アロマテラピーとは

アロマテラピーは『アロマオイル』という香料の香りを楽しむものです。アロマオイルは雑貨店、インテリアショップなどで簡単に入手できるようになりました。
香りを楽しむことの他にも、手作りの化粧品や虫除けなどを作ることができたりと、利用の幅が広く、趣味としてアロマテラピーを行う方が増えています。

アロマテラピーはリラックス効果が高いことから、心身に対する作用があり、リラクゼーションサロンやエステ、治療院でも使われることが多いです。
また、公共施設、病院などでも徐々に導入されつつあります。

では、アロマテラピーには、具体的にどのような効果と使い方があるのでしょうか。

アロマテラピーの歴史

紀元前から愛されてきたアロマテラピー

アロマテラピーの始まりは、紀元前にまでさかのぼります。
人類は古代から植物の香りや薬効を利用してきました。古代エジプトではミイラの棺の中に、乾燥した薬効植物を共に備えて葬ったという記録もあります。
また、古代ローマでは公衆浴場を意味する『テルマエ』が発達しましたが、浴槽にバラの花弁を撒いて香りを出したり、スキンケアとして植物をオイルに浸し香りを出したものが使われました。

世界中に普及する植物の力

その後、アルコールなど蒸留技術が開発され、そこから作られる薬用のクリームなどが普及、医療の礎が作られました。
中国では湯液の一つとして植物を煮出したものが薬として飲まれ、今日でもその文化が残っています。
このように、世界各地で植物は医薬品として利用された歴史があります。

今では、医療と言えば注射や手術などが一般的になりましたが、それらが作られる前には植物を薬として使うことが行われていたのです。
現代では、より高品質な薬品が合成、製造されるようになりましたが、現代でも植物の薬効を期待したアロマテラピーが全世界で普及しています。

アロマテラピーに期待できる効果

アロマテラピーはアロマオイルの薬効を期待し、それを活用することを言います。
各種機関でアロマオイルの効果の研究が行われてきました。現代ではどうしても精製された効力の強い薬品と比較してしまい、アロマオイルの薬効自体は意見が分かれているところです。

香りで脳をリラックス

アロマオイルには非常に良い香りがあります。この香り成分が人体に作用し、リラクゼーション効果を与えます。
人間の嗅覚は、他の感覚と比べて特殊にできています。本能的な要素が強く、脳に直結しているため、最も脳に作用を与えやすい感覚の一つと言えます。心地よい香りを嗅ぐことで、その香りの刺激が脳に作用し、リラックスすることができます。

国内外でさまざまな研究に活用

香り作用の研究は今でも行われています。
アメリカの理学療法分野では、集中治療室の昏睡患者に香りを嗅がせることがあるそうです。日本ではそういった先進医療ではあまり行われていませんが、嗅覚の作用というのは医学的にも利用価値があります。

日本の研究ではダイエットに利用したもの、夜勤看護師の不眠に対して行われたものがあります。どちらも科学的な数値の証明にまでは至りませんでしたが、「効果があると感じた」被験者はかなりの割合になったという結果が出ています。

心を変えるアロマ

アロマオイルは天然のものなので、効能の期待できる香り成分の濃度が低くなっています。
医薬品などの精製されたものは、純度が100%に近いため、血中濃度での証明もしやすいですが、アロマオイルの純度では、血液検査で数値に変化が出にくく、研究では苦戦しているようです。
残念ながら数値にはあまり現れませんが、アロマテラピーにはリラックスさせる効果、心を変える力が期待できます。

一般家庭で行うアロマ

芳香浴で手軽に楽しむ

リラックス効果のあるアロマテラピーを、一般家庭でも日常に取り入れたいものです。
アロマテラピーを最も簡単に利用できる方法は、『芳香浴』です。芳香浴では、アロマオイルの香りを室内に漂わせ、香りを楽しみます。
雑貨店などで販売されているアロマオイル専用のディフューザーや、アロマオイルを設置できる加湿器を使うと良いでしょう。
また、そういった道具を購入しなくても、洗面器などにぬるま湯をはり、アロマオイルを数滴垂らすだけでも芳香浴を楽しむことができます。

好きな香りを見付ける

アロマオイルはかなりの種類があります。ハーブの香り、森林の香り、柑橘の香りなど、好きな香りを見つけるのも、アロマテラピーの楽しみの一つです。
オススメはラベンダーやオレンジ、ヒノキなど、日本人にも馴染みのある香りです。
女性にはゼラニウムやローズ、ジャスミンなど、花の香りも人気がありますが、花のアロマオイルは原料が大量に必要なので高価になる傾向があります。お好きな方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

香りを混ぜた化粧品や石鹸を作る

オリジナルの化粧品作りも楽しみ方の一つです。
エタノールやグリセリンなど、薬局に置いてある材料とアロマオイルで、好きな香りの化粧品を手軽に作ることができます。
お好きな方では、趣味で石鹸を作っているうちに販売するようになり、起業してしまった方もおられます。
アロマテラピーにはやればやるほど奥深くなるという一面もあるようです。

医療分野のアロマ

徐々に普するアロマテラピー

諸外国は医療現場でもアロマテラピーが普及していますが、日本でアロマテラピーを導入している病院というのは少数派のようです。
高度医療施設では使われることの少ないアロマテラピーですが、手術前の患者さんの緊張を解くために、アロマオイルの香りを嗅いでもらう病院があるようです。

日本の医療施設では、精神的なケアの注目度がそれほど高くないため、こういった病院はかなりの少数派ですが、時代と共に柔軟な病院が出始めています。
医師が個人で開業しているクリニックでは小回りの良さもあり、アロマテラピーを行いやすいようです。個人経営の歯科医院に務める歯科衛生士がアロマテラピーの資格を取得し、職場で利用しているというケースもあります。
接骨院、治療院などでは、視野の広い医療が行われていることから、アロマテラピーを利用していることも多いです。特に、女性専用の治療院では、アロマテラピーはかなり普及しています。

公共施設で使われることも

医療現場ではありませんが、公衆トイレなどの公共施設でもアロマテラピーを導入するところが現れ始めています。
首都圏の施設では、夏の暑い時に省エネ対策として、清涼感のあるペパーミントの香りを漂わせることが行われました。
精神的な作用があるアロマテラピーだからこその使い道です。

これからのアロマテラピー活用法

アロマテラピーは心に作用するといわれています。緊張を解いたり、疲れを癒したりする効果が期待できます。
真面目で頑張る人の多い日本では、安らぐ時間、癒しの時間はとても重要です。仕事や家事を頑張る人たち、治療を頑張る患者さんたちに、心に作用するアロマテラピーは強い味方となります。

アロマテラピー自体には、病気を治したり、何かを良くする力はないかもしれません。しかし、香りには心を変える力があります。
手術室の前、言葉だけでは足りない時に患者さんにアロマオイルを嗅いでもらったり、暑さを軽減するためにペパーミントの香りを漂わせたりすることで、精神的に働きかけることができます。
アロマテラピーは、足りない何かを補い、心を潤わせるのです。

医療では患者さんの体調管理について、どの国よりも厳密な管理が行われていますが、心のケアまでは考えが及ばないことが多いと感じます。最近の医療者にはそんな現場に疑問を持ち、自ら行動を起こす人が増えていますので、これから日本の医療が変わっていくのではないでしょうか。

おわりに

人類の発展と共に歴史を歩んできた植物の使い方の一つとして残っているのが、アロマテラピーです。薬のような効果はありませんが、嗅覚に作用し、心を変える力があります。
疲れた時、何かが足りない時に、ゆったりと香りを感じ、心を癒してみてはいかがでしょうか。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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