はじめに

運動にはさまざまな種類がありますが、ウォーキングは誰でも気軽に始められる運動です。ダイエットや健康増進に役立ちますが、ただ歩くだけでは適切な結果を得ることができません。ダイエットをしても体重が落ちにくいという方は、正しい歩き方をマスターするようにしましょう。またウォーキングに合わせて筋トレを行うのも良いでしょう。

ウォーキングのダイエット効果

ウォーキングは有酸素運動で体に酸素を取り入れながら行う運動です。ウォーキングではどのような効果が得られるのでしょか?

1.脂肪を燃焼しやすくなる

有酸素運動であるウォーキングは酸素を体に取り込みながら運動をします。そのため体の中の糖質や脂肪をエネルギーとするので皮下脂肪などを燃焼しやすくなります。

2.代謝が良くなる

ウォーキングを続けることにより下半身に筋肉がついて基礎代謝がアップします。基礎代謝が上がると脂肪を燃焼しやすくなるためダイエットに効果的と言われています

3.血流が改善する

血流が悪いとダイエットに大切な代謝が落ちるので痩せにくくなってしまいます。ウォーキングは全身を使って行う運動で体の隅々まで血流が行き渡るようになり代謝も上がり、ダイエットに役立ちます。

4.ストレス解消

ストレスはダイエットに良い影響を与えません。ストレスがかかると自律神経が乱れたり、精神的に安定せずたくさん食べてしまうことがあります。また、ストレスに関係するコルチゾールというホルモンが出るようになり、肥満などの原因にもなります。ウォーキングは景色を楽しみながら運動でき、脳のホルモンバランスも整うようになります。

その他のウォーキング効果

1.心肺機能が良くなる

ウォーキングは全身を使う運動で、心臓や肺を巡り全身に酸素が取り込まれます。血液は心臓を循環して全身に運ばれますが、全身に血液が流れるようになれば体の指先や足先など血液が滞りやすい場所までしっかり行き渡るようになり、血液の流れがスムーズになり、心肺機能が高まります。

2.免疫力が高くなる

血流が全身に流れないと血行不良が起こり、栄養素や酸素などが運ばれなくなってしまいます。栄養素が運ばれないと体の免疫力が低下して病気にかかりやくなります。ウォーキングには血行促進効果があるので、全身の血液循環が良くなり免疫力もアップします。

3.生活習慣病を予防できる

ウォーキングは生活習慣病予防に効果的と言われています。生活習慣病は高血圧症や糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞などありますが、有酸素運動であるウォーキングを行うことで内臓脂肪が減りやすくなったり、血管が丈夫になる、内臓機能が高まるなど病気を防ぐのに役立ちます。

4.リフレッシュ効果

脳のホルモンを刺激して気持ちをリフレッシュすることができます。ストレスの多い生活を送っているとストレスに関係するホルモンが増えてしまいますが、リズムよく酸素を吸いこみ歩くことでセロトニンと言われる幸せホルモンが分泌され気持ちをリフレッシュさせてくれます。

5.老化の防止

ストレスを解消するだけではなく老化防止にも役立ちます。歩くことはうつ病や認知症を予防することにも効果があります。

目的別ウォーキングメニュー

ダイエットや健康のためなど、ウォーキングを始めようという方の目的は人それぞれではないでしょうか。ウォーキングでも同じように歩くのではなく、目的に合わせて歩くようにしましょう。

ダイエット

ダイエットを目的で行う方は少し強めの負荷がかかるように歩くと効果的です。最初の20分で糖質が燃焼され、30分歩くと脂肪が燃え始めます。そのためダイエットを目的とする場合は、30分以上続けると効果があがります。足はやや早歩きで腕はしっかり振って歩くようにしましょう。

生活習慣病の予防

高血圧症などと診断されている方は運動負荷は軽めで、無理をせず行うことが大切です。ゆっくりと歩き始め、汗が出てきたら少しスピードを上げていきます。自分のペースで行うようにしてください。

反対に血圧が低めという方は歩幅は大きく、腕はしっかり振って全身を使うようにして歩くと血液の流れが良くなります。慢性的な病気で定期的に医師の診察を受けている方は医師に相談してから始めるようにしてください。

ストレス解消

ストレス解消を目的とする場合はウォーキングを行う場所選びも大切です。川沿いや公園、森林など自然が多い場所を選ぶと効果が得られやすくなります。歩くときは、歩幅は大きく、腹式呼吸をする要領で歩くと良いでしょう。

正しいウォーキングのフォーム

ウォーキングは、正しいフォームでない場合、十分な効果が得られないことがあります。正しいウォーキングの方法を紹介します。

姿勢

壁に体をつけます。このとき、後頭部と肩甲骨、お尻、踵が壁についていることを確認してください。

歩き方

背筋を伸ばして、約15ⅿ先を見るように視線を合わせます。肘は軽く曲げるようにして、肩を使って腕を振るようにします。腰の高さを一定にして上下に振れないようにしましょう。

足の運び方

踵で着地してつま先を蹴り上げるように歩きます。歩幅は普段よりやや大きめの歩幅で歩くと良いでしょう。

組み合わせたい筋トレ

ウォーキングと合わせて筋トレを行うと効果が上がると言われています。筋トレにはいろいろな種類がありますが、どのような筋トレと組み合わせるのが効果的なのでしょうか?

筋トレの効果

ウォーキングの前に筋トレをすると効果的と言われていますが、筋トレを行うことによって筋肉がつき代謝や脂肪の燃焼が良くなります。ウォーキングをどんなに頑っ張ても、筋肉がないと代謝が低下したままで脂肪を燃やすことができません。

筋肉がつけば代謝がアップして脂肪が燃焼しやすくなります。また、筋トレをすることで姿勢がよくなるので、ウォーキングに必要な正しい姿勢を身に着けることができます。

スクワット+ウォーキング

スクワットをする時は、足は肩幅に開きます。膝を軽めに曲げて腰は落とさないように膝を曲げます。手は頭の後ろで組んだり、肘は前後に軽く振るようにしましょう。この動きを10回程度続けます。

フロントブリッジ+ウォーキング

1.床にうつ伏せになる状態で寝る
2.腕を肩幅分広げて、床につけ、軽く上体を起こす。この時、腕の角度は90度を保つようにする。
3.両足は肩幅よりも狭めにして、まっすぐに伸ばしてつま先で体を支えるようにします。
*足から首筋まで一直線の姿勢となります。
4.顔は真正面を見て約1分間、この状態を保持します、
この動作を3セット行うと効果的です。

腕立て伏せ+ウォーキング

1.足は軽めに開いて肩幅よりやや広めに腕を広げます。
2.肘を曲げて床にお腹がつく直前まで倒します。
3.これを20回行うのが理想ですが、無理な時は10回から始めて徐々に回数を増やすようにしましょう。

おわりに

ウォーキングがもたらダイエットの効果とその効果を十分に引き出すウォーキング方法について知っていただけたでしょうか。ウォーキングはダイエットばかりではなく、健康や精神面でも役立つ運動です。運動靴さえあればいつからでも始められるので、気軽に取り組んでみてください。ウォーキングで健康な体つくりに励みましょう。

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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