アロマオイルの種類と特徴

アロマオイルとは

マッサージに使われるアロマオイルは、芳香や作用の強い『エッセンシャルオイル』と、作用が強力なエッセンシャルオイルを希釈するための『キャリアオイル』の2つが混ぜられています。
エッセンシャルオイルは柑橘類やハーブ、花など、さまざまな植物から抽出され、ベースオイルには主にアーモンドオイルやグレープシードオイルなどが用いられます。

エッセンシャルオイルの種類と特徴

市販されているアロマオイルの中でも、メジャーで手に入りやすいものをご紹介します。

・ラベンダー:睡眠に効果があるとされ、もっともポピュラーな香りの一つです。
・オレンジ:緊張を和らげ、ストレスを緩和する、お馴染みの香りです。
・ティートゥリー:殺菌・抗菌力を持つオイルです。リフレッシュしたいときにおすすめです。
・グレープフルーツ:オレンジと並んで馴染みのある香りです。脂肪燃焼効果があるとされ、女性にとても人気です。
・ゼラニウム:女性特有の症状を緩和するとされています。ホルモンバランスを整えるのに役に立ちます。
・ベルガモット:柑橘系に分類されるオイルです。ストレスやイライラの緩和に役立ちます。
・ペパーミント:ガムなどでおなじみの清涼感のある香りが、眠気や二日酔いなどのむかむかを解消するのに役立ちます。
・ユーカリ:高い抗菌作用があり、鼻炎症状など呼吸器系のトラブルを解消するのに役立ちます。ユーカリのオイルは抽出法により名前が異なり、種類が豊富です。

部位別アロママッサージのやり方

アロママッサージでは、香りを楽しみながら、体に心地よい刺激を与えることで、自然治癒力を高めることを目的としています。
よく混同されてしまうものにリンパマッサージがありますが、リンパマッサージはその名の通り、リンパの流れをよくすることを目的としています。

基本のマッサージのイメージしながら、各部位別のマッサージを行っていきましょう。

基本のマッサージ

①  キャリアオイルとお好みのアロマオイルを希釈したものを手の平になじませます。
②  足先・手先のように末端から身体の中心に向かって手を滑らせます。
③  強く揉みこむのではなく、皮膚の表面をさすりましょう。
④  マッサージが終わった後は軽くふき取り、香りを楽しみます。

皮膚を滑らせるときに摩擦感を感じるようならキャリアオイルを足しましょう。コリをほぐすというよりも緩める感じで優しく行うのがポイントです。
それでは基本のマッサージのイメージしながら、各部位別のマッサージを行っていきましょう。
それぞれの部位ごとにどのようなマッサージを行う効果的なのかご説明いたします。

首から肩

① マッサージをしたい方の肩と逆の手を使い、首から肩に向かってさすります。
② 人差し指から中指までの3本の指をそろえ、円を描きながら、鎖骨の上の肩の部分を内側から外側へ向かってもみほぐします。
③ 右手を右肩、左手を左肩におき、肩から首の骨の脇を通って頭のつけ根まで両手を使って指圧します。
④ マッサージをしたい方の肩と逆の手を開き、小指側で肩を軽くたたきます。
⑤ マッサージをしたい方の肩と逆の手の平を使い、肩先から体の前側通って脇の下に向かうようにさすります。

足首からもものつけ根

① 膝を軽く曲げて座り、足首から太もものつけ根へ向かい、脚の表と裏を軽くさすってオイルを馴染ませます。
② 手の平を肌にしっかりと密着させ、足首から膝の裏へ向かってふくらはぎをもみほぐします。片足づつ交互に片手で行いましょう。
③ 両手の親指の腹で、ふくらはぎの中心から膝の裏まで指圧します。
④ 膝裏で手を返し、親指以外の4本の指で膝裏から脚のつけ根まで太もものを指圧します。
⑤ 両手を組んで足首の前側をはさみます。円を描きながら、太もものつけ根に向かって脚の前側を強くさすっていきます。
⑥ 両手を使い、太ももの内側と外側をしっかりはさみながら、もみほぐします。
⑦ 両手でそれぞれV字を作り、脚のつけ根から膝に向かい、脚の前面を少し強めにさすります。
⑧ 太ももの側面にV字の手を移動させ、両手で片足づつ太ももの両サイドをさすります。
⑨ 人差し指、中指、薬指の3本をそろえ、両くるぶしのまわりを円を描くようにさすります。
⑩ 両手で方脚を左右からつかみ、足首から脚のつけ根までをなで上げます。片足ずつ、両方の脚に行ってください。

アロママッサージの注意点

エッセンシャルオイルは必ず薄めて使う

抽出された精油は非常に強力なので、直接肌に塗布することは避けた方がいいと言われています。
そのため、アロママッサージ専門店ではキャリアオイルと呼ばれる、ベースのオイルで薄めてマッサージをしています。キャリアオイルには、グレープシードオイルやアーモンドオイルなどが使用されています。
家庭でアロマオイルを使う場合でも、キャリアオイルで薄めて使うようにしましょう。

柑橘系オイルは日光に注意

アロマオイルの中には『光毒性』と呼ばれる、紫外線を浴びると肌にダメージを与えてしまう作用を持つものがあります。一般的に、柑橘系のオイルに光毒性が発生しやすいと言われています。
抽出方法によっては、光毒性を持つ成分を取り除き、フェイシャルマッサージに使用できるものもあります。
しかし、肌のケアに関する深い知識のない状態では、シミなどを避けるためにも、光毒性のないものを選ぶようにしましょう。
また、香りが気に入っており、どうしても使いたいときは、日光が当たらない部位を選んで使用しましょう。

おわりに

アロマオイルを使ったマッサージは、自宅でできるリラクゼーションです。好きな香りを楽しみながら、マッサージを行うことで、身体だけでなく気持ちもすっきりとするでしょう。
自宅で行う際は、やり方や注意点を守って安全に行いましょう。また、肌や体に異常が出た場合は、使用を停止して医療機関を受診してください。

監修

・救急医、内科医 増田陽子

・救急医、内科医 増田陽子

専門分野
微生物学、救急医療、老人医療

経歴
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業
平成24年 Larkin Hospital勤務
平成26年 J.N.F Hospital 勤務

資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

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