はじめに

紅茶とは、お茶の葉から作られる発酵させたお茶のことを、紅茶といいます。

紅茶とは、ツバキ科の、カメリアシネンシスという茶葉の若葉を原料に作られているものを指し、間違われやすいのですが、ハーブから作られているハーブティーは紅茶には含まれません。

実は、紅茶もウーロン茶も日本の緑茶も同じカメリア・シネンシスの茶葉からつくられています。
では、どうして同じ茶葉で、この違う種類のお茶ができるのでしょうか?
それは、お茶の葉の発酵度の違いによって、お茶の種類が違ってきます。

このカメリア・シネンシスを完全に発酵させると紅茶となり、途中まで発酵させたものはウーロン茶となり、発酵させていないものが緑茶になります。世界的にみて紅茶となるのは、世界の約80%であり、緑茶になるのは世界の約20%になると言われています。

本記事では、そんな世界に拡まっている紅茶の種類や効能について解説します。

主な紅茶の種類

ここでは、紅茶の種類についてお話しします。

紅茶といっても、たくさんの種類があります。
良く聞く名前もあれば、知らなかったという名前もあるかもしれません。

主な紅茶を5種類紹介します。

ダージリン

世界三大銘茶の一つでもあるダージリンで、インドの標高が高い場所で作られています。紅茶のシャンパンとも呼ばれており、飲みやすく香りも豊かでどちらかというとストレートが向いています。

見た目は、オレンジ〜茶色の中間くらいの薄くて綺麗な色です。また、マスカテルフレーバーとよばれており、ぶどうを連想させるような素敵な香りです。

アッサム

インドの平原でとれる紅茶で、渋みが少なく、深みあるコクがあります。
濃い味わいがありミルクとの相性が良いため、ミルクを注いでも楽しめます。

アールグレイ

アールグレイは、Earl Greyという英国の政治家の名前からきています。

ベルガモット(柑橘系)といわれるものの香りを付けたもので、ストレートのアイスティがオススメです。また、同じ柑橘類のグレープフルーツジュースやオレンジジュースを入れるのも相性が良いです。

フレーバーティー

紅茶のベースとなる茶葉に香りをつけて作った紅茶をいいます。
比較的、紅茶自体の味や香りが穏やかな茶葉を使用して花や果実を混ぜて香りを茶葉に吸収させたりします。

セイロンティー

セイロンティーとはスリランカで取れる茶葉の総称になり、一つの茶葉の種類を表すことばではありません。セイロンティーには、ヌワラエリヤ、ウヴァ、ディンブラ、キャンディー、ルフナなどの種類があります。

嬉しい紅茶の効能

ダイエット効果がある

紅茶はダイエットに効果的があると言われている成分を含んでいます。

紅茶に含まれる成分の一つであるカテキンは、体脂肪の吸収を穏やかにするという報告があります。また、カフェインには脂肪分解作用と脂肪燃焼促進作用があります。また、このカフェインには利尿作用もあり、余分な水分を体外に排出してむくみを防ぐ役割があります。

しかし、このダイエット効果については、特にカテキンにおいて肥満との関連がないという研究結果も出ているため、現在もその結果が待たれている状況です。

殺菌作用がある

紅茶にはカテキンやタンニンなどの殺菌作用がある成分を含んでいます。そのため、紅茶を飲むと口の中の菌を洗い流し、数を減らしてくれる効果があるため、感染症予防や虫歯予防、さらに口臭の予防にも効果を期待することができます。

美容効果がある

紅茶には、カテキンやタンニン、テアフラビンのような抗酸化作用を持つ成分を含んでいます。これらは老化の元と言われている活性酸素を除去し、アンチエイジング効果があるという報告があります。例えば美白の大敵であるシミやくすみは紫外線などによって肌がダメージを受けるとこの活性酸素が発生することによって引き起こされることがわかっています。

また、紅茶は美白効果もあるといわれています。
紅茶には、皮膚病の治療やエステのピーリングなどにも用いられているハイドロキノンという美白効果のある成分が含まれていますし、他にもタンニンにはメラニンの生成をする細胞の増殖を抑えてくれる効果が認められています。

リラックス効果がある

紅茶の甘味や旨みの元であるアミノ酸の一種のテアニンは、甘味や旨みの成分により、身体や精神をリラックスさせる効果があると言われています。

実際にテアニンを含んでいる紅茶を飲むと、リラックスをしている時にでるα波という脳波が検出されたというデータもあります。

紅茶とコーヒーの効果に違いはあるの?

紅茶やコーヒーには同じような成分が含まれていますが、効能や効果に違いはあるのでしょうか?

紅茶やコーヒーにはカフェインが多く含まれています。

文部科学省が発行している日本食品標準成分表2010によると紅茶は茶葉5gを熱湯360mlで1分半〜4分抽出した場合のカフェイン量は0.03g、一方コーヒーはコーヒーの粉末10gを熱湯150mlで抽出した場合カフェイン量は0.06gとなっています。
しかし、コーヒーも紅茶も様々な種類があり、さらに抽出方法にも様々なレシピが存在しますのでカフェインを含めて様々な成分の量を比較することは難しそうです。

しかし、紅茶に含まれるカフェインはタンニンと結びつき、効果が抑制されることから、コーヒーのような覚醒的作用は弱く緩やかに作用するといわれています。

貧血が気になる方は飲むタイミングに注意

紅茶や緑茶、コーヒー、ワインに含まれているタンニンは、体内で鉄分と結合し、せっかく摂取した鉄分が腸から吸収されるのを阻害することが知られています。
そのため、貧血が気になる方は特に食事をとりながら飲むことは避け、食後30分から1時間後に飲むようにしましょう。

まとめ

今回は、紅茶の成分が私たちの体に働きかけてくれる効能をご紹介するとともに、紅茶の種類をご紹介しました。
紅茶は飲料であり、その成分のほとんどは水分です。
そのため、様々な効果がある成分を含んでいるものの、薬のように即効性があったり、効果が保証されているわけではありません。
ダイエットのためにと効果を期待するあまり、飲み物は紅茶のみにしたり、過剰に摂取するのは思わぬ弊害を生みますから注意が必要です。

しかし紅茶は、長い歴史の中で培われた奥深い世界が存在します。茶葉の種類も豊富で、様々なレシピが存在します。

これを機に色々な茶葉や飲み方を試して紅茶の世界を楽しまれてみてはいかがでしょうか?

監修

・総合診療医 院長 豊田早苗

・総合診療医 院長 豊田早苗

専門分野 
総合診療医

経歴
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年 医師国家試験取得。
2006年とよだクリニック開業。
2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。

資格
医師免許

所属学会:総合診療医学会、認知症予防学会

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