1.はじめに
特に原因がないはずなのに、ずっと不安がおさまらない。それ、もしかしたら不安障害かもしれません。
実は不安障害にもいろいろな種類があり、その症状も様々です。
今回は、意外とあてはまる人も多いかもしれない不安障害について、まとめてみました。
実は不安障害にもいろいろな種類があり、その症状も様々です。
今回は、意外とあてはまる人も多いかもしれない不安障害について、まとめてみました。
2.不安障害とは
不安は、誰もが感じたことのある一般的な感情ですが、その不安があまりにも強く感じられてしまい、様々な症状を引き起こすことによって生活に支障をきたすようになってしまったものが不安障害と呼ばれます。
現在では不安症と呼ばれることが多く、はっきりした原因がないにもかかわらず漠然とした不安を感じ続け、呼吸困難、発汗、めまい、パニック発作などをおこすことがあるのが特徴です。
現在では不安症と呼ばれることが多く、はっきりした原因がないにもかかわらず漠然とした不安を感じ続け、呼吸困難、発汗、めまい、パニック発作などをおこすことがあるのが特徴です。
3.不安のさまざまなあらわれ方
不安障害(不安症)は、不安によっておこる様々な病気の総称として用いられます。
含まれる病気として代表的なのは、パニック障害、社交不安症、強迫症、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)などで、すべて不安感が引き金となっているものの、その症状のあらわれかたは多種多様です。
・パニック障害
パニック障害では、パニック発作と呼ばれるものが繰り返し起こることが特徴とされています。パニック発作とは、動悸、発汗、息苦しさ、めまい、恐怖感などが突然前触れもなくあらわれ、10分程度をピークとして次第におさまっていくものを言い、これ自体は誰にでも起こりえるのですが、パニック障害の場合は、これが繰り返し起こることで、また突然発作が起こるのではないか、という不安感に悩まされ続けてしまう事が問題となります。
・社交不安症
社交不安症は、別名あがり症、対人恐怖症とも呼ばれ、対人コミュニケーションに対して極度の不安や恐怖を感じてしまう症状のことを言います。コミュニケーションに対してある程度の不安やためらいを感じるのは自然なことですが、その程度があまりにも強く、日常生活に支障をきたしてしまっている場合では社交不安症と診断されるのです。
・強迫症
強迫症とは、強迫観念と強迫行為を特徴とする病気です。強迫観念とは、不合理だとはわかっていても頭から振り払えない考えのことで、例えば手を洗ったけどまだ汚い感じがする、というようなことがこれにあたります。強迫行為とは、強迫観念に基づいた不安を振り払おうと行われる行為のことで、先の例に倣えば再び手を洗い始めることがこれにあたります。
強迫観念と強迫行為にもいくつか種類があり、例えば今あげたような繰り返し手を洗う行為は不潔行為と洗浄とよばれ、最も多くみられるものです。他にも電気の切り忘れなどを繰り返し確認する確認行為や、何かをするときに必ず決まった手順をこなさないと不安になる儀式行為といったものが存在しますが、全ての場合で、このような強迫観念と強迫行為が何度も繰り返されることにより、日常生活が正常に送れなくなってしまう事が問題となります。
・心的外傷後ストレス症候群(PTSD)
心的外傷後ストレス症候群(PTSD)とは、命の危険にさらされたり、強烈な精神的ストレスを受けたりしたことで、非常に深い心の傷が残ってしまい、一か月以上たってもその記憶が薄れることなく残り続けて不安感や恐怖感とともに身体的な症状を引き起こす病気です。
何の前触れもなくその時の体験を思い出したり、過度な緊張状態が続く、あるいは不安感や頭痛、不眠に悩まされることが問題となります。
含まれる病気として代表的なのは、パニック障害、社交不安症、強迫症、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)などで、すべて不安感が引き金となっているものの、その症状のあらわれかたは多種多様です。
・パニック障害
パニック障害では、パニック発作と呼ばれるものが繰り返し起こることが特徴とされています。パニック発作とは、動悸、発汗、息苦しさ、めまい、恐怖感などが突然前触れもなくあらわれ、10分程度をピークとして次第におさまっていくものを言い、これ自体は誰にでも起こりえるのですが、パニック障害の場合は、これが繰り返し起こることで、また突然発作が起こるのではないか、という不安感に悩まされ続けてしまう事が問題となります。
・社交不安症
社交不安症は、別名あがり症、対人恐怖症とも呼ばれ、対人コミュニケーションに対して極度の不安や恐怖を感じてしまう症状のことを言います。コミュニケーションに対してある程度の不安やためらいを感じるのは自然なことですが、その程度があまりにも強く、日常生活に支障をきたしてしまっている場合では社交不安症と診断されるのです。
・強迫症
強迫症とは、強迫観念と強迫行為を特徴とする病気です。強迫観念とは、不合理だとはわかっていても頭から振り払えない考えのことで、例えば手を洗ったけどまだ汚い感じがする、というようなことがこれにあたります。強迫行為とは、強迫観念に基づいた不安を振り払おうと行われる行為のことで、先の例に倣えば再び手を洗い始めることがこれにあたります。
強迫観念と強迫行為にもいくつか種類があり、例えば今あげたような繰り返し手を洗う行為は不潔行為と洗浄とよばれ、最も多くみられるものです。他にも電気の切り忘れなどを繰り返し確認する確認行為や、何かをするときに必ず決まった手順をこなさないと不安になる儀式行為といったものが存在しますが、全ての場合で、このような強迫観念と強迫行為が何度も繰り返されることにより、日常生活が正常に送れなくなってしまう事が問題となります。
・心的外傷後ストレス症候群(PTSD)
心的外傷後ストレス症候群(PTSD)とは、命の危険にさらされたり、強烈な精神的ストレスを受けたりしたことで、非常に深い心の傷が残ってしまい、一か月以上たってもその記憶が薄れることなく残り続けて不安感や恐怖感とともに身体的な症状を引き起こす病気です。
何の前触れもなくその時の体験を思い出したり、過度な緊張状態が続く、あるいは不安感や頭痛、不眠に悩まされることが問題となります。
4.不安障害の対処や予防法は
不安障害に対する治療法はその現れ方によって多少変わってきますが、大まかには薬物療法と精神療法が用いられるという点で一緒です。
薬物療法では、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)とベンゾジアゼピン誘導体(BZD)という薬が主に使われます。
SSRIは抗うつ薬としても用いられる薬で、即効性はないものの、不安感を抑える働きがあります。依存性や副作用も比較的少ないですが、ほかの薬との飲み合わせに注意しなければならないため、お薬手帳などでしっかり管理を行うことが大切です。
BZDも同様に、抗不安薬として用いられている薬で、SSRIに比べて即効性があります。一方でSSRIよりも依存性が強く、乱用には十分注意しなければなりません。また、突然服用をやめると不眠、焦燥感などに加え、不安の症状が一気にぶり返すこともあるので注意が必要です。
精神療法では認知行動療法や森田療法といったものが用いられます。
認知行動療法とは、不安を感じやすくしてしまうもののとらえ方や考え方などを、カウンセリングなどを通じて少しずつ修正していく治療法です。自分のどのような思考法が不安を感じやすくさせているかを自覚し、考え方のバランスを取り戻すことで不安に陥りにくい状態に改善することができます。
森田療法とは、逆に不安を無理に取り除こうとせず、自然な感情の一部としてとらえられるようにしていくことを目的とした治療です。不安を持ちながらも目的を持って行動できるよう改善を行っていき、不安障害の克服を行います。
薬物療法では、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)とベンゾジアゼピン誘導体(BZD)という薬が主に使われます。
SSRIは抗うつ薬としても用いられる薬で、即効性はないものの、不安感を抑える働きがあります。依存性や副作用も比較的少ないですが、ほかの薬との飲み合わせに注意しなければならないため、お薬手帳などでしっかり管理を行うことが大切です。
BZDも同様に、抗不安薬として用いられている薬で、SSRIに比べて即効性があります。一方でSSRIよりも依存性が強く、乱用には十分注意しなければなりません。また、突然服用をやめると不眠、焦燥感などに加え、不安の症状が一気にぶり返すこともあるので注意が必要です。
精神療法では認知行動療法や森田療法といったものが用いられます。
認知行動療法とは、不安を感じやすくしてしまうもののとらえ方や考え方などを、カウンセリングなどを通じて少しずつ修正していく治療法です。自分のどのような思考法が不安を感じやすくさせているかを自覚し、考え方のバランスを取り戻すことで不安に陥りにくい状態に改善することができます。
森田療法とは、逆に不安を無理に取り除こうとせず、自然な感情の一部としてとらえられるようにしていくことを目的とした治療です。不安を持ちながらも目的を持って行動できるよう改善を行っていき、不安障害の克服を行います。
5.不安障害を抱える人に対する基本姿勢とは
不安障害を抱える人に対して、どう接すればいいのかわからないことがあるかもしれません。そういったときにまず大切なのが、本人にとって不安や様々な症状が非常につらい物であるというのを理解するという事です。ですから、そんなことは気にしない方がいいなどといったアドバイスでは逆効果で、本人の悩みをよく聞き、理解を示すことが何よりも助けになります。
また、不安障害に対して休息をさせることも大切ですが、回復の兆しが見えてきたら少しずつ活動を促すことも忘れてはなりません。ただこもっていてはよくなるものも良くなりませんから、無理のない範囲で、日常生活に戻っていけるよう手助けをしてあげることが必要でしょう。
最後に、症状を理由に無理な要求をされた場合、ある程度のところで歯止めをかけ、距離を置くことも必要です。病気であるからこそ、相手の要求をすべて聞き入れたり、過剰に手をかけがちですが、これらは逆に症状を悪化させてしまう場合もあります。適度な距離感を保ちつつ、必要なサポートが行えるとよいでしょう。
また、不安障害に対して休息をさせることも大切ですが、回復の兆しが見えてきたら少しずつ活動を促すことも忘れてはなりません。ただこもっていてはよくなるものも良くなりませんから、無理のない範囲で、日常生活に戻っていけるよう手助けをしてあげることが必要でしょう。
最後に、症状を理由に無理な要求をされた場合、ある程度のところで歯止めをかけ、距離を置くことも必要です。病気であるからこそ、相手の要求をすべて聞き入れたり、過剰に手をかけがちですが、これらは逆に症状を悪化させてしまう場合もあります。適度な距離感を保ちつつ、必要なサポートが行えるとよいでしょう。
6.おわりに
不安障害は、不安という誰もが抱える感情が原因となって起こる病気なので、気づきにくかったり、理解を得られにくかったりします。
だからこそ、自分の周りの人や自分自身がそのような状況になったときに、正しい知識を持って対応できるようにしておくことが肝心なのではないでしょうか。
だからこそ、自分の周りの人や自分自身がそのような状況になったときに、正しい知識を持って対応できるようにしておくことが肝心なのではないでしょうか。
微生物学、救急医療、老人医療
経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務
資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格