肩こりが原因で起こる頭痛

若い人からお年寄りまで頭痛持ちの方は多くいます。
頭痛がある状態が常時続いている方は、辛い痛みに耐えながら毎日仕事や勉強、家事、育児をしなければならず、ウンザリしてしまっているかもしれません。

くも膜下出血や脳出血などの重大な疾患が隠れている場合は別として、頭痛は大きく3つに分類されています。
『片頭痛』、『緊張型頭痛』、『群発頭痛』と呼ばれ、肩こりが関係している頭痛は『緊張型頭痛』です。
緊張型頭痛は、頭部周囲の筋肉が緊張することで起こる頭痛と言われ、肩こりや首こりとともに、キューツと締め付けられるような頭痛が起こることが特徴です。
筋肉が緊張することで血流が悪くなり、痛みを生じます。

同じ姿勢を長時間とり続けるデスクワークなどを行っている場合や、緊張や不安など精神的ストレスが高い場合に起こりやすいと言われています。

肩こりが原因で起こる頭痛の予防

肩こりが原因による頭痛を予防するには、筋肉の緊張をほぐすことが重要です。

マッサージやストレッチ、入浴などにより血行を促すと肩の筋肉がほぐれて、頭痛を防ぐことが期待できます。

また、普段から適度な運動を心がけると良いでしょう。
長時間同じ姿勢でデスクワークや勉強をしたり、長時間運転をする場合には途中で休憩を挟み、伸びなどをして身体をほぐし、首や肩に負担がかからないようにすることがおすすめです。

次項でご紹介する肩こりに効くツボ押しも良いでしょう。

不安やストレスといった精神的な緊張によっても緊張型頭痛が起こりやすいため、リラックスのできる時間を持つようにすることも頭痛の予防につながります。
夜就寝前にゆっくりとお風呂に浸かって一日の疲れをとるようにすると、身体的にも精神的にも緊張がほぐれて良く眠ることができ、頭痛を防ぐことができるでしょう。

ツボを押す

日常生活の見直しを図るとともに、肩こりに効果のあるツボを押すことで緊張型頭痛の症状を和らげる効果が期待できます。
以下に挙げるツボは肩こりに効くと言われています。
息を吐きながらゆっくりと指でツボを押すようにします。

少し強めに押しても大丈夫ですが、イタ気持ちいいと感じる程度が良いでしょう。

1.風池(ふうち)

左右の首筋の外側で、髪の生え際、うなじのくぼんでいる部分にあるツボです。
肩こりや眼精疲労に効果的です。

2.百会(ひゃくえ)

頭のてっぺん、頭頂部にあるツボです。
肩こり、頭痛や自律神経を整える効果があると言われています。

3.肩井(けんせい)

首の真ん中と左右の肩先との中間地点にあるツボです。
肩こりを一番感じやすい部分と一致する場合が多いです。

4.合谷(ごうこく)

手の甲にあるツボで、親指と人差し指の骨が交わった部位でやや人差し指よりの窪んだ部分です。
万能のツボと言われ、肩こりをはじめ様々な痛みの症状に効果があると言われています。

ストレッチを行う

前述したように肩まわり、首まわりのストレッチを行うことも緊張型頭痛の改善に効果的です。
仕事や家事、勉強の合間にも行える簡単なストレッチですので、ゆっくりと5回程度から始めてみてください。

1.首を左右に倒すストレッチ

①ゆっくりと首を右に倒します。
②この時左の首筋が気持ちよく伸ばされていることを感じられるようにします。
③左へも同様に行います。

2.首を前に倒すストレッチ

①両手を頭に添えて補助しながら首をゆっくりと前に倒します。
②この時首の後ろ側が気持ちよく伸ばされていることを感じられるようにします。

3.首を回すストレッチ

①首の右回し、左回しを交互にゆっくりと行います。
②これも首筋が気持ちよく伸ばされながら動かすことを意識します。

おわりに

肩こりが原因となる頭痛について、予防法やツボ押しやストレッチなどの対処法にを解説しました。
誰もが起こり得る頭痛ですが、よくあることと放って置かず、きちんと対策をして解消すると毎日の生活も少し楽になるでしょう。
対策をしてもどうにもならず、どんどん痛みが増していくような頭痛の場合は、原因が他にあるかもしれません。
そのような時は医療機関を受診しましょう。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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