧水などのスキンケア用品と違って、肌の中に浸透させて効果を発揮するものではなく、肌の表面に密着して紫外線を防ぐものです。

そのため、肌に擦りこむようにしてしまうと逆にその場所の日焼け止めが伸びすぎて薄くなってしまいます。

また、肌に擦りこむことで、不必要な肌への刺激も与えてしまうので、優しく伸ばすようにしましょう。

4. こまめに塗り直す

日焼け止めは、2~3時間で汗や皮脂によって流れ落ちてしまいます。
そのため、2~3時間程度で塗り直すことが重要です。

顔の場合は、日焼け止めの上からファンデーションやポイントメイクをしてしまっているので、なかなか外出先で塗り直すことができないかもしれません。

そんなときは、パフに日焼け止めをつけてファンデーションの上から塗り直し、その上からもう一度ファンデーションを塗り直すと簡単に塗り直すことができます。

日焼け止めの落とし方

日焼け止めは紫外線から肌を守る大事なアイテムですが、肌に異物を付けているという点において、長時間の使用は肌の負担になり、肌荒れの原因にもなりかねません。

帰宅して日焼け止めが必要ない環境に戻ったら、なるべく早く日焼け止めを落とすことが大切です。

次に、日焼け止めの落とし方についてですが、日焼け止めには様々な種類があり、商品によって落とすのに使用するものも異なるため、必ず使用した日焼け止めの説明書きを読みましょう。

具体的には、「お湯で落とせる」もの、「石鹸や洗顔料で落とせる」もの、「クレンジングで落とす」もの、「専用のクレンジングで落とす」ものがあります。

どのタイプにしても、しっかり取りたいからとごしごし擦ってしまうと肌を傷めてしまうので、ぬるま湯で、擦らずに優しく洗い落とすことがポイントです。

そして、日焼け止めを使用した後は肌が乾燥しやすくなっているので、洗顔したあとは、必ず化粧水や乳液で肌に水分補給を行ってください。

まとめ

今回は、日焼け止めの選び方や使い方のポイントをご紹介しました。

参考にしていただき、ご自分に適した方法で日焼け対策を行っていただければと思います。
また、色々な日焼け止めがありますが、どれも完全に日焼けを防止できるということではありません。

帽子や長袖の服で日よけをしたり、なるべく日かげを歩くようにするなど、日焼け止め以外の対策も併せて行うとよいでしょう。

監修

総合診療医 院長 豊田早苗

総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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